肩甲帯と肩関節の動き
ここ何年間かで増えつつあるのが肩甲骨はがしのご要望
ちまたで「肩甲骨はがし」を謳っている所を見かけることが多くなったのですが
メディアやネットで取り上げられる機会が増えつつあるのかもしれません
私も「スカピュラー」という技で肩甲骨をはがすのですが
scapularという単語が肩甲骨という意味ですから
そのまんまのネーミングです
この技を受けた方はお分かりなんですが
結構気持ちがよく肩から腕の動きが軽快になるので
何を置いてもこの技だけはしてほしいという方もおられます
ただ施術する側からすれば
肩甲骨をはがせばそれでいいという発想ではいけません
というのは肩や腕を動かすにあたって
肩甲骨がどういうメカニクスでかかわっているのかを理解したうえでやらないと
効果が半減するのは目に見えていますので
肩甲骨の動きを理解しておくというのは大前提となります
(挙上にかかわる筋肉)
(下制にかかわる筋肉)
(肩甲骨の外転にかかわる筋肉)
(肩甲骨の内転にかかわる筋肉)
(画像:徒手筋力検査ビジュアルガイドより)
肩甲骨は胸郭とは関節しておらず
上記の筋肉がそれぞれの方向から引っ張り合うことで
そのポジショニングが決まり
同時に体幹との関節がないことから
動きの自由度が大きいのが特徴です
「肩甲骨はがし」なんて言う前に
元々どこにも引っ付いていないということを忘れてはいけません
それをわざわざ「はがす」ということをするのは
組織の癒着で動きが制限されるからなんです
動かしているようでごく限られた範囲でしか動かしていないのが肩甲骨の日常です
私がラジオ体操を繰り返しオススメしているのは
腕を大きく様々な方向に動かすことは
とりもなおさず肩甲骨の動きを伴うからです
ご存じない方は肩関節の動きだと思ってらっしゃるでしょうが
肩の動きや腕の動きに肩甲骨の動きが大きくかかわっているからです
難しい説明は抜きにしていうと
肩甲骨をはがす以前に図に記された様々な筋肉の状態を見極め
正常な状態にしておくことが必要です
さらに申し上げるとその前段階で胸郭(肋骨)の動きも十分に確保しておく必要があるのです
「肩甲骨はがし」というのが注目されているようですが
肩甲骨の動きに関連する箇所も大事であることは申し上げておきます
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