2021/04/06

腰痛と声

ずいぶん昔のお話なんですが

あるアナウンサーの方がおいでになりました

主訴は腰痛と声が出ないこと

声が出ないといっても普通にお話はできますので声が出ます

要はアナウンサーとしての声が出ないということ

歌手やアナウンサーや役者さんは

腹式呼吸でハリのある通る声を出します

ところがその方はアナウンサーの命ともいえる

プロとしての声が出せずボソボソと聞き取れないほどのか細い声しか出なかったのです

 

私自身も激しい腰痛に見舞われたとき

喋れなくなり絞り出してかすれ声で喋った経験があります

この場合問題になるのは横隔膜の緊張と腰方形筋の筋拘縮

発声の際に横隔膜が大きく伸びることで胸腔を圧迫し

空気を押し出すような恰好になります

横隔膜だけではなく筋肉は自動で縮むことはできますが

伸びるときには作用せず他の筋肉に力で受動的に伸びるのです

たまに腹式呼吸を指導される際

「横隔膜を伸ばして」ということを言われる方もいますが

横隔膜が自動で伸びることはありませんので意識するポイントとしては間違っています

 

閑話休題

腹式呼吸の場合呼吸筋としての腹筋群や骨盤底筋を収縮させて

腹腔の空気圧を上げることで横隔膜を押し上げるのですが

この時に第12肋骨を固定し横隔膜を安定させる役割を果たすのが腰方形筋なんです

 

Img20210405_14081802

(画像:骨盤と仙腸関節の機能解剖)

その腰方形筋が緊張したままでは

第12肋骨は不安定となり、その不安定さは横隔膜の弛緩の妨げとなります

イメージとしては足元が不安定なところに立つと

全身が緊張で硬直してしまうのに似ています

身体というのは一次的に安定を欲し

安定が確保されてから動きが可能になります

 

腰方形筋は腰痛関連では上位にランクされる筋肉です

第12肋骨を安定させるというのは全体像を考えると

骨盤に対し腰椎から肋骨全体、いわば体幹を安定させる働きに他ならないからです

 

身体にしたら声を出すよりも身体を安定させる方が優先されるということになります

だから下肢の緊張を取り除き骨盤の自由度を回復させることで

腰方形筋の緊張を取り除くことができれば

自ずと腰方形筋は第12肋骨を安定させ横隔膜が自由に動くことができ

それで初めて声がしっかりと出るようになるわけです

 

施術を進めているうちにお話している声が

少しずつ大きくなりだし最後には響く声が出るようになり

施術の進捗状況が手に取るようにわかりました

 

普段喋るときそんなことを意識せず喋るのですが

腰痛になり声が出なくなって初めて

こういった関連性があることに気づくようです

 

 

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2021/04/01

呼吸補助筋

Kokyuukin

(どこから画像を拝借してきたのか失念しました)

呼吸は横隔膜を引き下げ胸郭を広げることで吸い

横隔膜を押し上げ胸郭を狭めることで吐きます

生まれてこの方数えきれないくらいの呼吸をしているわりに

呼吸のことをあまり知りません

 

横隔膜、肋間筋、腹筋らがメインの筋肉となり

胸鎖乳突筋、斜角筋、僧帽筋、大 ・小 胸筋が呼吸補助筋として扱われています

今日は普段呼吸に使われることなく

いざというとき大量の酸素を必要とするとき

呼吸筋としての役割を果たす呼吸補助筋が今日のテーマ

 

これらの筋肉は普段違うお仕事をしていますが

全力で運動した後など大量の酸素を必要とするときにだけ

胸郭を引き上げる役割をします

イメージとしては「肩で息をする」というときの感じ

 

なぜ呼吸補助筋をテーマにしたかといえば

今これらが調子が悪く大変な人が多いからです

過緊張の時や疲れているとき

あるいは自律神経が乱れているとき

心理的ストレスが強いときなど

胸郭が硬くなって伸び縮みが十分にできないことがよくあります

幸いそれ自体痛みを伴うことは稀ですので

本人はほとんど気づきません

 

しかし胸郭が固まると呼吸補助筋にストレスがかかります

言い換えれば微妙に引っ張られた状況になります

短期間であれば持ちこたえることもできますが

時間が長ければ長いほどこれらの筋肉にストレスが蓄積し

筋拘縮を起こして伸びなくなってしまうケースが最近目立ちます

 

