2018/10/17

アスレティックボディ・イン・バランス

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アスレティックボディ・イン・バランス Gray Cook

他の本で身体の関節・部位の安定性と可動性のパターンという理論を知り
もっと詳しく知りたいと思って探していたら
私がいつもお世話になっているブックハウスHDさんからこの本が出ているのがわかりさっそく取り寄せました

様々な関節には安定性を司る部位と広い可動性を生み出す部位とに分かれ
安定性が担保されて初めて可動性が活きてくるというような理論で
安定性と可動性の部位が交互に存在するというお話しです

ちょっと考えてみればわかることですが
不安定な状況で大きく動けばバランスを崩します
ゆえに安定性を欠けば可動性も損なわれるという目からうろこの理論です

そうなれば私の施術において
どこかの部位に痛みが発生する場合
当該部位だけではなくその前後の関節の安定性や可動性に問題があるかもしれないわけで
そこのところを素通りして痛みのある部位ばかりにアプローチしていても
問題の全容は明らかにならず対処療法的な施術になってしまうと考えました

例えばここで紹介されているパターンで言えば
膝関節は安定性を生み出す関節であり
膝の動きに何か問題があろとき
膝そのものの評価だけでは不十分で
股関節の可動性に問題はないか?
あるいは足関節の可動性に問題はないか?

そういう評価のパターンを習慣づけることで
全体の中での膝関節が置かれた状況を把握することができるわけです

そういった問題が発生することにより
不適切な運動パターンが形成され
パフォーマンスの低下や
それが長く続くとケガにもつながりかねないということがわかりました

本書はスポーツトレーニングの本ではあるんですが
こういった問題は運動習慣のないご老人でも当てはまるはずです
そのときの評価にこういった理論に照らし合わせて考察すれば
全体の把握もできますし、施術手順の確立にも役立ちます

私の目的と著者が本書を書いた目的とは乖離がありますが
具体的に使えることがいくつもあり
実際に役立っています

本書に紹介されている運動プログラムもいくつか試してみましたが
全身筋肉痛でエライ目にあいました

やっぱりブックハウスHDさんの本は役に立ちます

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2018/10/16

スポーツ現場における目標設定

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月刊トレーニングジャーナル11月号

正直に言うと小中高での学校の勉強はキライでした
押し付け、やらされているというのが性に合わない
そう言ってしまえばただの劣等生なんですが
自分が勉強が嫌いではないと感じたのは大学のころ
自分で好きな研究をし思う存分勉強した感じがありました
それでも必修科目だった英語やフランス語なんかはやっぱりキライで単位を落としたものです

小中高の学校教育の主体は生徒であるべきなんでしょうが
未熟であるがゆえに先生側の指導方針が主となり
子供たちの主体性は育みにくいというのが現状かもしれません

で、今月の特殊は「スポーツ現場における目標設定」
体育の授業でも同じことが言えます
算数や国語などの教科と同様に
体育が好きな児童と嫌いな児童がいます
前者は張り切ってその力を伸ばしますが
後者は苦手意識がブレーキとなり益々運動から遠ざかり
その差は開いてきます

そこで個人個人の目標設定を教師と児童が相談して決め
その目標にどれだけ近づけるかをゴールとすれば
他の生徒とではなく自分のオリジナルの目標ができモチベーションが維持されやすいという取り組みが紹介されてました
さらに目標設定を段階的に決めることにより
そのプロセスが認識でき子供たちに主体性が芽生えてくるとのこと

こういう試みは体育の授業だけではなく
他の授業でやっていただければ
私のような気難しい子供ももっと伸びそうな気がするんですけど…

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連載コラム『身体言葉に学ぶ知恵』
今月のテーマは「起死回生」

何をやっても上手くいかなくて空回りすることがあります
何とかして悪い流れを変えて形勢逆転といきたいところ
流れを変えるコツなんてあるんでしょうか?
でもそれは小賢しいテクニックではないそうです

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2018/10/12

うつは体から治せる!

