記憶する体
妹から貸してもらった本です
まさか妹がこんな本を読んでいることに驚きました
本書は11人の障害を持つ人のエピソードが中心となり
それぞれの条件下で身体や脳がどう順応するかを
物語形式で書かれています
しかし単なるドキュメンタリーではなく
科学的な知見も踏まえての記述に
奥行きの深さを感じました
正直、身体障害というものを紋切型で見がちではありますが
それは個々の状況や状態を知らないから
本書に気づかされる驚きは一人一人の物語に身体の個性があるからだろうと思います
目が見えないのにメモを取る
聴こえないのに音をイメージする
なくなった足の指に力を入れる
普遍性のある身体感覚ではありませんが
それはその人だけが会得した身体の知恵とでも表現すべきなのでしょうか?
おそらく障害というものを通してのストーリーだから
逆にわかりやすいのかもしれませんが
たぶんすべての人の身体感覚がその人固有のものだということを示唆しているように思えます
それは自分の身体感覚を他の人に当てはめることの危うさも
本書の隠れたテーマなのかもしれません
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