最も多いのは俗にいう「寝違い」

首が痛くて回らない場合はたいてい呼吸補助筋がかかわります

この場合固まっている頚の筋肉は細くてデリケートですから

強い力で刺激を加えると逆効果になりかねません

私は主に引っ張られている頚の筋肉よりも

引っ張っている胸郭にある呼吸筋を弛緩させ

頚の筋肉を引っ張る状態を中止させる方向でアプローチします

 

もっともこういうケースには内臓が関連する場合もあり得ますので

いろんな場面を想定しながら施術しないとなかなか中心的問題にたどり着くことも難しくなります

 

 

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2021/03/26

調子悪いです

これも腰痛館あるあるなんですけど

皆さんの調子が悪くて忙しいとき

私もあまり体調が優れません

 

今日の天気予報なんて最高気温と最低気温が20℃と7℃

明日は22℃と6℃と16℃の気温差

私が知る限り最高の気温差が記録されるかもしれません

ここのところそういう日が続きます

自律神経がまともに動くには過酷な環境といえます

 

最近来られる方の身体を触っていると

腰痛であろうが五十肩であろうが寝違いであろうが

消化器系の不調が関わり合いを持つと思しきケースが相次ぎます

ある医師なんて病気の8割くらいに腸がかかわるとまで言われます

驚かれるかもしれませんが免疫の大半が腸で造られるそうですから

コロナウィルスなどの感染症でさえ腸が関係しているとも聞きます

 

かく言う私も腸の具合がよろしくない

実に珍しいことですがここ数日お酒を飲んでいません

ただでさえ調子が悪い胃腸にアルコールの刺激は過酷すぎます

取り返しのつかないことになる前に自重しているわけです

 

ここから4月に入るまで22℃くらいの気温が続きます

毎年桜の咲くころは17℃くらいと記憶しています

暖かいのは気持ちがいいものですけど

ひんやりとする朝方との気温差はけっこうなものです

私も早く体調を整え花見で一杯といきたいものです

 

 

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2021/03/23

「寒い」と「冷える」

私が仕事中に会話するとき明確に使い分けている言葉があります

それは「寒い」と「冷える」です

寒いと冷えるのは当たり前のように感じられますが

「寒い」というのは温度が低いことを表す言葉です

それに対し「冷える」というのはその主体は自身の身体であったり物であったりします

実際は同じような使い方をして言うますが

私のような捉え方をしますと

「寒い」は空気の温度が対象であって

「冷える」というのは人もしくは物の温度が対象となります

 

寒くなると冷えそうなイメージがありますが

寒くなって体温が下がるのはカエルやヘビなどの変温動物です

だから彼らは気温が下がると活動ができなくなり冬眠します

しかし私たち人間は恒温動物

真夏であろうが真冬であろうが体温は一定の範囲に維持できます

これは自律神経の働きで可能になります

 

ところが体温が部分的にあるいは全体的に下がることを「冷える」といい

身体の機能がうまく働かないことが原因となります

細菌やウィルスなどの外部的要因以外で身体の機能が狂うのは

主に「冷える」ことがかかわってきます

「寒い」というのはあくまでも外部的要因

「冷える」というのは身体の内部の機能の問題

こう分けて考えればそれぞれの意味はずいぶん変わってきます

 

衣服や暖房などで「冷える」ことをある程度防ぐことは可能ですが

いったん「冷えて」しまって低下した機能は衣服や暖房で元に戻すことはできません

なぜならば「冷えた」状態は主に血流が悪くなることが原因だからです

私が施術で行うことの半分以上は血流の促進です

エンストしたエンジンを押し掛けするようなイメージで仕事しています

イマドキのエンジンはエンストもしないので推し掛けなんて言葉もわかりづらいでしょうけど

血液の流れが正常化して普通の状態にもどることができたら

後は身体の本来持つ力が身体を治してくれます

これこそが「自然治癒力」であり私が目指すところです

このような自然の摂理を明確に認識するために

「寒い」と「冷える」という言葉を使い分けています

 

 

 

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2021/03/22

気圧が下がると

昨日は一日中雨が降りました

やっぱり何人かの方からお電話がありました

おそらく腰痛館だけのことじゃないでしょうけど

雨の降る日は体調不良を訴える方が増えます

 

雨というよりも気圧が問題だと考えています

だいたい低気圧と体調不良のことを検索すると

自律神経系が乱れるという説明が見つかるはずです

今回は自律神経系のお話は割愛させていただきますが

いずれにしても気圧が下がると雨が降る降らないにかかわらず

身体の調子が狂います

 

