軟部組織テクニック
オステオパシーにはかなりの種類の技法がありますが
もっとも基本的な手技とも言えそうなのが軟部組織テクニック
手技のスタイルには牽引や押圧などがありますが
修業時代に私の師匠が最も大切にされていたのが軟部組織テクニックかもしれません
とりわけ押圧に対しては基本中の基本として
「これができんヤツは他のテクニックもできん」とまで言われていました
正直、その当時は押圧なんかそこらへんのマッサージとかわらんやんか
てな感じで考えていたこともありましたが
年数を重ねるごとに考えても見なかった効果を感じるようになりました
実際に軟部組織テクニックを使うことで
マッサージ屋といわれたこともありました
しかし一般に思われているような軟部組織、とりわけ筋肉の「ほぐし」という効果もありますが
画像所見がない我々にとって身体の中で何が起こっているかを察知できうるセンサー的な役割は極めて重要です
師匠が「これができんと何もできん」といわれたのも
外からでは見えない身体の内なる状態を把握することなしに
何らかの技法を用いるのは道が見えてないのに車を運転するがごとしと思っています
ある程度のヒットはあるでしょうがピンポイントで的確なヒットを狙うには
身体に対する「読み」は不可欠です
年数を重ねるごとにというのは手から得られる情報が年々増えていき
身体が見えているような感覚に達するまで相当時間はかかるのはわかります
私がその域に達するまでまだまだ時間が必要であることは明々白々ですが
目指すものがハッキリとしているのとそうでないのとでは
10年後20年後の姿も変わるはず
またクラニオワークなど繊細な感性が要求される技法においては
基本的手技に熟達することなく一足飛びに難易度の高い技法を用いても
表面だけは同じでも中身のないものになることは想像に難くありません
近年、筋・筋膜リリースが「流行」とでもいうべき状況ではありますが
同じ技法ではないにしろ類似性はかなり高く
筋膜を読める力は必要です
それを養うためにに軟部組織テクニックの熟達は必要だと考えます
二十年ほど前は耳にタコができるほど聞かされたセリフの意味合いが
少しは変わってきたのかもしれません
| 固定リンク
コメント