世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
エライ時代になったもんです
芸術を楽しむというのは情緒を豊かにしたり
感受性を高めたりという人の内面を磨くという意味合いというか目的みたいなものがあったように思うのですが
本書を読む限り企業の利益のために必要な「アイテム」として
「美意識」を高めるという発想
純粋に芸術を愛する人が眉をひそめそうな現状が本書に書かれています
そういうことをよく思わない方もいらっしゃるでしょうが
この本に書かれていることには説得力があります
というか誰もそういうことを指摘されていなかったころから
優れた美意識を仕事に生かし利益を得ている方は
大昔からいたことは間違いないでしょう
ただそれが特殊な職業から一般的な職業にまで広がりつつあるのは
憂うべきことなのかどうか疑問に思います
この世の中にある商品・コンテンツ・サービスなどは
機能や利便性だけが儲かる要素であったかといえばそうではありません
若い女性が「カワイイ」といって買い求めたヒット商品に対し
私のようなオヤジが理解不能なのはある意味美意識の欠如であるか
彼女たちとの美意識の相違なのかはわかりませんが
ひとつ言えるのは美意識は商品にとって重要なイメージであり
それが企業レベルにまで浸透すればそれは大きなアドバンテージ
20年近く前パソコンのシェアでマイクロソフトに大きく差をつけられていたアップルが
今の地位を築き上げたのも機能やコスパといった要素よりも「美意識」が大きなウェートを占めていたのかもしれません
企業イメージ・ブランドイメージに「美意識」というのは不可欠な要素かもしれません
逆にちょっと前に優良企業だった家具屋さんが
コスパに重きを置きブランドイメージを損ない
瞬く間に転落していったというケースも笑って済ませることはできません
企業の収益は「論理」に裏打ちされたものという時代から
「美意識」という主観的な要素も必要とされる時代になったのか
それとも昔からあった要素に今ごろ気づいたのか?
こういう本を読んで考え方を改めなければ
ここから先の時代に取り残されそうな気がします
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