努力呼吸
生まれたときに産声をあげてから呼吸はスタートします
「死ぬまで」といいたいところではありますが
病院では例外もあり機械に頼ることもあります
呼吸は「当たり前」のことであり普段意識することもありませんが
意識しやすい呼吸が「努力呼吸」かもしれません
「呼吸するのに努力がいる?」
そんな疑問を持たれた方も少なくないでしょう
普段意識することなく呼吸しているときは「安静呼吸」といって
横隔膜が中心となって息を吸い
膨らんだ肺がその弾性でしぼむのがフツウの呼吸です
で、努力呼吸とはまさに一生懸命に呼吸している状態をいいます
簡単なことです
100mほど全力疾走すれば安静呼吸から努力呼吸にかわります
もちろん安静呼吸も行われますが
激しい運動をすればより多くの酸素が必要となり
安静呼吸の酸素量では足りなくなり
助っ人として努力呼吸が加わるという形になります
(画像:筋骨格系のキネシオロジーより)
この図の前方にある胸鎖乳突筋や斜角筋が
肋骨や胸郭を引き上げることで肺が大きく開きやすくなります
息を吐くときは内肋間筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋が活躍します
この胸鎖乳突筋や斜角筋群が胸郭を引き上げるさまを
「肩で息をする」と表現されます
話は変わりますが、3月くらいから首が痛くて回らないというケースが多かったのですが
その場合問題となるのが胸鎖乳突筋や斜角筋
これは私の考え方ですんで標準的ではありませんが
努力呼吸をする筋肉は胸郭を引き上げますが
逆に胸郭が硬くなって(弾力性を失い)しぼんでしまった場合
理屈の上では胸鎖乳突筋や斜角筋にテンションがかかります
緊張したこれらの筋肉は頸椎や頭蓋骨に付着します
これらの緊張は下部頸椎に圧迫を加えます
かつて私はいわゆる「寝違い」を下部頸椎の問題と考え
頸椎にアプローチをしていました
自慢じゃないですけど開業して数年間は一度も上手くいきませんでした
よそ様のことをどうこう言っても始まりませんが
むかしこの仕事に入る前に寝違いで施術を受けに行った際
首の筋肉をもんでもらったことがあり
余計に悪くなったこともありました
寝違いのとき胸鎖乳突筋や斜角筋が緊張していることは
ある程度のプロなら誰でもわかるとは思うんですが
短絡的に直接アプローチをすれば
その刺激で余計に頸椎に負担がかかると考えるようになったのは
ずいぶん年数がたってからのこと
努力呼吸のメカニズムを考えたら
問題は頸椎や頸筋群ではなく
その部位に緊張を与えている胸郭の緊張と考えるようになり
成功率がアップするようになりました
そこからさらになんで胸郭が緊張するか掘り下げて考え
胸郭とは違う部位にその原因があるということに気づき
そこからさらに成功率がアップしました
努力呼吸といってもハァハァゼイゼイと
息を切らすほどの運動もしなくなっていたので
努力呼吸のイメージすらなくなりかけてた私に
呼吸の大切さを教えてくれました
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