2023/09/14

度胸がつく本

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度胸がつく本 櫻木健古

どれだけ知識があっても、どれだけスキルが高くても

ここぞというとき行動に移すためには度胸が要ります

必死で頑張る人をけなすだけなら多少の知識があればできますが

その人が行動に移すことができるかといえば話は別

 

むかしと違ってネットがあるので

誰でも人の批判は簡単にできるようになりましたが

リスクを背負って行動できる人の数は限られています

 

本書は「度胸がつく本」のタイトルのとおり

度胸の養い方を筆者自身の独特の視点から述べられております

ストレートに度胸がつくためのHow toが書かれているのではなく

「外交的」「内向的」という性格からの論述に終始します

 

フツウ外交的な性格の方が行動力につながり度胸がありそうに考えるでしょうが

筆者の論理展開は内向的な性格の方がしっかりと自分と向き合い

じっくりと考え込むことでエネルギーをため込むということから

内向的な性格の方がその練度を高め度胸がつくという流れになっています

いささか「外交的」と「内向的」なそれぞれの性格が

ステレオタイプの論述に終始するので

決めつけが過ぎる感じもなくはないのですが

内向的性格の人は意識が自分に向きやすいことから

しっかりと自分を高めることが可能だという話になっています

 

この話の土壌は筆者自身が内向的で

多くの苦労をしたことで度胸がついたという自叙伝的な話に立脚するものです

もちろんいろんな人がいて外交的・内向的という一つの見方にとらわれるべきではないという批判も出てこようかと思いますが

少なくとも昭和人間の私としてはすごく腑に落ちる部分も多く

納得できる内容ではありました

 

1980年代に書かれた本なので

こういった論調が当たり前だったというのもありますが

40年ほど後の時代になって情報があふれかえり

「耳年増」みたいな人が少なくない今

忘れられつつある昭和の精神論も

決してあり得ない話ではないと感じました

やっぱり度胸は要りますよ

 

 

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2023/09/12

スポーツの環境を整える

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月刊トレーニングジャーナル10月号

今月の特集は「スポーツの環境を整える」

近年、スポーツ界で変わりつつあるのが環境かもしれません

根本はトレーニングや競技の練習の積み重ねであることは言うまでもありませんが

スポーツ環境の重要性にも着目され

物質的にも仕組み的にも環境が随分変わってきたようです

今回の特集では医療環境についての記事がありました

合宿が行われる土地は都会の真ん中ではなく

決して医療環境が整っているとは言えないところも少なくないはずですが

周囲との連携をとって救急車が常駐されているという内容でした

医療機関まで片道40分ほどかかるということは

救急車の往復で1時間を超えてしまうという環境は

有事の際の不安があるということで画期的だともいえることです

ただ自治体としては潤沢とは言えない医療資源を配備するということで生じる地域の問題点を

上手く調整されたようです

 

UNIVAS(大学スポーツ協会)の話題も興味深いです

スポーツの団体というのは得てして選手の上位に位置するものもあり

本特集で紹介されているような大学生のスポーツ活動の下支えをする機関というのは

これからの時代のありようかもしれません

アスリートファーストの活動が広まることにより

スポーツ団体の組織運営も変わってくるかもしれません

 

 

連載コラム『身体言葉に学ぶ知恵』

今回のテーマは「口火を切る」

最近「ファーストペンギン」というのが話題になっているそうですが

最初に事を起こすのはリスクがあり勇気のいることです

でも誰も動かなければイノベーションはありません

それはすなわち衰退を意味します

 

 

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2023/08/30

緊張を味方につける脳科学

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緊張を味方につける脳科学 茂木健一郎

子供のころから臆することなく人前に出たがる割に緊張に弱いタイプで

これを言うと人から信じてもらえないのですが

小さな心がガクガクブルブル

自慢じゃないですけど本番に弱いタイプだったりします

そういう私にとってこの本は魅力的

 

どうして緊張が生まれるかの説明は納得

緊張するのは高いレベルが要求されているからであって

ミッションが高くなる時緊張するのはホントその通り

ただ緊張をしない方法ではなく

本書は「緊張を味方につける」というのが一番のポイント

で、その方法論が「フロー」

スポーツの世界では「ゾーンに入る」なんて言いますが

「緊張」がぶっ飛ぶくらいの高いレベルの精神状態なわけですから

そりゃそうだろうなって話

私自身ゾーンに入る状態って何度か経験しましたが

人生で数回しかできない経験をそんな簡単に言われても途方に暮れるばかり

ちょっとそれを「緊張」をパラレルの考えるのってどうなんでしょう?

