2018/08/28

エビデンスに縛られない

整体というギョーカイでの「あるある」として
エビデンスのないことを平気で既成事実のように扱う人が少なくないことがあります
信じない人からするとただのインチキであったりアヤシイ手技であったりするわけですが
やっている当人にとっては「真理」であったりするのです
中には大儲けを目論む人がテキトーなことをもっともらしく言う場合もありますので
騙されないように気を付けていただきたいです

医師はエビデンスに従っておられるので
基本的にはそんなややこしい話はあまりありません
ところが昨日の常識は今日の非常識ということがあって
医学の進化によって昨日まで正しいと思われていたことが
ある日突然ひっくり返ることもあるのですから
何が正しくて何が間違っているのかなんて誰にも分らない
そんなことをリヴァイ・アッカーマンはおっしゃってました

私自身も基本的にはエビデンスを大事にしているつもりではありますが
逆にエビデンスに固執しているわけではありません
いろいろ新しい考え方が登場し
次々に私の考え方をも変えてくれる今のギョーカイにおいて
エビデンスにとらわれ過ぎるとスピード感がなくなる恐れもあります

世に出たときからエビデンスがあるものなんて皆無
ちゃんとしたところなら何年もかけて研究データをとるのでしょうが
そんなことしてたら我々はオマンマの食い上げ
だからデータもそこそこで使ってしまい
そのうちに自費出版で本を出し
教祖様に納まるのがよくあるパターンで
それで支持する人間が多ければそれなりに食っていけるんでしょうが
信憑性に乏しい、効果が上がらないとなると消えていくわけです

まあ、人様の話は置いといて
私自身もエビデンスを度返しして情報収集はします
その中で効果が上がったものだけは残しておくことにしています
ごたいそうな理屈であまり効果が上がらないものもありますので
そこは結果第一主義でやっております

結局わたしの中に残るのは
わけがわからないけど結果が出る
それが何度も何度も繰り返されていくと
私の中でのエビデンスが確立されていくわけです

医師や学者なら他人にキチンと説明できなければいけませんが
その点私らは実にエエ加減ですので自由なところがあります
その代わり常にリスクはつきまといますので
しっかりと嗅覚を働かせて取捨選択をしなければなりません

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2018/08/16

HVLA

「オステオパシーってどんなことするんですか?」
むかしからよくある質問です
しかし答える側にとってこれって一番説明しにくいことだったりします

オステオパシーは手技の総合商社みたいなところがあって
数多くの手技が存在します
医道の日本社から出ている「オステオパシーアトラス」という本をみると
12種類の手技が紹介されています
そこにスピンオフみたいなものを入れるとどれくらいの数になるか見当もつきません

もちろん私自身全部の技を使いこなせるわけでもなく
いくつか使える程度でオステオパシーを名乗っているわけです

実際に習った技術でも使えないと思ったら
まったく臨床で用いることもなく半分忘れてしまうようなものもあります

その代表格なのがHVLA
「High-velocity, low-amplitude」(ハイベロシティ ローアンプリチュード)
英語で言うとカッコ良さげな名前ですが
これがカイロプラクティックでいうところのスラストテクニックみたいなもの
要するに骨をバキバキ鳴らして骨格矯正するアレ

本当のところは骨を鳴らせてどうこうではなく
ゴルジ腱器官という固有受容器に作用して
制限を生み出す筋肉の異常緊張を
脊髄反射をもって解除すようとするのが本当の作用機序だと考えています

私の師匠がかつてカイロプラクターだったこともあって
私らが教わった時代にはHVLAも少しだけ習いました

中途半端に知っている生半可な技ほど危険なものはありません
教わったわりには危険だからといってほとんど練習することもなく
私の中では使えん技としてお蔵入りにせざるを得ませんでした

たぶん使ってたら事故の多い整体院として有名になっていたかもしれません
それでも遊びで子供に使ってみたり
出先でどこかが痛いと相談されたときなんかは
ちょくちょく使ってました
ただほど怖いものはないといいますが
無料で施術するんだから多少のリスクはかまわんだろうという投げやりな発想

それでも骨をボキッと鳴らされたらなんとなく
治ったような錯覚も感じるので都合がいいんです
間違えてもふだん仕事では使えないわけですが
たまにこうやって練習を兼ねてやってます
まあまあ評判は悪くはないようなので
確かとはいえませんが腕は悪くないと思っています

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2018/05/11

知ってることとできること

プロ野球のピッチャーがキャンプで新しい変化球を習得しているという報道を聞きますが
実際にシーズンに入れば新しく覚えた球を投げないこともあります
相手をかく乱するためのブラフというケースもあるでしょうが
実戦で使えるまでの精度を高めるには何年もかかるというのを聞いたことがあります
もちろん個人の資質いかんで新球を習得するのにかかる時間は違うでしょうが
少なくともプロのレベルの球というのはただ曲がればいいというものでもなさそうです

