私が修業時代によく師匠から言われたのは脊柱起立筋を緩めること
脊柱起立筋はまさに脊柱(背骨)を起立させる重要な筋肉ですから
腰痛のみならず背部の緊張をの元となる筋肉ですから
私にとって脊柱起立筋の重要性が高くなるのは言うまでもありません
ところが独立して10年ほどになると
やたらと多裂筋がクローズアップされるようになってきました
多裂筋は脊柱起立筋の奥にある筋肉群で
脊柱起立筋と同様脊椎を支えるという点では同じなのですが
ご覧いただいてもわかるようにその大きさは違います
どうして多裂筋がクローズアップされるようになったかといえば
その走行に違いがあります
最長筋の浅部の腱、後仙骨孔と上後腸骨棘との間の仙骨後面、腰椎の乳頭突起、全胸椎の横突起、第4~7頚椎の関節突起から起始し
各起始部から2~4つ上に位置する椎骨の棘突起に停止します
大まかにいうと仙骨や横突起から2~4個上の棘突起を走行するのですが
脊柱起立筋との違いは背骨そのものに直接付着することです
だから大きな力ではなく細かいコントロールができる点に注目が集まったとみています
そのころから「インナーマッスル」という言葉が流行りみたいになりましたが
その後「ローカル筋」という概念も登場し
パワーよりも骨格のアライメントに関する研究が盛んになり
体幹トレーニングにも多裂筋の重要性が説かれるようになりました
最近では仙骨に付着する多裂筋は「ニューテーション」にかかわる筋肉だという研究があります
元々身体にある組織や部位はみな重要であり
優劣をつけられるべきものではありません
しかし今までわかってなかったことが様々な研究で明らかになるとき
注目を集めているというのが本当のところだと思います
決してどちらが大事なことかという問題ではなく
わからなかったことがわかってくるということが大切で
常にアップデートしていかないと置いていかれるということだと思います
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