 

まあ、それはそうとしてけっこういいことが書いてあったので

いくつかネタも拾えたので読んでよかったです

 

 

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2023/08/28

問いかけの作法

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問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術  安斎勇樹

 

 

アタックネットにブックレビューが掲載されました

こちらをご覧くださいませ

 

 「黙ってオレについてこい!」

こんな感じでとびぬけて優秀なリーダーがメンバーを引き連れていく集団

昭和まではこういうワンマンがトップダウンで運営する組織が一般的でした

勝利の方程式がありお決まりのパターンで邁進すれば

よかった時代ならそれで問題はなかったのですが

先に何が起こるかわからない今の時代

不確定要素に弱い組織はフレキシブルに動けません

 

「親亀こけたらみなこけた」

こうならないために子ガメの能力も集結し

組織の在り方を変えようとするための組織運営が求められています

 

ただ構成員の能力を引き出すにおいて

今の時代のリーダーの役割は

メンバーに与える力ではなく

メンバーの良いところを引き出す能力が求められつつあります

 

本書は多くのメンバーのアイデアを上手く引き出すための「問いかけ」のノウハウが記されています

まだ世間一般に広がっているとは言えませんが

こういった組織づくりを先取りしているところでは

私が経験してきた組織の在り方とはかなりギャップがあります

そしてそういう世間の流れに戸惑う指導者も少なからずおられるでしょう

某中京地区のチームの監督さんにも教えてあげたい一冊です

 

 

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2023/08/25

人と組織を変える自己効力

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人と組織を変える自己効力 林伸二

「信じる力」が予想もしない効果を生む

むかしの漫画やアニメにありがちなテーゼといいますが

悪用すればブラック企業であろうがカルト教団であろうが

常識では測れないことが起きることもあります

政治なんかそこの部分が大きな要素となるのかもしれませんが

プロパガンダをうのみにできないのは世界情勢を見ても明らかだと思います

 

本書はそういったきな臭い話ではなく

人のパフォーマンスを最大限に引き出すための「自己効力感」

自分自身の能力や価値、自己評価、社会的評価などを正しく理解することで得られるようですが

自分自身を過小評価したり逆に過大評価していては自己効力感は得られません

ある意味そこそこ達観していないとできないのかもしれません

「汝自身を知れ」とソクラテスはいいましたが

それだけ難しいことなのかもしれません

 

 

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2023/08/14

動作のフォームをどうとらえるか

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月刊トレーニングジャーナル9月号

私らが学生だった頃週刊ベースボールに

ピッチング・バッティングのフォーム解析のコーナーありました

数枚の連続写真を見て解説者の文章が添えられていました

あれが一番楽しみだったのは当時、川上哲治・稲尾和久・中西太・山内和弘ら

かつての名選手がわかりやすく説明してくださるので

何となくわかったような気がしていました

 

21世紀になりフォーム解析が大きく変わったのは

デジタルによるところが大きいです

アナログでは不可能だった精度の高さで

様々な方向からの分析が可能になりました

本特集を読んでいて3次元の動作解析も行われているというのは驚きです

解析するのが昔の名選手ではなく解析のプロが行うのですから

「理論」ではなく「具体的な事実」を認識することにより

問題点の抽出がしやすくなったようです

ハイテクノロジーがスポーツの世界に革命を起こしています

 

 

連載コラム『身体言葉に学ぶ知恵』

今月のテーマは「脚下照顧」

最近努力していると思っている時点で勝てないような気がします

「努力」に勝るのは「習慣」

必死でやっても長続きしませんが

当たり前の習慣に落とし込むといくらでも続けられそうです

 

 

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2023/08/04

MRIで理解するスポーツ外傷・障害

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MRIで理解するスポーツ外傷・障害  安達伸生

アタックネットでブックレビューが掲載されました

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専門医を対象とした本をよくことはたまにありますが

MRIという分野は我々整体というジャンルではある意味無縁

なんとなく漢字を飛ばしてひらがなだけ読んでいるような感覚でしたが

とりあえず読了

 