私なりにいろいろ調べてみると

気圧が急に下がるとヘモグロビンの量が減るそうです

ヘモグロビンは血液中で酸素を運ぶ役割を担う

赤い色をしたたんぱく質です

血の色が赤いのはヘモグロビンが含まれているからです

 

ヘモグロビンが減るということは細胞に酸素が十分にいきわたらないことを意味します

酸素は代謝に使われるのですが

酸素の供給量が減ると代謝も落ちます

つまりは熱の産生が減少することになり

いつもよりも冷えた状態になります

代謝で産生される熱こそが身体を動かす原動力であるわけですから

結果的に身体の機能が低下します

 

ちなみにマラソン選手などが高地トレーニングをするのは

気圧が低い土地でトレーニングすると

本来ヘモグロビンがへるのですが

それも身体がその環境に慣れてくれば

通常通りヘモグロビンが出るそうです

そうして試合に挑むと身体の機能が正常に働きやすく

疲労回復能力も機能します

 

腰痛館でも梅雨入りすると一時的に忙しくなりますが

雨が続けば次第に身体が慣れてきて体調不良の方も少なくなり

毎年6月半ばでヒマな時期に突入します

 

私が雨の日に注意することは

気圧が下がると代謝が十分に行われにくくなりますので

身体が冷えてしまいがちです

だから部屋の暖房をいつもよりも少し高い目に設定します

施術を受けるため長い時間ベッドで寝ていると知らないうちに身体が冷えるのを防ぐ目的です

私自身も施術をしているときにはさすがに体温が上がりますが

休憩中に身体が冷えそうになることもあります

だから普段より1~2度エアコンの温度設定を上げることもあります

 

 

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2021/03/09

花粉症

今年は早い時期から寒暖の差が激しく

いっきに気温が上昇することもしばしば

全体的に暖かくなってくると出てくるのは花粉症

私も20年ほど前に花粉症で悩まされたものです

幸いにして5年ほどかかりましたが何とか治り

今では全く花粉症とは縁がなくなったみたいです

 

治ってから花粉症のことを調べているうちに

漢方では花粉症を鼻水が落ちる「湿式」と

鼻詰まりがひどく熱がこもりやすい「乾式」という2種類に分類され

漢方薬を決めるとき湿式には血液の循環を良くして体を温めるものを選び

乾式にはこもった熱を下げる薬を選ぶというお話を

ネットで見つけたことがあります

 

それで納得がいったのは私の花粉症は

鼻水ポタポタの湿式だったことです

当時すごく体が弱っていて平均の体温が35.8度でした

要するに私の花粉症は体が冷えていたことが原因だったようです

 

その後毎日欠かさず運動をして

平均体温が36.5度に上がったころには

すっかり花粉症やダストアレルギー・金属アレルギーなども

ほぼ同時期になくなっていました

そのころは花粉症との関係もわからず

気が付けば治っていたような感じだったのですが

代謝が下がるというのは産生されるエネルギーの絶対量が少ないわけですから

身体の機能も正常には動いていなかったということになります

 

あくまでも私のケースですので

多くの方の花粉症にこのお話が当てはまるわけではないでしょうが

私が気づいたのは体温が下がるということはその分身体が正常に動かないということ

そのために熱を生み出す機関としての筋肉の役割を

異なる角度から理解できたのです

 

 

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2021/03/03

基準

すでに習慣化していますが

腰痛館の扉を開けて入ってこられた時から

身体を観察しています

ジロジロ見たらそれこそ怪しいですが

挨拶をしながら顔を合わせるのと同時にいろんなところをチェックしてます

 

姿勢や歩幅などのチェックポイントはありますが

お話を伺うまでにその情報を仕入れておけば

症状などを伺ったときの参考になることが多いです

それと症状が出たところだけに問題があるということはあまりなく

ご本人がお気づきでない部位に問題があるケースがほとんどなので

全体的な身体の目視は施術に入るまでの重要な情報になります

 

Img20210301_15411450

(画像:基礎運動学)

例えば姿勢なんかは上の図のように

一直線上に並ぶチェックポイントがあります

たいていの方は入ってこられた時には

一直線上には並んでいることは珍しく

必ずと言っていいほどバランスが悪いのです

 

そしてお帰りになられるとき

理想的なバランスで立たれたら

施術が上手くいったと考えてもいいわけです

 

ただ漠然と見ているわけではなく

明確な基準があってそこから様々なことを推察するようにしています

 

 

