マニュピレーション
ギョーカイ関係の本などを読んでいると
「マニュピレーション」というワードが時々でてきます
あまり一般的には耳馴染みのない言葉ですが
我々的に一番しっくりくるのは「徒手療法」となるのでしょう
「巧妙な取り扱い、市場操作、ごまかし、小細工」というのがmanipulationの本来の訳です
もっとわかりやすくいえば手技療法全般を指し
投薬治療や外科手術に対する言葉となるようです
日本の法制度の問題はおいといて
アメリカではオステオパシーも医師の技術の一つであり
一般的かどうかはともかくとして治療法の一つとして考えられているということです
現状手技療法って星の数くらいあるんじゃないかと思うほど
私らでも聞いたことのないマニュピレーションがあります
とにかく時間がかかる、術者の技量によって結果に差が出る
など医師が病院でやりたがらないのも当然のことです
それでも真面目にマニュピレーションを研究されている方もおられ
マニュピレーションの効果を次のようにまとめた記述もあります
- 不適切な動きまたは異常な外力により隣接する椎間関節面の急性滑膜反応および癒着により関節刻面が動けなくなる。マニピュレーションがこれらの面を離解させる。
- 椎間関節内に通常存在する半月板が非生理的な動きにより絞扼される。
- 余分な椎間関節包が隣接する関節面の間に挟まれる。
- 関節包の機械的受容器が関節の急な非生理的動きで脱感作され、さらなる動きを妨げる。
- 侵された筋の紡錘系が非生理的な動きで障害される。マニピュレーシンは紡錘筋を反射的に刺激し、相反的に弛緩させるといわれている。
- 関連する脊椎節が非生理的な動きでアラインメント不良となり、マニピ ュレーションにより生理的な位置に再配列される。これが調整という用語を説明する。
- マニピュレーションはプラシーボであり、手を直接当てることにより患 者に効果をもたらす。
(軟部組織の痛みと機能障害より)
たぶん手技療法を専門にしている人よりもマニュピレーションについて様々な可能性を考えておられるんじゃないでしょうか?
私がこの世界に足を踏み入れて四半世紀になりますが
その間も新しいコンセプトの手技療法は登場しています
そして手技療法が想定する作用機序もこの本が書かれたときより増えています
長く仕事を続けていたらきっと新しい考え方に出会えることができると思います
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