簡素な生き方
最近「断捨離」やらミニマムやら
物を持たない生活が流行りになっているようです
物欲まみれの私でもため込んで整理(捨てる)しなきゃと感じるのですが
本書はターゲットが物というより心の問題として捉えている点において一読の価値があると感じました
筆者は宗教家であり教育家であるそうです
正直言って筆者の価値観をそっくりそのまま押し付けるような論調が目立ちますので
読み手の感じ方次第で良書にも駄作にもなりうると感じました
その気になってツッコめばツッコミどころ満載だいえますが
何となく響くものがあるのでは
1800年代から1900年代初頭まで活躍された筆者ですが
私が生まれた時代にもこういった価値観が残っていたからでしょう
主題として心の無駄をそぎ落とすことになるのですが
その指針となりそうなひと言が一番心に刺さりました
それは物事には本質的なことと余計なことがあるという考え方
単に物を持たずシンプルな生き方をするのではなく
必要不可欠なものとあってもなくてもいいものとに分類するということ
この発想には気づきませんでした
その例えとしていいランプとは明るく照らすランプのことを言い
銀製であるとか高価そうな装飾が施されているとかは本質とは違う価値であるということ
この例えはランプという物について説明されていますが
我々が持つべき価値基準を示したと言えそうです
一見普遍的な価値観のようにも思えますが
本質的であるかどうかは人それぞれの生まれや育ちなどの背景によっても変わると考えるならば
時代を超えて人の個性さえも包括して価値基準となる得るのかもしれません
Amazonのブックレビューを読んでみても
感銘を受ける人と時代に合わない価値観の押し付けと捉える人に分かれていますが
本書の本質的な部分と余計な部分を考えるならば
筆者の価値基準としての各論部分に納得できない人は少なくないといえるでしょう
でも「こういう考え方の人もいるよね」と読めば
スルーしながら読むのもアリだと感じました
とりわけ頭の中にごちゃごちゃとたくさんの情報を詰め込んでいる人は
シンプルな頭脳を取り戻す良書になりうる一冊になりそうです
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