腰痛ベルトと腹横筋
腰痛ベルトを装着されている方をよくお見受けします
腰が痛いんだから当たり前みたいなもんですけど
皆言われるのはベルトを着用すると痛みが緩和するということ
こういう現象は使っている人は実感されるのですが
なぜこういったベルトで痛みがマシになるかという疑問が残ります
この理屈は車や自転車のタイヤに似ています
タイヤというのはその中に空気をたくさん詰め込み
空気圧でその形状と弾力性を維持します
ところが空気圧が低下するとタイヤはペコペコになり
走行中の安定性を失います
このようなイメージをお腹の中に当てはめれば
お腹の中には空洞がありそこに空気が詰まっているわけですが
それを締め付けるのは腹横筋などの腹筋群です
これらに筋力でお腹を締め付けると空気圧が上がり
お腹は安定します
後ろの方に背骨があり体を支えるわけですが
すべての重量を支えるのではなく
空気がパンパンに詰まったお腹と背骨で役割分担をします
ところがこういった腹筋群の力が弱くなると
腹圧は下がりお腹の中は不安定な状態になります
そうすると背骨が身体を支える負担の割合が増加します
それが腰痛になっていくプロセスといえます
下がった腹圧を上げるために腰痛ベルトで締め付け
腹圧をあげることで背骨にかかる負担を軽減できるというメリットがあり
腰痛の人はベルトをされるわけです
ところが問題があって
本来腹圧を維持する役割は腹筋群が担当するのですが
筋力が低下したうえに腰痛ベルトがその役割を肩代わりすれば
甘やかされた腹横筋らは働く機会を失い
さらに筋力低下を招き
腰痛を悪化させるというリスクも含んでいます
医師によっては3ヵ月くらいまでと言われるのですが
腰痛ベルトのリスクを知らずに長期的に使用される方も少なくありません
きちんとした情報も与えられず
装着していると楽になる腰痛ベルトに頼るのもわからないではありません
どんないい薬でも用法用量を守るのは大原則
これは腰痛ベルトも同じことです
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