諦めの価値
言葉そのものが内包する価値観としては
「諦める」ことはよくないことで
「諦めない」ことがいいこと
そんな固定観念が常識としてあるように感じます
しかしよくよく考えれば自分の身の回りのことすべてを諦めることなく
手中に収めることなんて考えられません
むしろ手に入れたいものの大半を諦めて生きてきたのが実際だと思います
高級車に乗りたい、ブランド物が欲しいなど
物欲だけでも満たされることはありません
むしろ生きてく上で現実的にはその必要性や価値などを検討し
取捨選択をした上で諦めることの方が多いと言わざるを得ません
だから「諦めるな」という激励は大きな価値が認められるものに限って言えるセリフであり
今の時代「断捨離」という価値観が存在感を得て
ミニマムな生活が推奨されるご時世で
「諦める」ということも積極的な価値が付与される時代になりつつあると感じています
人は大義を果たすために時間・エネルギー・財産などをつぎ込みます
それらは限られたもので無限のものではありません
さすれば大きなことを成しえるには、引換として必要十分なものを諦めなければならない
本書が説くもっとも大事なことは取捨選択の基準だと感じました
「何かを変えることができる者は、何かを捨てることができる者」
アルミン・アルレルトの名言ですが
大きなものを捨てることで、さらに大きなものを手に入れる
そこに存在する未練や執着心をいかに切り捨てるか
これからの時代を生きる我々にとって
重要な指針になりそうな発想が本書にあります
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