無(最高の状態)
エライ時代になったもんです
「無我の境地」といえば修業を積んだ高僧だけが会得できるというイメージ
それが脳科学で私らにでも理解できるそんな感じの本です
題材自体は宗教的な概念ではありますが
その解説はあくまでも科学的
それがいいのか悪いのかはわかりませんが
禅問答のようにわかったようなわからんような
難解な説明はありませんので
私のような一般人にはとても親切な内容です
具体的には「苦」というのは仏教上でも説明されていますが
現代社会のリアルな問題点にスポットを当てたうえで
解説されていますのでより身近なところでの理解が可能
それゆえにはるか頭上を飛び交うような議論とは違い
多くの人に納得が得られる点でありがたいです
もちろんこれ一冊を読んで「苦」を知り
その方法論として「無」の境地に入れるほど甘いものでもありません
しかしはるか遠くの縁遠いものではなく
それぞれの人が抱える問題として実感できるので
とっかかりとしては良書だといえます
具体的な解決方法としてそこはやはり宗教的な概念が登場しますが
その部分においても身の丈に合ったわかりやすさは
本書の真骨頂だと言えるかもしれません
宗教的だからと毛嫌いされる方でも
人の抱える苦しみに関心があれば
ぜひオススメしたい一冊です
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