これは我々の技も同じ
セミナーとかで新しい技法を習っても
本当に使いこなせるようになるまで熟練が必要です

私も本を読んだり人から教えてもらったり
今まで多くの技を勉強してきましたが
ある程度の水準に達し
自分の施術の中に組み込んで
他の技との連携の中である程度の結果を残せるに至るまでは
だいたい数年かかっているのが実情です

仮に単品の技を仕入れたとしても
底の浅さは否めません
それで結果が出ない場合技の責任よりも
熟練度が足りないと考えた方がよさそうです

本を読んでわかったような気になっても
臨床ではどうやっていいかわからないのがフツウです
逆にここが技術の世界の醍醐味かもしれません

同じ技を習ってもその解釈の違い
使う場面や組み合わせの違い
様々な条件が変わることで
技自体が化学変化を起こすかのように
大きな結果の違いを生み出します

そういうのを体験する楽しみのために
新しいものを取り入れていくのかもしれません

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2018/01/19

機序

オステオパシーにストレイン・カウンターストレインという技法があります
1955年にローレンス・ジョーンズという医師がいて
痛みに苦しむ患者を少しでも楽にしてあげるために
楽になる体位を探してそのまましばらくじっとしてたら
元に戻しても痛みが消えていた
そんなエピソードからカウンターストレインという技法が生まれたそうです

後に筋紡錘に作用するとい作用機序を思いついたのが
Dr.コーという医師だと教わりました

往々にしてこういった技法は偶然の産物として発見され
それを裏付ける理論は後からつけられるということもあります

逆に演繹法にのっとり理論を積み重ねて
あとから結果が付いてくるって場合ってそんなにあるんでしょうか?

とりわけ医師なんかは結果が欲しいはずですから
先ず結果ありきってのがフツウだと思いませんか?

近年エビデンスが重要視されるようになりました
ある意味当然なわけで医学的根拠を全く無視するというのも
効果に問題があったり危険性があることさえ考えられ
きちんと実証しながら根拠を確立すべきだろうと思います

物事にはいい点と悪い点があります
否定のための否定の理由づけとして
「エビデンスがない」と主張する人もいます

しかしながら最初からエビデンスをもって発見される理論もあり得ないのではないでしょうか?
とりわけ事実の積み重ねから得られるエビデンスなんて最初からあるはずもありません
否定や批判が目的の場合、最初からニュートラルではないわけですから
それこそ信頼性に足りる意見とはいいがたいわけです


それにしても痛みが消えない患者に
気持のいい体位を撮らせて痛みが消失した事実
精神科医の神田橋條治先生だったら
「気持いい」という情報が脳に伝達され
その結果脳から緊張を解くように指令が出た
こんな理論構成をとられるかもしれないと
私自身が勝手に考えつきました
そんな機序も面白いと思う次第です

要するにあとから付与する理論は考えようによって
いくつも思い浮かぶもんだと思います
先ずは結果が出てからのお話しです

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2018/01/11

指摘を受ける

知人がやっているメルマガに
「セミナーなどのPRに動画を使い自分の手技をチラ見せしているものがありそれを観たら逆に問題点が見えてくる」というようなことが書かれてありました

確かに他人様の動画を見ることは多いのですが
意外にいいところよりもクセというかアラというか
悪いところの方がよく目につくことがあります
話している内容も知識の浅いと思う部分も多々あります

これは私が優れているからではなく
私も含めて多くの同業者が
自分が一番優れているという自惚れを持っているから
自分と違うやり方はヘタクソに見えるだろうし
自分の知っていることを言わなければ
「コイツわかってないな」となるんだろうと思います

だいたい人様の動画を見るにあたって
そういう発想で見ること自体に問題があるんでしょうが
得てして治療家という人種には大なり小なり自惚れはあるでしょう

問題はそういうことを言いたいわけではなくて
人様の動画を見て学ぶよりも
自分の施術の動画を撮って人様に意見を聴いた方が
有益なんじゃないかと思ったのです
もっともプライドはズタズタにされる可能性は高いわけですから
小心者の私にはそんなことはできませんが…

自分で気づかないことをたくさん気づかせてくれるかもしれません

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2017/09/06

予防

どこか悪いから整体に行く
これがフツウのパターンです

ところが腰痛館にお越しの方には
どこも悪くないのに定期的にお越しになられる方がけっこういらっしゃいます
日ごろのたまった疲れを取ること目的になさってる方もいますが
意外に多いのは予防目的

