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2021/03/30

マッスルエナジー・テクニック

私の施術に関して何種類かの身体的変化を目的とするのですが

そのうちの一つに筋拘縮を解放することがあります

平たく言えば凝って固まった筋肉を解きほぐすことです

何らかの異常で筋肉は縮んで硬くなることがあります

硬く縮むことは本来の筋肉の機能として当然有しているのですが

問題は硬く縮んだまま柔らかく伸びてくれないことにあります

 

こういった筋拘縮により関節の動きにブレーキがかかり

時として痛みを発生させることがあります

腰痛であったり五十肩であったり

我々が扱う身体の痛みは筋拘縮がかかわるケースが大半です

 

縮んだ筋肉を伸ばすにはストレッチをするというのは最も自然な発想です

ところが痛みを伴う場合ストレッチをすればその痛みは増大します

無理やりやっても逆に筋肉は意固地になって余計に硬くなることさえあります

 

そんな場合オステオパシーでは様々な技法があるのですが

代表的なものとしてカウンターストレインがあります

これはストレッチと逆の発想で伸ばすのではなく

筋肉を他動的に収縮させます

ちょっと難しい理屈ではありますが

筋肉にある筋紡錘という固有受容器から発せられる信号を切断し

筋肉の収縮をやめさせることができるという優れた技法です

 

ところがどんな優れた技法にも一長一短があり

筋紡錘がたくさんある筋肉には

精度の面で上手くいかないケースも多々あります

私個人の考えでは姿勢維持を一番の目的とする筋肉には

筋紡錘が多く存在しその一つ一つに効果をもたらすのは困難だと感じております

 

だからそんな場合に用いるのがマッスルエナジー・テクニックです

マッスルエナジー・テクニックにも等尺性収縮後リラクゼーション(PIR)と

相反抑制という反射弓を利用した(RI)テクニックが存在します

PIRの場合腱に存在するゴルジ腱器官という固有受容器に信号を送り

神経反射を利用して筋紡錘の誤った信号による筋拘縮を解除することがあります

またRIは相反抑制といって一方の筋肉が収縮するとき拮抗筋は弛緩するという

こちらも神経反射を利用した技法となっています

 

まあ、この説明でご納得いただける方はプロ以外にはいらっしゃらないでしょうが

要するに私が言いたいことは完璧な技法というものはなく

それぞれ弱点などが存在し

それを克服するために二段構え三段構えで

そういった事態に備えておくことが大事

ケースバイケースでその状況に合った技法をチョイスしたり

技法の組み合わせや順序を決める作業によって

技法そのものも使えたり使えなかったりすることもあります

 

技の良し悪しも大切なんですが

さらに重要なのは正しい状況判断をしたうえで

どういう技法や手順が当てはまるかを見極める力が

我々の仕事において「上手い」「下手」を分けるポイントになるのだと思います

 

 

オステオパシー整体院 腰痛館 ホームページ

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