動作の段取り
動くというのは動物と植物を分ける分水嶺ともなる活動です
骨格筋の収縮により骨格が動く
大まかないい方をすればそんなところになるだろうと思います
人間は立ったり座ったり歩いたりと様々な動きをしますが
単に筋肉の収縮で、というわけではなく
実に複雑なプロセスがあります
その一部分を取り上げると
動作をする際の前提となるのが安定性です
片足をあげて歩き出した途端バランスをそこなって転んでしまう
それこそケガをしてしまうので最悪な状態です
だから動作の段取りとして第一に安定性を確保する作業が行われます
最近ではあまり言われなくなったインナーマッスル
要は深層筋という奥の方にある筋肉が
関節の安定性を図りこれから動くという動作に際して
問題なく動けるポジショニングをしてから
動くための筋肉が収縮し始めます
実はこのことを説明したかったのは
腰痛などの痛みについて考え方を展開する上において
こういった安定性を維持する筋肉の機能低下が原因となるケースがほとんどだからなんです
どういうことかと申しますと
相動筋と呼ばれる関節を動かす役割を担う筋肉は力強く動くのですが
関節内が不安定な状態だと彼らの大きな力が
関節を痛めつける役割をするばかりか
スムーズに動かない関節を動かそうとより大きな力を出さざるを得ないために
自らもダメージを受けることがあります
我々がお話を伺うとき
痛みのある場所を尋ねると表層にある相動筋をいわれて
深層筋にある痛みは気づかれていないケースが多々あります
私が触って初めて痛みを感じることも稀ではありません
だからクライアントの話を聞いてそのまま受け止めるようでは
本当に悪くなり始めたポイントを知らずに施術してしまう恐れがあります
だからある程度推定的に関節の安定性を作る深層筋も悪くなっているという前提をしておいてから
施術の手順と量的な・質的な要素を考慮苦する作業が必要だと考えています
もしその前提が間違ったものであれば
あとからいくらでも修正は効くのでそういう事態も想定しながら施術すれば
いろんな状況に対応できるというわけです
いずれにしても身体が動くメカニズムを理解することは
施術の方針を決める上で重要な要素だと言えます
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