2017/05/25

愛着障害 子ども時代を引きずる人々

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愛着障害 子ども時代を引きずる人々 岡田尊司

発達障害と似たような傾向を見せるのが愛着障害だと聞きました
まあ、一連の流れで知っておいた方がいいと思い
基本的なことが書いていそうだったのでこの本を選びました

予想通り事前にほとんど知識のない私にも
愛着障害がどのようなものかおぼろげながら見えてきました
そういう点では読んでよかったと思います

ただ本文中に有名人や偉人を引っ張り出し
愛着障害だと決めつけた上での評論には疑問を持ちました
有名人や偉人には様々なエピソードがつきものなのはわかりますが
さほど多くない情報で安易に愛着障害だと認定されるような問題なんでしょうか?

感じとしては結論をだしてからそれに合うようなエピソードを
選んで紹介しているように思えてなりません
アリバイ作りのような手法ではなく
客観的な思考過程であってこそ共感を得られるはず

精神科の医師ということだそうですが
普段この本にあるように安易な決めつけをなさっておられるんでしょうか?
おそらく一度も会ったことのない人の一部のエピソードで断定されることに不安を感じざるを得ません

生まれてすぐに母親が死んでいるから
愛着障害に違いないと断定されたお釈迦様もたまったもんではありません

解説はすごくわかりやすかったのに
ページの半分以上を占める
有名人・偉人のエピソードは本当に必要だったのかどうか疑問です
ページ数を稼ぐために苦肉の策ではないかと穿った目で見てしまいました

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2017/05/23

はじめての認知療法

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はじめての認知療法 大野裕

むかしむかし会社勤めをしていたとき
業績が悪く精神的にひどく追い詰められたことがあります
まだ若かったこともあって融通が利かず
心の自由が次第に失われ考え方も委縮していきました

こうなったら悪循環
さらに悪い方向へ行き
「アイツそのうちに自殺するぞ」
なんて周りが言ってたそうです

幸いなことにここらが限界とみた社長が環境を変えてくださり
急遽人事異動で負担の少ないところへ行かしてもらいました
おかげさまで余裕ができ泥沼から完全復活
それ以降少々のことがあっても他人のせいにしたり
逃げることも覚えたので追い詰められることはなくなりました

それにしても世の中には追い詰められて
発想が委縮しがんじがらめに縛りつけられた心で暮らしておられる方の多いこと

心と身体は不可分一体
だから心に何か問題があると必ずと言っていいほど身体に現れます
「症状」と呼べるレベルになって腰痛館を訪れる方は決して少なくはありません
意外に当の本人は純粋な身体の問題だと思ってらっしゃるのですが
身体を触っていると精神的な問題が少なからず影響しているんだろうと感じるのです
もちろん精神的な問題だけで身体に影響が出るケースは稀ですが
精神的な問題と肉体的な問題が合体することで
様々な症状にまで現れるケースがほとんど

そして絡み合った複数の問題が厄介でして
なかなか身体的アプローチだけでは簡単に解消しないんですよ
もちろん時間軸も重要な要素ではありますが
アプローチの角度も広げる必要があると感じ
こういう本に手を出したわけです

ここまではブックレビューではなくこの本を読んだ動機なんですが
実際に読み進めてみて思ったのは
自分自身が経験したことが多かったので
すごく実感がわきました

そういう環境に陥ると自分で自分を縛りつけ
悪い方向にもっていく傾向があるんですよね
しかも余裕がないから自分を客観視できない
当事者にとっては出口のない巨大迷路みたいな感覚になってしまうんですね

私の場合は会社が危機を察知してくれて
難を逃れることができたわけですが
そうそう簡単に環境を変えてくれる人が現れないのがフツウ

そういう人のために「心のクセ」明らかにして
心の自由を取り戻すための方法論が書かれていました

自分自身を研究し、自分の考え・環境・周りの状況を
検証することで考え方の可能性を広げる訓練とでも言えばいいでしょうか?
とっかかりにしてはわかりやすくて面白い本でした

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2017/05/18

スポーツにおけるメンタルサポート

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月刊トレーニングジャーナル6月号

今月のテーマは「スポーツにおけるメンタルサポート」
メンタルトレーニングが取り入れられるようになって久しいのですが
選手のメンタルには驚くほど多くのアプローチが取り入れられていることを知りました

うつ病などを扱う臨床心理学のメソッドがスポーツに進出しているようです
マインドフルネスやACTを取り入れた取り組みがあるようです

スポーツ選手も「自分探し」をする時代なんですね
私らのころの精神論よりもきめがこまやかです
やっぱり瞑想なんかもやるんでしょうか?