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うつは体から治せる! 鈴木直人

いつのころからかいわゆる精神疾患を訴えてこられる方が多くなりました
いろんなケースがあって投薬治療で上手くいかなかった方が
どこかで調べて来られたり
うつといっても身体的な問題が起こる場合もあり
それをどうにかしてほしいということでお越しになる人もいます

それでも十人十色と言っても差し支えないほど
うつが抱える問題点は人それぞれです
一筋縄ではいかないのがいつものこと
それで何かヒントを得ようと本書を購入

読んでいて驚いたのは筆者は私と同じオステオパシーセラピスト
最後まで読んでみたら基本的に似たような考え方で
正直やっていることもあまり変わらないように感じました

そりゃそんなに都合よく目からうろこみたいなヒントが転がっているわけではありませんからね
ただ自分のやっていることを承認していただいたような気がして
その点では読んだ甲斐がありました

むしろ筆者との違いはうつを専門的にみておられて
その精度の違いは感じずにいられないわけでして
やはり臨床例が多くそれに費やす時間も意識も違うのですから
結果に置いて差が出るのも納得できます

筆者の考え方で舌を巻いたのが
交感神経と副交感神経の捉え方
大体が生理学的な観点から考えるのは当たり前のことですが
筆者は自律神経を社会学的な見地から行動心理学のような分析をされています

うつという病気は個人の身体的な問題もありますが
社会的な状況という要素と切り離して考えることはできません
他人との交わりに置いてどう対応するのかを
交感神経と副交感神経がどういう働きをするかでプロファイルすることは画期的かもしれません
そしてプロファイルを基にした個別のアプローチは
今の私にできる芸当ではありません
この辺の差が大きいのかもしれません

用いる技術はオステオパシーセラピストですから
クラニオワークであったりMETであったりなじみの深いものばかりなんですが
タイプを分析して整理する作業は私の課題になってきそうです

最後に参考文献が記載されていましたが
私が読んだことのある本ばかりで笑ってしまいました
そりゃまあ似たような考え方にもなりますわ

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2018/10/08

片麻痺回復のための運動療法

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片麻痺回復のための運動療法 川平 和美・下堂薗 恵・野間 知一

何年か前に月刊スポーツメディスンの特集記事で
川平法を知り「家庭でできる脳卒中片マヒのリハビリ」という本を購入しました
この本はあくまでも本人さんが家でリハビリをされるときの
簡単な方法を紹介いたものであって
実際に川平先生がなさっている促通反復療法とは違うメソッドでした

今回は本格的な川平法に触れるために購入
やっぱり内容が全然違いますね
理論的な解説も明確ですし
実際に動くとき問題になる連結動作のスムーズさを取り戻すための促通法のようです

何がありがたいかといえばDVD
写真ではわかりにくいところもありますが
DVDを見れば迷うことなくそのやり方がわかります
その上で解説を読んで二度納得

画像と文章だけだときちんとマスターするのは困難ですが
DVDを見ながらやると意外なほど簡単に思えたりします

先日父親が入院していたとき
担当のPTに川平法のことを尋ねてみたところ
あまり認知度は高くないようでした
まあ、普及している様子はないみたいですが
高いレベルで効果があれば自ずと広がっていくのではないかと見ております

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2018/10/05

パフォーマンス向上と障害予防

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月刊スポーツメディスン204

今月の特集は「パフォーマンス向上と障害予防」
競技によって様々な違いはありますが
正しいフォームはパフォーマンスの向上を生みます
逆にそうでない動きはパワーロスがあるばかりか
どこかに余計な負担をかけひいてはケガにつながります

正しい動き、効率的な動きを模索することは
本特集のテーマそのものにかかわるようです

私が興味を持ったのはスポーツにおける腰の使い方
よく「腰を回す」とかいいますが
構造上腰椎はさほど大きな可動性がありません
むしろ「腰を回す」という言葉の本当の意味は股関節の使い方にあります
ところが運動学的な知識がないとその辺で大きな勘違いが生じ
パフォーマンスの向上はおろか障害にもつながるわけです
そのあたりを分析的に解説されているのは興味深かったです

