仙腸関節と大殿筋
先日施術中に大殿筋の緊張を感じたので
大殿筋につながる腸脛靭帯を調べてみると
予想通り腸脛靭帯にもわずかな緊張が見られました
腸脛靭帯炎に至るまでの緊張でもなかったので
事前に防ぐことができたのですが
けっこう大殿筋っていろんなつながりやミッションがあって
気を付けてみておかないといけない存在です
(画像:骨盤と仙腸関節の機能解剖より)
この図を見るとよくわかるのですが
大殿筋は主に仙骨から大腿骨に走行しています
つまりは大殿筋の張力により仙腸関節を締め付けるような力が働き
仙腸関節の安定性に寄与します
ところが大殿筋の緊張が過度なものになれば
仙腸関節の締め付けがきつくなり
逆に仙腸関節の可動性を奪いかねないという側面もあります
仙腸関節の可動性に関しては昔から議論はありましたが
最近では「滑膜性関節」ということで決着がついたらしいです
損傷を防ぐために動作を制限している周囲の靱帯によって支えられ強化されているという説明ですが
動作は制限されているけど全く動かないわけではないということ
現実問題まったく動かないくても問題が生じるし
動きすぎるとこれもまた問題と非常にデリケートな関節なのに
下肢が力強く動くもんだから
相当強固なボディガードに守ってもらわないといけないわけです
そこで白羽の矢が当たったのが大殿筋
大・中・小とある中で一番大きなのがその役割を担ったのも
そういう事情によるものだと推察されます
それでもさらにスゴイと思ったのは
大殿筋だけではなく
胸腰筋膜を介しながら広背筋と連携しながら
大きな範囲からの張力も仙腸関節のみならず
下部腰椎を含めた安定性を生み出します
ちなみにこれを「後斜走スリング」と呼びます
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