2019/09/12

スタビリティマッスル

筋肉の分類については過去にもいくつかご紹介してきましたが

今日はスタビリティマッスルとモビリティマッスルという分類のお話です

 

高層ビルなんかの工事現場で大きなクレーン車を見かけることがありますが

あのクレーンは相当高いところまで伸びていき

鉄骨など重いものを運びます

クレーンの上の方に目が行きがちですが

大切なのは土台の方です

たいていの工事現場では周囲を覆っていますので

下の方は見えませんが

地面に幅の広い足を出してクレーン車を固定します

台座部分が安定しないとクレーンが倒れることもあります

 

人間の身体も同じで手足などを動かそうとするとき

一方を固定しておかないとうまく動くことができません

例えば足を上げるときに動くのは腸腰筋ですが

腸腰筋が収縮すると大腿骨が上がる作用もありますが

腰を曲げてしまう作用もあります

 

力が2方向に分散すると動きが悪くなるばかりか

骨盤や背骨まで曲がってしまい安定性を欠きます

それを防ぐために必要なのがスタビリティマッスルです

スタビリティマッスルは安定筋とか固定筋と呼ばれるように

土台になる部分を動かさないように固定する筋肉です

背骨や骨盤を反らす筋肉としては脊柱起立筋や中殿筋が働きます

さらに背骨だけではなく体幹を安定させるために腹筋群も働きます

 

歩くために足を上げるという動作だけでも

多くの筋肉がそれぞれの役割を果たしているわけです

そして私らにとって大切なのは紹介したこれらの筋肉は

すべて腰痛に対するアプローチにおいて重要な筋肉でもあります

 

こういった動作に関連する筋肉のグループを理解することは

施術の展開にもかかわってきます

一つの動きにおけるスタビリティマッスルとモビリティマッスルは

セットものでありどれかに問題が生じると

連鎖的に負担がかかり機能障害につながります

 

 

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2019/09/03

ピエゾ電気

筋肉や骨の表面はコラーゲン線維に覆われています

コラーゲン線維は圧を受けることで電気を発生させているそうです

これをピエゾ効果といいますが

ピエゾ電気は骨芽細胞を刺激します

 

我々は地球上で重力という圧力を常に受けています

その圧力を骨芽細胞の刺激として骨の生成を促すというのは聞いてはいましたが

その刺激がピエゾ効果に依るものだは知りませんでした

 

アポロの時代とは違いスペースシャトルでは運動を欠かさず

ピエゾ効果を生み出したのですが

その刺激の量は重力のそれには遠く及ばないのだそうです

宇宙空間では1ヶ月毎に1%の骨が失われます

 

今読んでいる本で骨の生成メカニズムを知りチョット感動しています

で、受け売りの知識をご披露したしだいです

 

それにしてもマッサージ系のテクニックって

血流改善が目的でやっているものだと思ってましたが

ひょっとしたら筋膜に対するピエゾ効果もあるのかもしれません

 

 

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2019/08/21

股関節の安定

Img129(画像:カパンディ関節の整理学)

股関節の動きは様々な方向に動きそして動きの範囲は大きい関節です

逆に動きが大きいということは不安定な関節とも言えます

股関節が頻繁に脱臼すれば困ってしまいますので

関節を取り巻く組織が幾重にも股関節を保護し不安定さを解消します

関節唇もそうですし靭帯も数種類あり動きを確保しつつ安定性を高めます

 

そして筋肉も股関節の安定性を確保するためのものがあります

例えば外旋六筋と呼ばれる筋肉たちも

股関節の動きよりも股関節の安定性と制御を主目的とします

その他にも中殿筋、小殿筋は梨状筋や外閉鎖筋とともに股関節の安定性に寄与します

これらの筋肉の特徴はそれぞれの筋肉のテンションが

骨盤と大腿骨を平行に保つように走行します

「股関節の安定筋」という別名がその役割の重大さを表します

 

我々の現場で問題になるのはこれらの筋肉が拘縮あるいは弱体化することで

様々な問題を発生させる可能性があるということです

股関節痛であったり骨盤帯のアライメントが乱れることからくる腰痛もありました

わりと見過ごしがちな筋肉もありますので

ややこしそうなときはこれらの筋肉にも必ずチェックを入れるようにしています

 