それだけ自分を見つめなおし
客観的に自分をとらえることが難しいということなんでしょうね


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連載コラム『身体言葉に学ぶ知恵』
今月のテーマは「近くて見えぬは睫(まつげ)」
偶然ではありますが自分自身を客観的に捉えることの難しさが主題になっています

他人の悪いところはよく見えますが
自分の悪いところに気づく人は意外に少ないように思えません
自分の悪さを認識することを「反省」といいますが
反省ばかりで同じことを繰り返すのが人間
それでは前に進みません

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2017/05/15

スピードに生きる

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スピードに生きる 本田宗一郎

アタックネットにブックレビューが掲載されました
こちらをご覧くださいませ

どんな世界であっても名を成す人物は考え方が違います
注目すべきはその業績よりも哲学
業績を褒めたたえてもその人の真の姿は見えてきません

思想・哲学・発想に触れることこそが
こういった本を読む意義だと思います

時には自画自賛で飾り立てた本に出合うこともありますが
逆にその人物の底が見えて興ざめすることもしばしば
文章を書くときには注意しないと恥をかくという教訓を得ることでしか読書の意義を見出すことができないこともあります

こういう本、こういう人物に触れてこそ
読んでよかったという実感に浸れます

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2017/05/11

調べる

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神経の解剖と整理

最近こんな本を買いました
脳や神経のことを調べる機会が増えましたが
ネットだけでは心もとないのでしっかりとした本が欲しかったんです

解剖生理学については心もとないところもありますが
脳や神経に関してはほとんど勉強してこなかったので
全体像が見えていなかったのも現実

ちょっとは真面目に勉強してみます

それにしても読んでもわけがわからないほど難しいです(汗)

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2017/05/05

膝の問題とそのアプローチ

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月刊スポーツメディスン190

今月の特集は「膝の問題とそのアプローチ」

スポーツ傷害の中でも厄介なのは膝関節
屈曲・伸展という単純な動きのように見えて
わずかな回旋運動も伴います

関節内で「滑る」「転がる」という複雑な動きをするために
その可動性が損なわれた状態ではスムーズな動きは期待できません
それゆえに意外と評価も難しくなります

バイオメカニクスの視点から正確な評価をしたうえでのアプローチが必要になるようです
さらに動きに必要な筋力
そしてそこから競技に特化した動き
段階を踏んだ発想が大切です

また膝関節の腫れというものがどのような状態で起きるのかも勉強になりました
こちらも様々な組織の関わり合いの中で見ていく必要があるみたいです

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2017/05/02

人間脳の根っこを育てる

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人間脳の根っこを育てる 進化の過程をたどる発達の近道 栗本啓司

友人の栗本啓司さんの3冊目の本です
前二作に対し本書はすごく整理されているので読みやすかったです

これはこちらの問題になりますが
たいした知識もないところからこういう本を読みだしたので
発達凸凹に関する根っこの部分がヌケていたわけで
そこにいきなり臨床というか現場で役に立つ情報を差し出されても
わかったようなわからんような宙に浮いたような状態で読んでいたというのが実際のところ

以来、多少の知識の積み重ねを経て
本書を読んだわけなんですが
総論部分と各論部分がわかれていたのでありがたかったです
そういう点では構成の勝利とでも言えそうです

総論部分は実に難しい問題ですので
まとめてきちんと説明していただいた分だけ理解しやすく
それゆえ各論部分でなぜこんなことをするのかの目的も明確になります

私個人の問題としては一番モヤモヤしていた
発達凸凹の成り立ちの部分というか物語を見せていただいたので
「ヌケ」を埋めていただいたような気分です

ただし私としてはどうも得心がいかない部分もありましたので
今度お会いしたときにじっくり聞いてみたいと思いました

それともう一つ疑問に思っていた原始反射をどう見るかなんですが
「one of them」として見た方がよさそうだと理解しました
もちろん私の頭の中でまだまだいろんな発想や問題点も出てきそうな予感がしますが
少しはまとまりがついてきたのかもしれません

この本を読んでいるうちにいくつか調べものをしていたら
いろんな発想で取り組んでいらっしゃることを知りました
そういう点ではこの本にあることが絶対だとは思えませんが
試行錯誤しているうちに真実に近づけるような気がします

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2017/05/01

感じる力でからだが変わる

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感じる力でからだが変わる: 新しい姿勢のルール メアリー・ボンド