当然のことながら私らが知りうるはずもない情報に触れることができたのはありがたいことで

覚えることはできないものの将来的にプラスに転じる可能性が芽生えたといったところでしょうか

 

 

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2023/08/02

ジョーンズ骨折

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月刊スポーツメディスン253

今月の特集は「第5中足骨疲労骨折」

「第5中足骨疲労骨折」は別名「ジョーンズ骨折」が通り名です

骨折の多くは強い圧力がかかることで損傷するので

反復継続して弱い力が加わることで損傷するので

いつの間に骨折したかもわからず

骨折と自覚できるほどの強い痛みを感じることさえない場合もあり

ジョーンズ骨折と気が付くまで時間がかかることがあります

 

原因が一度の事故みたいなものではなく

普段からの練習の積み重ねで起こる骨折であるがゆえに

様々な面からの予防も可能になるということのようです

単に練習の強度だけではなく

様々な面からの考察が可能であることが紹介されています

 

私個人的な興味として

最近インソール関係の文献を読む機会があったのですが

ここでも一か所に負担が集中することを避け

加重の分散という形で有効性が説かれています

 

 

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2023/07/31

最高のコーチは教えない。

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最高のコーチは教えない。 吉井理人

本書の肩書は「千葉ロッテマリーンズ ピッチングコーディネーター」とありますが

現在は千葉ロッテマリーンズの監督です

もうすでに名伯楽として名をはせたお方ですが

私にとっては近鉄バファローズで「ブリリアントストッパー」と呼ばれた

やんちゃな吉井氏のイメージが強すぎて

まさか指導者としてここまでの人になるとは驚きです

 

でもスター選手がセカンドキャリアとして

自分の実績や経験を背景にして指導者となる昔ながらのコーチ像がありますが

それをぶち壊す存在となったのは野球界の進歩だと捉えています

サッカー界ではコーチになるための研修があるそうですが

プロ野球ではそう言った制度はなく

自分の知識や経験を伝えるだけのノウハウが主なんですが

この方は筑波大学で指導者となるための勉強をされたという経歴をお持ちです

 

よくよく考えればスポーツ界のみならず

一般社会で指導者(リーダー)のあるべき姿が見直されつつあり

クソ上司みたいな人はどこにでもいるだろうと思います

本書を読んで反省すべきは私自身が会社にいたころクソ上司の典型みたいだったことです

 

本書には最近読んだ「1分間リーダシップ」の中心となる「PM理論」が展開され

マネージメントの最新理論が吉井氏の軸になっているから驚きです

吉井氏の手腕により千葉ロッテが強くなるかはこれから次第ですが

新時代のマネージメントがきめ細かく記されています

しかも理論に終始せず

仰木監督や野村監督などの監督手腕まで紹介されています

すごくリアルな表現、説得力のある解説ばかりです

実名は挙げてませんが嫌いなコーチ、嫌なコーチのやり方も紹介されていて

グサッと刺さる部分もいくつかありました

もっと若い頃に読んでいたら違った人生になってたかもしれない一冊です

 

 

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2023/07/27

日本バッティングセンター考

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日本バッティングセンター考  カルロス矢吹

アタックネットにブックレビューが掲載が掲載されました

こちらをご覧くださいませ



バッティングセンターといえばいかにも昭和の遊びって感じがします

ボウリング場は仲間や家族でいくもんですが

バッティングセンターはブラっと一人で入れる気安さがあります

ただし気楽なのはボールが飛んでくるまでであって

110㎞/hの球は気楽に打ち返せるほど技術がありませんでした

ましてやスピードガンが登場してからは140km/hなんてマシーンはかするのがやっと

子供を連れていったときは松坂大輔の映像とともにボールが飛んできて感動したものでした

 

バッティングセンターが今でも生き残っているのは

こういった時代時代に新しいものを生み出していったからかもしれません

本書は経営者の思い出話が中心ですが

客には客の思い出があったりするわけです

 

それにしても本書の対談でピエール瀧さんが語っておられましたが

阪神タイガースの入団テストを受けられるほどの実力者だったんですね

 

 

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