いつも施術中、解説をしながら身体を触ることが多いのですが
「ここが疲れている」とか「内臓の動きが鈍い」とか
「腸のこの部分にしこりがある」とか
具体的に身体の状態で私が感じたことをお話しします

静かに寝ながら施術を受けたいという方には迷惑かもしれませんが
そういうことをお伝えしておかないと
将来、それが原因で後から症状として現れる可能性もありますので
黙って見過ごすわけにはいきません

私自身も意外に自分の身体のことを把握していないことを知っています
早い目にわかっていれば対処法はありますし
注意することで地雷を踏まなくて済む場合もあります

そういうことを聞きたくて施術を受けに来られる方も少なくないということ
たいていそういう方は以前にひどい目にあった経験をお持ちだから
今度は同じ失敗をしないという意思の表れかもしれません

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2017/06/29

人は見た目が100%?

身体の中での様々なつながりに興味を持ち
そんなことを考えるようなって久しいのですが
難しいことを考えないでもパッと見ただけで
身体が一つにつながっているのはわかります

身体の一部が分離してて
wi-fiかbluetoothでコントロールされるなんてことはありません

要するに素人レベルでも外観から
身体の不調がわかることなんていくらでもあります
腰が曲がってヨタヨタと歩いていたら
腰が痛いんだろうと誰でもわかります

しかめっ面をしているだけでも
どこか悪いのかなと思ってしまいます

一応専門家を名乗る我々でもこういうレベルの異変から観察を始めます
一般の方と少し違うのはそういったチェックポイントが多いということ
観察をして外見から得られる情報をいったんストックしておいてから
次にお話を伺います

お話聞いてみると食い違いも出てきます
それでも見かけが正しくて本人の認識の方が間違っていたなんてこともあります

そういった情報を整理したうえで身体を触り
状況に適した情報とそうでない情報を選別していく作業に移ります

こんなプロセスで状況を把握しようとするわけですが
施術後にチェックしたいポイントもいくつかあります
ベッドから起きられるときの身体の動きからもいろいろわかりますし
目なんかも施術後に一番変化が起きやすいので必ずチェックします
目がうつろだったり、目の焦点が合ってなかったり、視線を合わさなかったりしてたのが
帰るときには目つきがしっかりしていることが多いのです
だいたいこれで今日は上手くいったとなります

腰痛関連や内臓の機能低下のあった方なんかは
施術後、声の響き方が変わるというのもよくあることです

詳しい話をするときりがありませんけど
誰でも簡単にわかる見た目のチェックポイントを知っていれば
身体の何がどうなっているのかも見抜くことができます

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2017/06/14

寝かせる

お肉を使った料理をするとき
あらかじめお肉にお酒・醤油・ショウガなどを付けて
冷蔵庫でしばらく寝かしておきます

お肉に下味がついているので
野菜などと調理する場合薄味にしても
お肉の旨味がしっかりしているので違和感はありません
そればかりか野菜自体の味が損なわれることもありませんので一石二鳥

朝の間にひと手間をかけることで
美味しくいただけるという寸法です

これって人の身体にも使えるやりかたなんですが
もちろん醤油や酒で下味をつけるわけではありません

人の身体にある筋肉は幾重にも重なっていて
深層の筋肉が主に拘縮しているケースはかなりあります
しかしながら筋膜を介して接触しあう筋肉というものは
一つの筋肉が拘縮し他の筋肉は問題なしというのはありません
まあ、だいたい一蓮托生で硬くなるのが一般的

我々の施術の多くは皮膚表面から接触するわけですから
その効果も浅層から深層に伝わる技術がほとんどだと思います
理論上はダイレクトに深層の筋肉にアプローチできるようなものもありますが
理論と現実は少し違い浅層から深層まで仲良く拘縮する場合など
深層にアプローチをかけたつもりでも
その周囲が邪魔をして効果を下げる働きをします

どんな技法を学んでも有効性をアピールしても
効果がない場合を紹介したり説明するようなお人好しさんはいません
ここが我々にとっての落とし穴となります
「治る」と聞いて学んだ技法にも弱点があったり
想定外の環境があったりすると
たちまち自信は脆くも崩れてしまうわけです

そんなことを何度も経験している間に気が付いたのが「寝かす」という工程
難しそうな部分にあらかじめ違う目的のアプローチをして
しばらく時間をおいて下準備の効果が現れたころに
2度目の異なるアプローチをすることで
数種類の異なる技法が相乗効果を生み出すことに気づきました

