膝関節の最終伸展制限
年を取ると膝が痛くなる
世間ではよく聞く話です
正座ができない
軟骨がすり減る
こんな訴えはよく聞くのですが
私からすれば正直ほぼ最終段階のように受け止めています
膝痛の多くのケースでは
痛みが出ていない段階で徐々に悪くなり
相当なレベルに達して痛みが出るというイメージを持っています
だいたい見ていて多いのは膝の最終伸展ができないという事例
この段階で痛みが出るのは稀なんですが
膝が伸び切らない段階でかなりのダメージを受ける状況に陥ります
まっすぐに伸びると思われている膝は実は180度よりもさらに伸展します
最終伸展と言って膝窩筋により大腿部と下腿部が筋肉によってロックされることにより
筋力をあまり使うことなく立っていられます
イメージとしては案山子にように一本の棒によって支えられる感じです
筋力をあまり使わないということは疲れにくいわけで
逆を言うとロックされない状況では常に筋力を使うことになり
一日立っているとすごく疲れることになります
ひどい人になると横から見たら膝がほんの少しだけ曲がった状態で立っているケースもあります
本人はしっかり膝を伸ばしているつもりなんですが
膝を少しだけ曲げた状態で歩けばすごく疲れます
それに気づかず何年もたてば筋肉は疲労困憊
疲労から硬くなりさらに縮み膝はもっと伸びなくなります
もっとも影響を受けるのはハムストリングであったり膝窩筋であったりするんですが
この段階になればストレッチをしたり私が矯正を行っても多少は楽になるもののすでに焼け石に水
筋力をつけていただくために歩いても
さらに疲労が募るばかりで逆効果になることも少なくないんで
この段階でいらっしゃっても効果的な施術もできませんし
その場の痛みを軽減するくらいしかメリットがなく
そういった方はいろんなところを渡り歩いて
治療院巡りをされるケースを何度も見ています
私が仕事をするにおいて一番大切にしているのは
できることとできないことを明確に示すことだと考えています
だからいくら人からいい評判を聞かれてお越しになっても
できないことをなぜできないかを説明しながら
今後どうしたらいいのかをお話することから始めます
一番いいのは若い間から足のストレッチをして筋肉を柔らかにしておくことと
万が一膝の最終伸展ができなくなった場合に
なるべく早くそれに気づいて痛みが出ないうちから予防策をとることが大事です
もっとも痛みがなければ気にかけないのがフツウだということもわかってはいるんですけどね
| 固定リンク
コメント