2023/03/23

一生、山に登るための体づくり

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一生、山に登るための体づくり 石田良恵

アタックネットにブックレビューが掲載されました

こちらをご覧くださいませ

 

「年寄りの冷や水」という言葉が似合うようになってきました

江戸時代には隅田川の水を飲み水として売っていたそうです

いくら昔の川はきれいとはいえ

生活排水も流されていたそうなので

年寄りがその水を飲むとお腹を壊すことがあったことから生まれた言葉だそうです

 

若いころはこれくらいは平気でやっていたという

数十年前の記憶で無理をすると痛い目に合うわけですが

山登りともなると命にかかわるケースもありますので

標高が低い山でも油断は禁物

適切な準備があってこそ自然を楽しめるのであって

自然をなめていると牙をむき出しにして襲い掛かってくることも知っておくべきです

 

本書の特徴は体力づくりの前提として

問題点やリスクをきちんと示したうえで

それらに備えるための準備を書かれている点でしょう

だからその必要性がしっかり認識してからの運動ですから

運動をしながらもう一度リスクを具体的に認識できるのは大きな意味があります

 

「登山のための体力づくり」と漠然としないのは

学者としての矜持を感じます



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2023/03/16

マタニティSTYLE2023

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マタニティSTYLE2023

今まで読んできた本の中で最も私にふさわしくないものかもしれません

実は孫の写真が掲載されているから購入したのですが

予想通り見事に小さな写真が載っていました

 

たぶん彼女が大人になったとき

紙媒体の雑誌ってなくなっているように思います

「昔の本は紙に印刷してたんだよ」

てなことを言いながら見せてやりたいと考えています

 

昨日ご紹介した「月刊トレーニングジャーナル」も

2020年から電子書籍になっています

先日本屋に出かけてマタニティSTYLEを探した時も

昔とは違い雑誌の棚がガサガサで

種類が激減していたのでビックリ

雑誌の種類も減っているのでしょうし

徐々に紙媒体の書籍の割合が減りつつあるのを実感しました

 

さて私に無縁だったはずのマタニティ雑誌も読んでみると

けっこう有用な情報が満載

事実産後のまもなくの方が来られることもありますし

そんなとき私らの時代とはかなり変わっていることがわかりました

時代錯誤の情報に振り回されないように勉強しておきます

 

驚いたのは巻末の広告スペース

まあ、同業者の宣伝が多いこと!

腰痛館ではほとんど口コミで来られるお母さん方ばかりなんですが

産前産後のニーズも少なくないということなんでしょうね

私としてはリスクも高いのであまり積極的になる気はないんですが

そういうところを狙う整体院が多いことを知りました

 

一番役に立ちそうなのはレシピの記事であることは付け加えておきます

 

世の中なんでも勉強ですね

 

 

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2023/03/15

ピリオダイゼーションを考える

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月刊トレーニングジャーナル4月号

今月の特集は「ピリオダイゼーションを考える」

正直今回の特集は難しかったです

知らないワードがちょこちょこと登場するので

それを調べながら読んでいるとその前のワードを忘れていたり

年を取ると脳みその持久力が衰えているのがわかります

 

「ピリオダイゼーション」とは「試合に向けて、コンディションやパフォーマンスを最もよい状態に合わせるために、年間のトレーニングをいくつかの期間に分けて、それぞれのトレーニングの種類や量、強度を効率よく組み合わせ、実施すること」とありました

昔の「やればやるほど強くなる」という発想とは違います

量的に足りなくても多すぎてもマイナスになるということと

質的にどれくらいのことをどうやるかという問題も考えなければいけないという感じですかね?

 

何度か読み返したのは

筋肉を増やすメカニズムとして

トレーニングをすることでタンパク質を作るリボソームという工場が働くという点と

リボソームという工場を増やすという身体のメカニズムについての研究が書かれています

トレーニングをすれば筋肉を構成するタンパク質が作られ

筋肉が増えるというのは何となくわかってはいたんですが

トレーニングの方法次第で工場自体が増えるということは初めて知りました

 

石井直方先生は大昔私が筋肉の勉強をしているときに

科学的な観点からの解説をされているのに出会い

スポーツ医科学に興味を持ち始めたきっかけをくださった方

以来ずいぶん年数がたった今でも

石井先生の研究は興味深くて難しいというのが実感です

たまにこういう難しいものを読んで頭も鍛えないといけません

早速石井先生の本を注文しました(古い本ですけど)

 

 

連載コラム『身体言葉に学ぶ知恵』

今月のテーマは「血肉と化す」

いろんな本を読んで知識を増やすことは尊いことですが

それを実践できる、知識を活かして行動する

それはまた別次元の尊さだと思います

 

むかし私が入学した小学校には

二宮金次郎の像が廃棄されていたのを覚えています

この人こそが知識を現実に展開する達人だったようです

現代において再評価されるべき人物です

 

 

