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2021/04/20

五十肩と大殿筋

世間で五十肩と呼ばれる現象には多くの筋肉がかかわっています

それゆえに一か所だけアプローチして改善することはほとんどなく

多くの筋肉や関節などにアプローチしなければならないのですが

問題は痛みや可動域制限に加担しているものの

主役と脇役を明確にしたうえで

症状の起こるストーリーを見極めるという作業が重要です

 

結局は関わり合いのありそうなところはすべて触るのですが

やみくもにするのとターゲットを絞り込み

痛みのメカニズムを理解してメリハリのきいた施術をしないと

時間の浪費はもちろんのこと

各部位のバランスを整えることができなければ結果はでません

 

偉そうに言ってるけど実際にやってみたら

毎回上手くいくとも限らず

効果が出ないこともありますので

あくまでも自分自身に対する戒めであったり

努力目標的なこととして申し上げているにすぎません

 

すごく長い前置きになりましたが今回注目したいのは大殿筋

読んで字のごとくお尻にある大きな筋肉なんですが

なかなか上手くいかなかった五十肩が

お尻の筋肉を触ることで改善したことがあるというお話

お尻を触って肩の痛みを和らげるといえば手品的な雰囲気もありますが

これには筋肉同士の連鎖からくるバランスの重要性がわかれば

さほど大した問題ではないのですが

そういった知識がなければ不思議に感じるのも当然です

 

Img20210419_09351268

(画像:骨盤と仙腸関節の機能解剖)

この図をご覧いただくと広背筋と大殿筋が

対測につながっているのがわかります

広背筋は上腕骨に付着し収縮することで上げた腕を下す動作をします

逆に言えば広背筋が拘縮すると腕を上げようとしても

邪魔をして上がらなくなります

これが直接痛みを誘発することも稀ですが

少なくとも可動域は減少します

 

腕が上がらない方には毎回広背筋の弛緩を試みますが

たとえその時は緩んで腕が上がりやすくなったとしても

2~3日もすればまた腕が上がらなくなることがよくあります

こんな場合私が疑うのは対側の大殿筋

高齢の方によくあるのが大殿筋の筋力低下による場合

大殿筋の機能を語りだしたら話がまた長くなるので割愛しますが

大殿筋の筋力低下は広背筋に余計な負担をかけ

その結果として広背筋の筋拘縮を惹起させる場合があるということです

これがけっこう厄介でして

筋力低下って我々では如何ともしがたい状況で

結局歩いたりしてもらって長い期間をかけて筋力アップを目論み

大殿筋と広背筋の張力バランスを調えなければいけませんので

運動療法に頼る部分が大きいことになります

 

五十肩を治す目的で歩く習慣をつけていただくのですが

まあ、この説明が難しいのです

なんで肩の痛みををとるために歩かないといけないか

それを納得していただくための説明も腕のうち

そんな考え方で取り組まないといけません

 

 

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