 

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2019/08/20

鵞足炎

Img128(画像:動きの解剖学Ⅰ)

体の中で一番長い筋肉といえばこの縫工筋

前上腸骨棘から脛骨の上方内側に付着します

脛骨に付着する部分がガチョウの足に似ているところから

「鵞足」と呼ばれています

 

鵞足炎はその部分に起きた炎症を言います

マラソン選手など長時間走ることなどで起きる現象だと言われていますが

現実にはまったく運動していない人でも鵞足炎になるケースを何度か見ています

足をよく使うことで鵞足と内側側副靭帯が擦れることが炎症の原因

 

この間もまったく運動していないのに鵞足炎になった人がいましたが

おそらく普段から運動をしていないので

この部分の滑走性が低下して摩擦しやすい状態にあっただろうと推測しています

 

基本的には縫工筋の緊張を取れば症状は緩和するのですが

厄介なのは縫工筋だけが緊張するというケースは有り得ないので

結局ハムストリングや大腿四頭筋など臀部から大腿部全体に

疲労感があるので結局全部やらないと問題解決には至りません

こういうケース組織同士の癒着も多く

滑走性を取り戻してあげるのも重要なポイントだと考えています

もちろん炎症そのものは時間薬ですので

若干残った痛みは時間の経過が必要です

 

 

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2019/08/19

肩甲骨から動かそう

ここ一年ほどいわゆる「五十肩」に対する施術で

肩甲骨に着目しています

五十肩は肩関節周囲組織の退行性変化を基盤として明らかな原因なしに発症し

肩関節の痛みと運動障害を認める疾患群と定義されています

簡単にいえば老化でわけのわからない肩の痛みってことになりますが

アプローチの切り口が多数あって

ローテーターカフや広背筋、上腕二頭筋などの筋肉

肩甲骨から上腕骨を結ぶ靭帯など

肩甲上腕関節や肩鎖関節のアライメント

数え上げたらキリがないくらい五十肩のときいろんなことを考えてしまいます

 

で、最近気になりだしたのが肩甲骨の動き

身体の後ろ側にあるので気にする機会も少ないかもしれませんが

現代人の生活において肩甲骨を動かす機会はあまりないんじゃないかと想像します

パソコンなどのデスクワークでは手首から先しか動かすことがありません

日常生活の中で肩甲骨から大きく動かす動きなんてほとんどありません

 

動きのないところは滑走性が悪くなります

毎日何人もの肩甲骨を触っていますが

年齢が上がればそれにつれて肩甲骨が癒着している方が増えていきます

 

五十肩といえば腕が上がらないというのが最も多い症状ですが

腕を最大に挙げるときは肩甲骨がスライドします

ところが癒着した肩甲骨では腕を目いっぱい挙げることができなくなります

それでも痛みがなければだれも気にしないのですが

本来の肩甲骨から肩関節の動きの連動はこの段階でバランスを崩します

そうなると大きな腕の動きをするときにも本来両者のバランスを整えて動かすところを

肩関節だけ過剰に動かさないといけなくなります

 

こういう状態が長年続くことで

筋肉の負担、関節のアライメント、靭帯にかかる負担

これらが状況悪化した積み重ねが五十肩の一つの要因ではないかと考えだしています

 

面白いもので肩甲骨の動きを私が誘導し

腕に対しモビライゼーションをすると可動域が改善し

痛みが軽減するのもわかってきました

もちろん長年積み重ねが原因ですから

一朝一夕によくなるものではありません

 

しかし普段から肩甲骨を意識的に動かしていれば

五十肩は防ぐことができるかもしれません

 

 

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2019/08/16

ストレスと腰痛

突然腰痛に襲われ来院される方もいます

さっきまでフツウに生活していたのに

あるとき突然腰が痛くて動けなくなります

青天の霹靂とはまさにこのこと

 

その理由がわからなくて

「重いものを持ったわけでもないのに腰が痛くなりました」

こうおっしゃる方も少なくありません

実は私自身長いことこの仕事をやってますが

重い物を持って腰を痛める人って数えるほど

20年ほどでせいぜい4~5人といったところでしょうか?