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2023/03/03

試合間のリカバリー

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月刊スポーツメディスン248

今月の特集は「試合間のリカバリー」

サッカーワールドカップの期間中はどういうことでコンディショニングをするのか興味津々

期間中に何試合もあって肉体的・精神的に維持するのは難しいのはわかるんですが

漠然と「疲労回復」ということしか浮かんでこなかったのですが

その舞台裏はとにかく科学的な裏付けのある様々な項目から

選手をサポートされているようです

 

しかも疲れた選手を癒すという受け身ではなく

能動的な体制を作ることにより

より選手の能力を発揮させる取り組みがなされているようです

 

近年スポーツの世界において日本勢の進化が著しいのですが

選手個々の能力だけではなくバックアップの体制によるところが大きいのもよくわかります

 

 

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2023/03/01

今日から役に立つ! 使える「語彙力」2726

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今日から役に立つ! 使える「語彙力」2726

先日なんばに出かけました

予定していた時間より早かったので

時間つぶしに本屋に入りました

 

たまたま手に取ったのが本書

「大丈夫です」って口癖になっていませんか?

という表紙のひと言が刺さりました

最近の「大丈夫です」の使い方に違和感を感じる世代としては

わが意を得たりってところです

 

ペラペラとページをめくってみると

知ってはいるけど詳しくは知らなかった言葉

全く知らない言葉

知性をうかがわせる言葉

いろんな言葉の解説が様々な角度からなされています

ついつい時間も忘れて読みふけっていると

いつの間にか予定時刻

 

書店で本を買うなんて何年振りのことでしょう?

辞典サイズの分厚い本がお手頃価格

しっかり読むというより気が向いたときパラパラめくるのが楽しそう

時間つぶしによし、ネタをひろうのによし

けっこう楽しめる本です

 

 

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2023/02/22

茶の本

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茶の本 岡倉覚三

筆者と本名で「岡倉覚三」とありますが

岡倉天心の通り名の方が有名です

明治時代の思想家とありますが美術評論家としての側面の方が一般的かもしれません

 

たまたま本書の紹介で興味を持って購入したのですが

素直にお茶の本と思ってはいけません

筆者は茶道は禅の一形態というとらえ方をされていますので

「美味しいお茶の入れ方」などは1㎜も登場いたしません

 

さりとてゴリゴリの禅宗の教えというわけでもありませんので

禅の教えをベースとした岡倉天心の思想や価値観といった方がよさそうです

 

なんでも突き詰めて考えれば哲学になる

そんな印象が残る本です

そして筆者の意識は文明開化が叫ばれる明治の風潮に対して

日本文化・東洋思想を示したものとの見方ができそうです

昔の話というのではなく令和の時代になっても欧米の文化にあこがれ

日本の持ち味に価値を見出さない傾向は

100年以上たっても変わらないばかりか

当時よりも現代の方が日本の文化や思想が薄れてきたような気もします

 

西洋と東洋の思想や文化のどちらが優れているなんて

単純な話ではなくいいものは素直に耳を傾けることも必要だと感じました

 

なるほどと思ったのは「水差し」の本質の話

水差しという器にその本質があるのではなく

材質に覆われた空間にこそ水差しの本質があるといわれます

人は高価な材質や銘のある器にその価値を見出そうとしますが

水が入れられる空洞にこそ水差しの本質があるといわれます

こういった考え方は柔術や相撲などで

相手の力を利用して投げるという技がありますが

「虚」というものの価値を忘れてはいけないということなのでしょう

得てして自分の力に頼りがちなときもありがすが

「虚をつく」ということの意義というか全体の中の価値や役割の重要性を再認識させられます

たぶん私らの仕事にもかかわることなんでしょう

 

我々が忘れかけているモノの見方を

掘り起こしてくれる名著だといえそうです

 

 

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2023/02/14

僕は君たちに武器を配りたい

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僕は君たちに武器を配りたい 瀧本哲史

これから就職活動をしようとする甥っ子にあげようかと思って購入

なかなか攻めた表紙です

「はじめに」の文章をそのまま表紙に持ってきています

アイキャッチになることだけではなく

文章そのもの挑発的でターゲットを絞り込んでいます

 

実はこの表紙の発想も本書らしさが出ているように思います

今の30代前半以下の若者はバブル期が吹っ飛んだあとに育ち

夢も希望もあった私たちの世代とは違い

困難な時代に生まれたのですから

既成のルートを歩めばそこそこの成功は約束されるというわけでもなく

サバイバルともいえる生存競争勝ち抜かないとそこそこの成功すらありつけない環境を歩まねばなりません

 

本書はインパクトのあるタイトルの通り「武器」となりうる思考や生き方を提案したものです

その内容はネタバレもありますので触れませんが

ビジネスパーソンとして今の社会を生き抜くために必要な考え方を示しています

スキルはいわば道具であり道具の使う場面や使い方を知っておかなければ無意味であることもわかります

 

便宜上、本書の対象はこれから社会に出ようとする

あるいは出て間もない若者となっていますが

若いころの社会の道理が染みついて

今の時代を把握しきれていない私らの世代にも刺さる内容です

まだもうしばらく社会の片隅で活動したい私にもとても大事なことを教えてくれました

 

