「コリ」の正体
「肩こり」なんかに代表されるように
筋肉が硬くなる現象を「コリ」というふうに呼びます
運動選手なんかが疲労困憊して筋肉が硬くなった状態を「ハリ」と呼んだりもします
医学用語でもありませんが世間一般ではこの表現が共通みたいになってます
それに対して施術する側は「ほぐす」といって筋肉の弛緩をします
近年私たちが筋肉の「コリ」と呼んでいたものを
エコーを使って可視化されるようになっています
(画像:解剖・動作・エコーで導くFasciaリリースの基本と臨床)
この画像は僧帽筋とその奥にある棘上筋の超音波画像です
左の画像を見ると白い線のようなものが見えますが
これが僧帽筋と棘上筋が接地する場所でそれぞれの筋膜が固まっているような状態を表します
そして右の図は筋膜リリース後の状態です
さらにこういう状態を図で表したものが上の図です
結局我々がコリという表現をしているものは
組織の膜が癒着した起こるものだと示した図です
私自身も一本の筋肉が硬くなるイメージでやっていたわけですが
実はそうではなくて筋膜が癒着することが筋拘縮につながっているということになります
ここ数十年で骨格の歪みから筋膜の癒着に注目が集まりつつありますが
これもギョーカイの一つのトレンドなのかもしれません
しかもエコーという画像所見で可視化できるようになり
施術対象が昔とは変わってきたように思えます
しかし以前は「筋膜」という組織がクローズアップされてきましたが
近年筋肉の膜のみならず「膜」全般を指してFasciaというものに視点が変わりつつあります
そういう意味では皮膚もFasciaであり内臓を覆う膜もまたFasciaとなり
これらの連続性は従来の筋膜の連続性という概念だけでは説明できなくなってきているように感じています
何が正しいのかはまた10年20年たてば変わるかもしれませんが
我々の施術対象や疼痛の成り立ちの説明も変わりそうな気がします
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