腹式呼吸と精神と腸
近年マインドフルネスが広がり始め
それに伴い呼吸法が注目されるようになりましたが
単なる流行としてとらえるべきではなく
仏教上の精神修養とでもいうべき
古くから受け継がれたものであり
ヨガや坐禅などと源流は共通したものと受け止めています
本格的になさっておられる方からはご批判やご意見もあるかとは存じますが
それを論じるのが目的ではありませんのでご容赦いただきたい
整体の仕事を始めだし人の身体を触るようになり
強く思ったのは身体に問題がある人の「硬さ」という点に共通したものを感じ
「硬さ」の原因をを考えるようになり
様々な要因が考えうるなかで精神的な要素(心の問題)もその一つであると考えるようになりました
人によっては心の問題がすべてというようなニュアンスで論じる方もおられるようですが
ケース・バイ・ケースと考えるべきで画一的に論じるのには疑問があるとの立場なんですが
かといってすべてフィジカル面の問題と断じるのも早計だと考える次第です
私個人として施術中に感じるのは腸の硬さ
これも個人差やその時の状況で変わるのですが
腸の硬さと腰痛など異なる部位の緊張に何やら関連があるのではないかと仮設を立て施術しているのですが
古来から呼吸法により精神面や肉体面の緊張を取り除く方法論が数々あり
私も十数年ヨガに通い腹式呼吸を続けたのですが
4年目くらいから消化器系の調子がよくなってきたことを実感しました
逆に腹式呼吸をやらなくなると数年後には体調を崩しました
ご覧の通り腸の外側には腹筋群が取り巻いています
腹式呼吸は主にこれらの筋肉を動かして
お腹に圧をかける呼吸法と言い換えることもできそうです
厳密にいえばお腹を動かすことなく行う腹式呼吸もあるのですが
一般的な腹式呼吸といえばお腹を膨らましたりすぼめたりするのですが
当然中にある腸にはマッサージのような断続的な刺激が加わります
おそらくそういったアプローチで血行が促進し
腸の機能も向上することは十分考えられます
ここ数年で最先端医学では腸内フローラが
うつ病など精神疾患に関係するという研究が盛んになっています
情動(その時の気分)が腸内細菌によって変わるという意見まであります
私自身もまさか人の性格が腸内細菌の影響を受けるなんて夢にも思っていませんでしたが
そういった研究論文を読んだ医師が最先端医学が腸や心をどうとらえているかを紹介されています
もちろん結論が出たわけではなく
あくまでも研究段階ということなんだそうですが
脳の伝達物質のセロトニンも前駆体の段階で小腸が関係しているということも明らかになっているそうです
何十年か前は呼吸法と精神の問題は宗教的な問題というか
スピリチュアルなものとして避ける人も少なくなかったのですが
今や科学的な研究の対象となっているのですから
時代の移り変わりというのは恐ろしいものです
私がイメージしていたこととはかけ離れてはいますが
腸と精神と呼吸という関連性から目が離せなくなってきました
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