 

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2023/02/13

オープンダイアローグとは何か

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オープンダイアローグとは何か 斎藤 環

「フィンランド発、精神医療を刷新するアプローチ」

本書の帯にそう記されています

直接的には関係ない分野ではありますが

現実問題として関連することも決して少なくはなく

個人的に興味があり本書を購入

 

第1部でオープンダイアローグとは何かの説明がありましたが

筆者が大まかな理解があることを前提にしているかのような解説だったので

読んでいても文章はわかるのですが

深い霧の中を歩いているようで全体に対するつかみどころがわからず

結局ネットでオープンダイアローグが

患者と対話することによるアプローチがざっくりした全体像であることを知ってから読み直し

そこで初めて話の意味が理解できました

私の察しの悪さが原因か?

筆者が基本的な大枠を提示することなく各論に入ったのが原因なのか?

ちょっとその辺の進め方が不親切な印象を受けました

雑な読み方をせず丁寧に読むべき本だったのかもしれませんね

 

「対話」が目的であって「治癒」は「廃棄物」という観念的な表現も

何となく空気感がわかってこその話

ガツガツと結果を追い求めてはいけないこともわかりました

ナラティブによる医療もエビデンスと同等に重要ではありますが

エビデンスに偏った方には受け入れがたいかもしれませんね

 

現状の日本の医療体制では実施するには問題が多すぎるのも事実

さらには現状の医療では手詰まり感が強いのも事実

違う形のアプローチが期待される中でオープンダイアローグが注目を浴びるのも理解できます

本一冊読んで私がパッとできるようなものでもなさそうではありますが

将来的にこのような対話によるアプローチがあることだけでは知っておくことに意義はありそうです

 

本書はあくまで入門書の体ですので

研究結果に対するエビデンスも不十分だと感じましたが

むしろ将来的に継続されることで明確なデータが集積されたら

何らかの変化がもたらされ閉塞感が打破されるかもしれません

 

 

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2023/02/08

スキー技術の真実

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スキー技術の真実 理想的なターンを科学する 鈴木聡一郎

アタックネットにブックレビューが掲載されました

こちらをご覧くださいませ

 

スポーツに限らず多くのことで

卓越した技術を習得するためには力を抜くことがポイントになると考えています

ただ単に力を抜くということは「動き」とは相反することになるのですが

「脱力」の目的は効率よく力を使うことにあります

だから実際のところ力を使うのは大前提とした上で

いかに最小限の力で最大限の結果を追い求めるかと言い換えた方が理解しやすいかもしれません

 

確か高校生くらいのころに習ったような記憶がかすかに残っていますが

力は働くベクトルがあって

必ずしも一定方向に向いているわけではありません

そのことは何となくでもわかってはいるんですが

人が意識的に力を発揮すれば

自分が望んだ方向に力が働くという誤信があり

力を入れれば入れるほど望んだ結果が得られると経験的に思っているのが人間です

 

本書の面白い点は

スキーが高い所から低い所に滑り降りるというスポーツであって

本来何もしなければ滑ることができるはずなのに

やってみるとそれができない

 

その理由が位置エネルギーが仕事をするのを

邪魔する動きなり姿勢なり

マイナスに働く力を一生懸命にやってしまっていることが主な理由である

私なりに本書が一番言いたいことってそこなんじゃないかと思うのです

 

本書はスキーの技術論ではありますが

いろんなところで当てはまる「真実」なのかもしれません

 

 

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2023/02/07

新訳 ハイパワー・マーケティング

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新訳 ハイパワー・マーケティング ジェイ・エイブラハム

まず本の帯に書かれた文言がご大層です

「マーケターのバイブル」「伝説の名著」

ひねくれものの私としてはこの段階で眉唾と感じてしまうんですが

実際には本書が売りけれた際には中古市場で1万円の値を付けたといわれています

この本が発売されたのが2000年ですがビジネス書のトップ5にランキングされた実績もあり

二匹目のどじょうを狙って2017年に復刊したといういきさつがあります

 

確かに本書は細かな点までマーケティングの重要な視点を説いていますが

本書の最も優れたところは大樹として

大きく根を張り、太い幹があって、そのうえで数多くの枝葉があるところだと思います

決して小手先のテクニックを袋いっぱいに詰め込んだものとは一線を画し

一つの壮大な作品として扱うべき一貫した哲学の上に立脚する各論は

真似をするにしてもその根っこにあたる部分を叩き込まないと意味がありません

「卓越論」という根本思想は

昨年お亡くなりになった稲盛和夫さんがほぼ同じことを言われてました

 

結局ビジネスを成功させるには

小手先の技術論ではなく

しっかりと根を張ったフィロソフィーからいずるものでないといけないことを確信しました

逆に小賢しいテクニックが欲しくて本書を読むなら

失敗するからやめときなって言ってしまいそうです

 

 

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