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2024/06/25

熟達論

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熟達論 為末大

物事に熟達することは困難です

中途半端な考えや行動では熟達は不可能だと思います

そこに至るには血のにじむような努力と根性が必要だと思います

てな発言をすると若い人たちから「昭和の精神論」だと揶揄されそうです

実際に経験してきた私自身もあまり好きではありません

「我々が若いころはそうやってきた」

とのたまう方は少なからずおられるでしょうが

それが最善だったかは疑問です

むしろ物資が乏しい日本において

人材が乏しい環境において

合理性を求めるとうまく機能しなかったから

少々無茶なことでも黙って従ってくれた方が都合がよかったからじゃないかと感じています

 

一方、今の時代合理性が問われ「コスパ」とか「タイパ」という言葉が便利に使われているように感じます

まあ、一定の水準を評価するにはいいように思いますが

「熟達」に至るには物足りなさを覚えます

仕事に限らずネットを使えばそこそこの情報は得られます

それこそ「コスパ」のいい道具かもしれません

ただ「熟達」はありえないのではないでしょうか?

 

世の中にはとてつもないレベルの人間がいます

それらを熟達と決めつけるのは乱暴かもしれませんが

私が知る限りそういう人たちは常識はずれの合理性と精神性を兼ね備えているように見えました

 

長すぎる私の持論はここまでにして

本書は「走る哲学者」為末大氏が技術論と精神論との折り合いを基軸に

熟達に至るプロセスを示したものです

たぶん他の人が読むと違った見え方をされるかもしれませんが

私なりのバイアスも含めてそんな風に読み取りました

 

気安く解説できるほど本書に書かれたことは軽くないのですが

「遊」「型」「観」「心」「空」と

5つのプロセスを通して熟達に至ると述べられています

宗教的というか哲学的というか

トップアスリートの成長をここまで具体的に客観的に言語化したものは初めてお目にかかりました

 

「昭和」「平成」「令和」それぞれの世代の方がお読みになられたら

それぞれの時代のギャップが埋められるかもしれません

そして本当に熟達に必要な要素を見直すことができるかもしれません

 

 

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