自分を知り、自分を変える
先日読んだ「第1感 最初の2秒の『なんとなく』が正しい」に
引用されていたのが本書の適応的無意識
深堀してみたくなり読んでみました
心理学で「無意識」といえばフロイトの研究が有名ですが
本書ではフロイトのそれとは違った意味で用いられています
「適応的無意識」とは非意識的な思考が進化による適応であることを意図した用語であり
環境を即座に非意識的に評価し、明確化し、解釈し、行動を開始させるという能力は生存に有利なため進化的選択がなされる非意識的過程
こんな定義づけが書かれていました
要するに日常の意思決定は
意識下でなされることもあるが
非意識的になされることも多く
いわば瞬時の判断で行動するということを言われています
人間だれしも自分の明確な意思を意識の上で決定すると思っているけど
その実は無意識に直感で意思決定をし行動してしまうという考えです
以前に似たような考え方を
前の隆司さんが「受動意識仮説」という理論を用いて解説しておられましたが
実はわれわれ人間は無意識に行動した後から意識が出てきてそれを肯定するような思考することで意識下で意思決定をしているように勘違いしているだけ
そんなセンセーショナルともいえる見解を述べておられました
でもよくよく考えてみれば
日常生活の一つ一つの意思決定や動作を
意識下でコントロールしているかと振り返ってみれば
意外とそんなことってなくて
気が付いたらなんかやっていて
意識下で判断をし行動をしたというプロセスってほとんどないような気がしました
「理性」ではなく「感情」で行動しているという見方もできるでしょうが
無意識の感情が行動を惹起せしむるに至るプロセスが
適応的無意識だともいえなくないでしょう
ならばその非意識的な意思決定の正体とは何か?
それが本書のテーマであり
その正体を解き明かすことで自分を知る
そのうえで不都合な自分を変えていくという方法論が説かれています
受け入れやすい易さという点では「第1感」の方が
ありがちな自己啓発本としての簡易さがありますが
そこから具体的な研究を深めていったのが本書という印象です
こういう考え方の本を何冊か読みましたが
無意識だから変えようがないかといえばそうでもなくて
適応的無意識って過去の経験の積み重ねによる判断のようですから
過去の経験を検証したり
普段の意識のあり方から変えていくことで
その蓄積も変化の可能性があるということのようです
メンドクサイのが人の思考ですが
上手くコントロールできるのであれば面白くなりそうです
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