バッティングフォームは後ろ足を軸足として回転する
それがひと昔前の常識だったようですが
この理論にも大きな見落としがあったようです
まあ、百人いれば百通りのバッティング理論があるようですが
それを一から検証してみると面白そうです

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2018/10/03

運動療法学

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運動療法学 市橋則明

自分の間抜けさに苦笑いするしかなかったのですが
「運動生理学」の本を探してて間違えて選んだのが「運動療法学」の本
しかもご丁寧に読んでいてすごく勉強になることがいっぱい書いてあって
気持ちよく読み進めているうちに
自分が知りたかった運動生理学の話がいつまでたっても出てこないことに不信を抱き
もう一度タイトルを見直してみれば「運動療法学」であることに初めて気づきました

結局総論部分だけ読んでそのまましまっておいたのが去年の秋
ところが状況が変わってしまい
リハビリの勉強をする羽目になり
10か月たった今ごろ再びこの本を引っ張り出してきて読んでみました

私の大ボケであったわけですが
この本が良書であることは疑いのない事実
実際に運動療法の基礎知識に関しては
運動生理学も同じ必須項目が書かれているわけでして
やはり動きが伴えば解剖生理学の知識とは相違点が多かったことに感動
それだけでも当初の目的は果たしていたんじゃないかと思えるほど

今回、父親の脳梗塞を受けて知りたいことが山ほどあったわけですが
その辺は本書の面目躍如
実際にPTやOTから受けていたリハビリの目的も調べることができました
電話帳みたいな本ですから全部は読めませんが
必要なことはすべて網羅されていました

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2018/09/21

脳はなぜ「心」を作ったのか

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脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 前野隆司

「心」とは何か?
「意識」とは何か?
「無意識」とは何か?

脳の活動は少しずつ解明しつつあるものの
まだまだ未知の部分が多いことは確かなようです

例えば手を揚げるという動作一つをとっても
どの筋肉とどの筋肉を収縮させて挙上するかという
具体的なメカニクスに関して意識して手を挙げる人はいません
漠然と手を揚げるというイメージは意識していますが
肝心なメカニクスに関しては意識は及びません
ましてや手を動かすことによって心拍数が上がるとか
付随した活動になれば無意識によって行われるのがフツウでしょう

ならばそこで我々が抱く「意識」とは一体どういう意義があるのでしょう
人間の体内での活動の多くは「無意識」で行われています

本書は「意識」と「無意識」
そして意識の主体としての「私」という存在など
わかっているようでわかっていなかった疑問に斬新な解説で答えてくれた本です

本書のハイライトは何と言っても「受動意識仮説」
人の行動は無意識が主体的に行われ
意識が決定していると思っているのは勘違いだという考え方です
我々が持ち合わせている常識というやつからすると合点のいかない仮説です

我々が普段している意思決定というのは無意識が行ったものを
「私」が「意識」して行ったと誤解しているだけ
それなら意識に何の意義があるんだ?
そんな疑問を持たない方がおかしいでしょう

ところが筆者はエピソード記憶をするための主体として意識があるという説明になります
おそらく筆者自身が自説を地動説になぞらえて表現されること自体
現在では少数説であることが薄々わかってきます
それでもいずれ天動説から地動説が常識となったように
変わりうるものだと信じておられるようです

最初は疑問に感じた仮説ではありますが
言われてみれば行動してから考えているときも少なくなく
実験でも「無意識」下の運動準備電位が生じた時刻が「意識」が「意図」した時刻よりも0・35秒早く
実際に指が動いたのは「意図」した時刻の0.2秒後だったと言います
さすがに意図した時刻より遅れて指が動いたのですが
動かすための準備は意図する前に始まっていたというのは驚くべきことです

往々にして実験というものは条件が変われば
結果も変わることもあり得ますので
全部鵜呑みにすることはできませんが
そういう事実があり
自分自身にもそういう経験があるということは否定できません

数え切れないほどの無意識の身体活動の中で
主体だと勘違いしながら自らの行動を追認している「私」
それでもなお「私」の「意識」で身体活動をコントロールすることも当然可能であって
全てが全て「無意識」が主体的に活動しているわけではありません