もちろんケースバイケースでやっているので方法は様々ですが
例えば1度目のアプローチは血流促進を目的とし
2度目のアプローチでは滑走性の問題点を解消し
3度目のアプローチでは個々の拘縮部位にピンポイントで攻める
そんな発想をすればそれぞれの技の特徴も活かすことができますし
手順や組み合わせを変えることで更なる効果を導き出すことができます

また一度の施術でこういう組み合わせをするだけでなく
一週間単位・一か月単位・一年単位などの時間の経過を見据えて
長期的な計画を立てることも可能です

できるだけ早く効果を出したいのはクライアントも術者も同じなんですが
急がば回れの発想があればいろんな技術の組み合わせもあるということです

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2017/04/18

内臓へのアプローチ

毎年この時期は自律神経が乱れやすく
来院される方の多くが内臓の機能が低下しているように感じています

内臓は自律神経の指令で動いていますから
自律神経のリズムが狂いだすと
内臓への影響が出るのは自然なこと

とりわけ多いのが消化器系の不調
実際に下痢や便秘を訴える方は少ないのですが
胃腸由来の腰痛や頚が回りにくいというケースが目立ちます
背中に感じる不快感も結構多いですね

他の臓器も影響を受けることがあって
心臓にそういう問題がでることもしばしばあります
血圧が極端に上がる人、逆に下がる人
動悸や不整脈なんかもあるでしょう
しかしフツウこういった方は病院に行かれるでしょうから
腰痛館に来られることはほとんどありません

あるときそんな話をしていると
「内臓って直接触れないのにどうするんですか?」
そんな質問をされました

「直接触れないのは内臓に限った話じゃありませんよ」
「筋肉だって皮膚に覆われているので直接触れないですし、皮膚でさえ衣服の上からしか触れません」
そうお答えしました

別に屁理屈を言っているわけではありません
問題は直接触るかどうかではなく
いかにして刺激を身体の中にまで伝えることができるかにあります

鍼灸のツボのように全く違う場所に
関連する急所みたなところがあって
そちらから刺激を与える方法もありますし

私にしかわからない方法ですが
触り方を変えることで内臓まで刺激を伝えるやり方もあります

「触る」という行為の可能性って皆さんが思ってらっしゃるよりも
いろいろなことができると思っています
もちろん超能力とかいう類のものではありません
「技術」の範疇の力です

大昔から手技療法というのはありますが
これだけ機械による文明が発達しても
手の技術には及ばない部分はあります

もちろん手でなんでもかんでもできるわけではありませんが
手にしかできないこともけっこうあるんですよ

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2017/04/06

PI腸骨とAS腸骨

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オステオパシーの勉強をしだしたとき
「PI腸骨」と「AS腸骨」という言葉を知りました

posterior inferiorがPI腸骨でanterior superiorがAS腸骨
前者が「後下」という意味で後者が「前上」という意味
つまりはPI腸骨が後下にズレていて
AS腸骨が前上にズレている状態をいいます
「腸骨後下方変位」と「腸骨前上方変位」といういい方もあります

こんなことは一番初期段階で習ういわば基本中の基本
先日ご紹介した月刊スポーツメディスン189の特集で
骨盤の歪みについての記事があり
こういったPI腸骨やAS腸骨を含む様々な骨盤にまつわる問題点が整理されていました
それを読んで知っていると思っていた基本中の基本で
驚くほど知らないことが多かったので
再びPI腸骨やAS腸骨のメカニズムや
そこから起きる二次的な問題と
複数の問題点の絡み合いについて勉強しなおしているところです

例えばなぜ腸骨が後下方にズレるのかといえば
ざっくりいえば腸骨と大腿骨に付着する筋肉のうち
股関節の伸展の作用にかかわるものが拘縮したら
大腿骨が動かない場合、腸骨が後下方に引っ張られるという理解をしているだけで
二次的な影響についてまで考えが及ばなかったのも事実

この特集を読んでみて仙結節靭帯にストレスがかかるということも
考えてみれば当然のことでしたが
そこまで結びつける思考がなかったので
バラバラのものとしてとらえていたんですね

恥骨結合にひずみが出ることは知ってはいたものの
内転筋に影響を与えうることなんて目から鱗

「基本を学ぶ」というのはここまで学んでこそ言えることだと思い知りました
基本の表面だけでわかったような顔をしているから
結果が出ないことも多かったわけです

さっそくこの知識を基にしてアプローチを変えてみたら
股関節痛がアッサリ治ってまたビックリ
今までほとんど用いることのない技をかけてみたら意外なほど効果が出ました

PI腸骨のカウンターストレインなんて
4年前の5月5日に福島県のジュピアランドひらたで使ったきりでしたからね
私の中でほとんど役に立たなかった技法が
新しい知識のもとにまた復活するんですからスゴイですねぇ

面白いからもうちょっと勉強してみます

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