潜在能力を最高に引き出す法
素晴らしい内容の本であったことを前提に最初に文句を言わせていただくなら
タイトルは大いに問題あり!
素直に潜在能力を引き出す方法に興味を持って購入したら
個人の潜在能力を導く方法論ではなく
主題は組織においてのマネージメントによって最高のポテンシャルを引き出す方法が書かれていました
要するにBIG POTETIALという原題ならわかるんですが
邦題が誤解を招く意訳になってしまっているのがちょっとどうなんだというところ
それでも読み始めて期待が裏切られてテンションが下がっていたのですが
読み進めるうちにV字回復するほど書かれていた内容は優れています
昨今、サッカーやラグビーなどで日本らしいマネージメントで
個人のポテンシャルで及ばない他国のチームに勝利し
W杯などで快進撃をみせた日本代表チームの運営方法を思い起こさせる内容だったというのが第一印象
「個」が優先され「個」の力の結集が組織としての力が欧米のスタイルであるとすれば
日本という国では突出した「個」の力よりも「集団」としてどう機能するかが優先されるという日本らしい価値観や発想に導かれる方法論が本書によって解説されています
もとより日本という国には一切言及はなかったので
あくまでも私個人の受け止め方ということにしかすぎません
それでも最初はアメリカ人の著者が日本の価値観を認めたのかという受け止め方をしていたものの
それなら日本らしい組織運営についてどこまで知っているのか?わかっているのか?
考えてみれば抽象的なことは漠然と理解できても
具体的な方法論については恥ずかしいほど無知であることに気づきました
まあ、私レベルができることといえば「まあまあ」的な凡庸な仲良し集団の中での立ち振る舞い程度
組織の潜在能力を最大に引き出す術については頷くことばかり
わかっているようでわかっていなかった「和」の精神が
アメリカ人によってつまびらかにされたわけです
そういったショックもあって
最初に申し上げた邦題の的外れ感は払拭され
のめりこんでいったのです
それでもまったくもって昭和以前の古き良き団体の論理とは
かけ離れた見事なまでの合理性には舌を巻きます
「喜び」の反対語は「悲しみ」ではなく「無気力」
というフレーズは刺さりました
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