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2021/02/24

造血

いつもお世話になっている高澤昌宏さんのブログですごい内容が紹介されていました

すごい内容とは肺に造血作用があることが発見されたということです

元ネタはNewsweek日本版なんですがそのタイトルも

「肺にまさかの造血機能、米研究者が発見」

 

はじめて解剖生理学を習ったとき

血液について教わり「血液は骨髄で造られる」ということでした

骨髄は主に背骨・腸骨・胸骨に存在し

造血幹細胞が血液を造るものと教わりました

ところが今回の研究では肺でも血小板が造られることが報告されています

 

我々手技療法家にはさほど関係ない話かもしれませんが

今まで常識だと疑わなかったことがひっくり返ったわけです

この仕事を始めてから身体のことについて勉強してきましたが

医学の最先端では幾度となく常識がひっくり返されてきたのを見てきました

身体のことに関しては信じて疑わないのはむしろ罪なことかもしれません

前提がひっくり返るのはとても大変なことなわけですが

それも含めて「進歩」だといえるわけで

それにいち早く対応しなければ取り残されるようです

 

常にいろんなアンテナを張っておく重要性を

あらためて知らされた形です

 

 

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2021/02/23

股関節痛

ちょうど1年前のスポーツメディスンの特集で

「股関節鏡の現在」というのがあって

手術やリハビリ・検査法などの最新情報が掲載されていました

さすがに手術は我々には関係ないのですが

それでも股関節痛で来られた方が

手技療法に向かない方の特徴もわかりやすく解説されてあったので

この1年間は何度も読み返して応用させていただきました

 

この特集はインピンジメントの解説が中心だったわけなんですが

それにとどまらず様々な股関節痛のパターンにも言及されていたので

施術がピンポイントでできるようになりすごく参考になりました

 

それまでは触ってみて問題のあるところを片っぱしからアプローチしていましたが

この頃では優先順位も見えてきたので確率が上がったように感じています

反面我々が扱うべきではない方も見えつつあるので

そういった方にはまず病院で受診されることをお勧めする機会も増えました

 

あらためて見えてきたのは

股関節の機能が様々な層の有機的なつながりによって維持されるということ

何となくはわかってはいても具体的なかかわりは

そういった情報があるからこそ見えてくるようです

 

 

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2021/02/11

自律神経の乱れ

今年の冬は自律神経が乱れることによっておこる症状が多いように思います

「自律神経の乱れ」って非常に使い勝手のいい言葉でもありまして

具体的に身体に起こる不調も様々なので

とりあえずそう言っておけば何となく納得しそうな場合も多く

可能な限りきちんと説明するように心がけています

 

自律神経とは循環器・呼吸器・消化器などの活動を司る神経です

「自律」というからにはオートマチックで24時間体制で活動します

それぞれが生命維持にかかわる重要な活動ですから

これらの活動がおかしくなると身体に得体のしれぬ不調が襲い掛かることになります

 

自律神経は活発に活動するときに優位になる交感神経

そして安静時に優位になる副交感神経があります

最近多いのは不眠を訴えるケースなんですが

本来寝ているときは副交感神経が優位に立ち安静にすることで眠れるのですが

時間割を間違えて夜中に交感神経が優位に立てば身体が興奮し眠れなくなります

 

なぜ今年の冬は自律神経が乱れやすいのかといえば

天候・気候の変動が激しいからだと私なりに分析しています

本来1月2月は気温が低くて安定しているはずなんですが

1月にも17℃の暖かい日があったと思えば

数日後に氷点下になったりしています

また暖かい日でも最低気温が低く

明け方と昼間の気温差が10℃を超える日が多くなっています

三寒四温に入るにはちょっと時期が早いように思います

 

私自身も珍しく3日間雨が降り続いたとき

お腹の調子が悪くなり大変な目に合いました

循環器に機能がおかしくなると身体が冷えてしまうことも多く

そして消化器にも影響が出たと思っています

 

自律神経の乱れは本人にわかる原因もあまりないので

それと気づく人は少ないように思います

消化器系が冷えてしまってその影響で腰痛になっても

まさか自律神経が腰痛にかかわっているなんて想像しづらいものです

 

自律神経といえば精神的なものだとお考えの方もいらっしゃいますが

精神的なストレスで自律神経が乱れるケースももちろんありますが

必ずしも精神的ストレス=自律神経の乱れという図式とは限りません

肉体的ストレスも自律神経の乱れに大きくかかわることもあります

 

 

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