 

だから腰痛の原因として重いものを持つということは

私自身あまり頭の中にありません

厚生労働省のデータによると非特異性腰痛といって

これといった原因がはっきりとわからない腰痛が全体の85%に及ぶということですから

わけがわからない腰痛が圧倒的に多いということになります

もちろん重い物を持って腰痛になる場合でも非特異性腰痛もありえますから

なかなか腰痛の原因を特定することは難しいようです

 

近年、腰痛の原因としてストレスなどの心理的要因が業界では話題になっています

ひと昔前ならあまり言わなかったことですが

我々のギョーカイでは心理的要因に着目なさる方が確実に増えています

私自身も身体を触っていてストレスが長期的にかかってるだろうと感じる方は少なくありません

しかも意外なことにご本人は無自覚である場合が多いと感じています

自ら率先してストレスが原因ですと言われる方よりも

無自覚に数十年単位の長期間わずかなストレスを抱え

腰痛が発症する場合もあります

 

もちろんいつも申し上げる通り

一元的な腰痛の原因ってほとんどありえないとさえ感じておりますので

複数の要因がある中の一つがストレスって考えています

こういう場合運動器だけではなく自律神経系にも異常があることも多く

かなり厄介なケースも少なくありません

きちんと状態を見極めながら整理して考えることが成否を分けるカギになります

 

 

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2019/08/12

運動神経

運動神経という言葉は世間一般でも使われますが

どちらかというと「運動のセンス」みたいな意味で用いられます

スポーツをするとき素早い巧みな動きをすれば「運動神経がいい」なんていいます

ところが正式には「体内臓筋肉の動きを指令するために信号を伝える神経の総称」と定義されます

要は身体を動かすための伝達経路であって

内臓の動きのような不随意運動なんかも運動神経に支配されています

 

私が子供のころは「運動神経がない」なんて言われたものでした

大阪では「どんくさい」というのですが

背は低いし足は遅いし筋力もないしとくれば

運動能力としてはかなり低いレベルであったのは間違いのないところです

 

ところがそれでも中学に入りバスケットボールをするようになり

毎日クラブ活動で練習しているうちに

いつの間にか早く走れるようになり高く飛べるようになり

すばしっこく動くようになれました

 

よく運動神経のなさは遺伝だとかいう人もいますが

あれはまったくの誤解で運動習慣のない親のもとで生活していると

子供も運動習慣がないケースが多いだけで

誰もが運動をすれば運動神経は構築されます

 

結局練習を繰り返しすることで脳の神経回路が作られ

その数が増え、その結びつきが数多くなれば

神経回路の連携も強固になり

再現性も高くなります

当然脳だけで運動できるはずもありませんので

練習をすることでその動きに必要な筋肉も増えてきて馬力が付きます

 

余談ですが私がゴルフをしていたころ

タイガー・ウッズのフォームを真似て打っていたのですが

ボールは右へ右へと曲がり距離も出ませんでした

ビデオをフォームを映してもらったら

タイガー・ウッズのスィングとは似ても似つかないものでした

 

つまりはそのフォームを打つための筋肉もついてないし

神経回路も構築されていないわけですから当然の結果なわけでして

コンペの前日に打ちっぱなしで練習するだけでは

運動神経が作られていないのももっともな話です

 

小さなお子さんがボタンをかけられないとか

靴ひもを結べないとかも同じこと

一生懸命にやってもそのための運動神経が作られないうちはできないわけです

ところがそれでも何度も何度もやっているうちに

運動神経は作られいつの日か簡単にできるようになるものです

 

運動神経がないからといって諦めているのが

一番いけないことだと思います

 

 

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2019/08/01

伸筋と屈筋

筋肉の分類もいろいろあって「姿勢筋と相動筋」

「ローカル筋とグローバル筋」

ひと昔前だと「インナーマッスルとアウターマッスル」こんな分類もありました

 

私たちにとって一番身近な分類は「伸筋と屈筋」です

読んで字のごとく関節を伸ばす筋肉は伸筋で

関節を曲げる筋肉が屈筋です

 