本書を読んで「意識」と「無意識」と「記憶」と「心」の関係は
ずいぶん整理されとてもわかりやすかったと思います

受動意識仮説というものに納得できる部分もあり
逆に同意できない場面も考えられ
別のところで疑問が生じました

とても大切面白い本です
真実かどうかはわかりませんが…

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2018/09/18

10年先の自分を作る

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「10年先の自分」をつくる 工藤公康

著者は現ソフトバンクホークス監督工藤公康
寿命の短いプロ野球の世界で実働29年
200勝を超える活躍は記憶に新しいところです

素質に恵まれたという点においては
プロ野球に入ってくる選手は皆そうなんですが
わずかな年数でクビになる選手もいれば
筆者のように40歳を超えても一線で活躍する選手もいるわけです

その違いはどこにあるのか?
そこが最も興味のあるところでした
厳しい練習をしたから…
そう言ってしまえばそれまでなんですが
むしろ厳しい練習に至るまでの考え方や取り組み方にその本質があるようです

これはプロ野球のみならず
一般社会においても秀でた働きをする人は
その素質もさることながら考え方がフツウの人とは違います

自己啓発のビジネス書にもありがちな内容かもしれませんが
そこは多くの人に知られる実績を残した人ですから
具体的なエピソードに裏付けされた説得力が本書の強みかもしれません

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2018/09/14

選択を支えるもの

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月刊トレーニングジャーナル10月号

今月の特集は「選択を支えるもの」
スポーツに限られたことではありませんが
様々な局面で選択を強いられます

正しい選択をしたいと願うのですが
事後的に不正解だったりすることも少なくありません
決してそれが悪いこととは限りませんが
同じことを繰り返しているうちは進歩は望めません

どこかで場面場面の基準を設けることにより
過去の失敗が活かされることもあるようです
客観的な指標を設けたうえでそれをたたき台にして判断することも可能なようです

得てして基準があれば必ずそれに従わなければいけないような捉え方をする人もいますが
これはあくまで過去にあった出来事から抽出したものであり
毎回条件が同じということもあり得ませんので
最終的判断はその時の状況・条件によってくだされるものだそうです
マニュアル的なものであっては思考停止に陥るだけで
フレキシブルな対応が肝要です

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連載コラム『身体言葉に学ぶ知恵』
今月のテーマは「鯔背」
先ずこれを読めるかが問題です
私は読めませんでした

今回は日本人の美意識について考えてみました

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2018/08/20

流れをつかむ技術

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流れをつかむ技術 桜井章一

筆者は「雀鬼」と呼ばれる麻雀の達人
いわば勝負事のプロ
しかも20年間無敗を誇るというのですから驚きです
筆者をモデルにした小説や映画もあるそうです
50年以上負け続けている私としては何とかおこぼれに預かろうとしたわけです

肝心の麻雀を全く知らないのですから多少読むのに苦労しました
わかりやすく説明するためのたとえ話がチンプンカンプンなんですからね

それでも筆者の話は麻雀の勝ち方ではなく
人生の生き方そのものですから納得できるんです
勝負事の進め方というより悟りの境地か哲学
頂点に立つ者だけが見ることのできる世界観なのかもしれません

期待していた「流れをつかむコツ」みたいな記述は皆無
小賢しい技術では流れがつかめないことを思い知らされました
逆に終始一貫しているので心に染み込むようです

まったくタイプは違いますが
先日読んだ萩本欽一さんの「ダメなときほど運はたまる」と通じる何かを感じました
コメディアンと雀鬼ではイメージが正反対にも思えますが
それぞれの世界を生き抜く困難さは同じかもしれません
お二方とも長年一線で活躍されてきたことの
下支えとなる思想が本の中に凝縮されているとお見受けしました

ハッキリ言って共感できる部分とそうでない部分があります
それはそれで生きてきた道が違うわけですから仕方のないことだと思います
私もひとのいうことをハイそうですかと受け入れる素直な人間ではありません
しかしながら一人の人間の生き方として認めることはできます

面白い本でした

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