アタックネットでブックレビューが掲載されました
こちらをご覧くださいませ

私個人の印象としては
ロルフィングの発想でヨガやピラティスを再考した
そう受け取りました

ボディワークというものは単に身体の使い方を学ぶものではなく
身体を動かすことを通じて自分の身体を感じるところに重要なポイントがあるように思います

人は身体を動かすとき動きの目的や目標は意識しても
実際に動いてくれている身体自身に意識を向けることはしません
合目的的な動作においてそれは必要ないからです

しかし身体に対して意識が向かない以上
どう動いているのかは当の本人がわかっていないわけです
逆に他人の方が客観的に見ている場合もあります

例えばゴルフのスィングにしても
本人はプロ並みのスィングをしているつもりでも
他人の目には下手くそのスィングだということに気づいていたりします

要するに正しい身体の使い方(効率的な身体の動き)を確かめるためには
身体の内側に意識を向けないとできないのです

しかしそういった作業は意外に困難で
そのためのメソッドが必要だと思うのです

本書は深く考えることなく使っている身体に対し意識を向け
基本的な部分において重要な身体の動きを感じ
かつ正しい動きを習得するためのメソッドが書かれたものです

当然身体に対する基本的な知識がなければ説明はできないのですが
そこにロルフィングの知識を当てはめるわけですから
読んでいても面白い発見がいくつかありました

単品の身体の動きではなく
連続性のある有機体として身体という発想を前提としているので
具体性があり納得できる解説となっています

個人的に本書をお勧めしたい方がたくさんいるのですが
手技療法をなさっている方や
ヨガを本格的になさっている方には特にお勧めしたい一冊です

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2017/04/28

つらい腰痛は「浮かせて」治す!

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つらい腰痛は「浮かせて」治す! 中川忠典

アタックネットにブックレビューが掲載されました
こちらをご覧くださいませ

腰痛の原因に抗重力という考え方が重要視されてきました
つまり十分の体重を支えるのに必要な体力がなくなってきたということ
それならば腰に体重をかけない状態で腰痛の治療をしてみようという新しい発想
もちろん「浮かせる」だけでは腰痛が治るとは思いませんが
浮かせた状態からモビリゼーションやトレーニングを組み合わせることには可能性を感じます

他者を批判するばかりのさもしい論調の本も少なくない中
とても客観的な書き方をされているのにも好印象を持ちました
針小棒大な自画自賛もありませんので
内容には信憑性を感じました

むかし私がサラリーマンだったころ
ひどい腰痛に悩まされていましたが
会社の倉庫にあった高いバーにぶら下がって
身体を動かしたらしばらくは楽になった記憶があります
時間はかかるでしょうが楽になる人もきっといるはずです

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2017/04/17

生体の調節機能

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生体の調節機能 高木健太郎

皮膚というのはとても興味深い組織で
内臓に対して「外臓」なんて呼ばれる方もおられるほど
単なる身体のパッケージという機能以外にも不思議な面を持ちます
今まで皮膚に関しては何冊かの本を読んできましたが
身体の内側の状態が皮膚表面に現れるという側面もあります
それならば「逆もまた真なり」ということで
皮膚に対する刺激をもって身体の内側にアプローチをすることも可能なわけです

本書では鍼や指圧を念頭に書かれたものですが
キネシオテープなんかも皮膚に対するアプローチで
身体の内側に影響を与えるといった点で共通するものがあります

ただ問題はどこの皮膚にどういった刺激を与えると
どういう効果があるのかがあまり明らかにされていないというところ
本書はそういった疑問に様々な角度から検証していったことをまとめたものです

体の右側をの皮膚を押すと左半身の発汗が促進されるという発見からスタートして
様々な実験で数多くの興味深い結果を述べられています
よくもまあこんな仮説を考えついたなと感心しました

正直言ってここに書かれた結果について
頭から全部使用はできないというのが率直な感想です
筆者は他人が自分の意見を聞くときは先入観抜きになることを要求されておられますが
自説を述べられるときは少々強引にご自身の仮説が正しいという方向にもっていかれます
そういう傾向を少なからず感じました

例えば皮膚を圧迫するということは皮膚だけではなく
筋肉などの内側にも刺激が行くことがフツウに考えられますが
筆者はそれを論じることなく
すべて皮膚に対する刺激としておられます

だから間違っているというつもりはありませんが
ここに書かれたことは留保つきで覚えているにとどめた方がいいかもしれません
それにしても面白い研究です

私が小学6年生のときに出た本ですが
引き続きこういう研究をされている方はいらっしゃるんでしょうかね?

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