筋肉が自発的にできるのは筋肉を縮めることだけで

実は伸ばすことはできないのです

だから反対側に伸筋があってこれが縮むことで

屈筋は受動的に伸びるという仕組みになっています

 

こういった仕組みを利用した技法もあるのですが

人の身体は伸筋と屈筋のバランスで姿勢を維持し動くことが可能になります

 

老化したときに筋肉は弱体化し委縮しますが

その時により大きく影響を受けるのは屈筋の方です

もちろん伸筋も委縮しますが量的には屈筋の方がより委縮します

 

例えば腰痛のメカニズムにしても

大腰筋が委縮することで腰が曲がります

そうなると伸筋である脊柱起立筋は常に引っ張られた状態が続き

血流も悪くなり疲弊し発痛物質を生み腰痛になります

 

だからこの状態を改善するために背筋群ばかりをほぐしても腰痛は治まりません

本当の問題点は屈筋である大腰筋にあるから

伸筋の起立筋だけやっても上手くいかないのは当然のこと

私が修行しているとき先輩から「痛いところの反対側を疑え」と教わりましたが

伸筋と屈筋の関係性を理解したうえで施術しなければならないということです

 

 

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2019/07/29

足根管症候群

もっと勉強しないといけません

この間来られた方が「足根管症候群」と病院で診断されたそうです

お恥ずかしい話ですが今まで聞いたことのない症状でした

手根管症候群なら何度か扱ったことがありますけど

足根管症候群というのは聞き初めです

 

いい加減なこともできませんので

しばらく時間をいただいてネットで調べたみたら

手根管症候群に似たことが足で起きているということで

病院の医師からも手根管症候群に比べると滅多にない症状だと言われたそうです

 

とりあえず患部を触ってみると脛骨と距骨、距骨と踵骨、距骨と舟状骨の

それぞれの関節部分に触圧痛がありました

そこから距骨のマルアライメント(歪み)が原因であると推測

この付近を走る長趾屈筋・後脛骨筋・長母指屈筋をカウンターストレインで弛緩

これで一通り圧痛が取れたので後は距骨の変位を修正して一件落着

 

とても興味深かったのはここ数年足関節(足首)の可動性に注目していて

足関節の底屈・背屈の可動性が減少している人は漠然と体調が悪いと感じていました

もちろんエビデンスのかけらもないお話しです

その件に関して距骨の変位に原因があるのではないかとにらんでいたわけですが

今回、距骨をニュートラルの位置の戻した途端

足関節の可動域も戻り足根管症候群の痛みも全部とれました

 

問題が解決したのもよかったですが

距骨の存在が益々面白くなってきました

いろんな意味でいい勉強になりました

 

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2019/07/23

腰椎圧迫骨折

たまに骨粗鬆症だから腰が痛いと言われる方もいますが

基本的に骨密度が低いから腰痛になることはありません

骨粗鬆症の一番の問題点は骨折のリスクです

だから骨粗鬆症が関係してくるのは腰椎圧迫骨折なんかが一番怖いわけです

 

もちろん骨折しているわけですから私らの出番はありません

以前私の母親が元気だったころ突然腰痛を訴え

何度か施術したのですがまったく反応はなく

これは病院に行った方がいいと判断し

レントゲンを撮ってもらうとやっぱり圧迫骨折でした

 

我々の仕事には施術してはいけない人を見抜くことも含まれます

いい加減な希望的観測でそのうち治ると思っていたら迷惑なことです

だから「違うな」と感じたら速やかに病院に行くよう促します

 

そしてもう一つのポイントは骨折が治ってから

治ったからメデタシメデタシというわけではありません

考えてみたらどうして圧迫骨折をしてしまったかという問題

骨粗鬆症で腰椎が脆くなっていたのも現実ですが

たいていそういう方は周辺筋肉が拘縮してしまい

腰椎を圧縮するような力が加わっているものです

だから私らの出番があるとすれば骨折が治った後に

固まった筋肉を弛緩することにあります

もちろんそういう方は決まって運動不足による筋肉の弱体化も大きな要素となっていますので

運動療法を促すのも重要な事項です

 

 

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