思考の整理学
冒頭に登場するのは「グライダー人間」と「飛行機人間」
グライダーは受動者にけん引されて初めて飛ぶことができ
推進力を他から与えられて飛ぶことはできるが
自前の推進力は持ちません
これは学ぶとき他人(教師)から教えられたことを覚えるタイプの人間を意味します
それに対し飛行機人間は自らの推進力により飛ぶことができる
自力で問題点を見つけ出し解決する能力を意味します
本書は1986年初版ですが
当時そういった論争があったことは覚えています
学校教育が記憶重視で点数が取れるシステムがフツウだったので
社会に出てから指示がないと何もできない「指示待ち族」
という表現もありました
高度経済成長からバブル期まで
言われたとおりにやってりゃそこそこ上手く生きられた時代ですから
そういう傾向が今の時代より強かったような気がします
で、本書は「思考」というものをいかにするかを書き連ねた内容なんですが
正直読む前にHaw to的な要素も期待していたのですが
終盤にそういった記述もありましたが
どちらかといえば筆者のエッセイ的な内容が多かったです
私としてはその方が面白かったのですが
How toばかりを欲しがるとアウトかもしれません
しかしながらよく考えてみれば
冒頭で「グライダー人間」と「飛行機人間」という対比があり
要するに自分で考えろということを言われているわけですから
How to本みたいに具体的な「思考の整理の方法」を与えるのも矛盾した話です
そんなことを考えながら読み進めていると
とりとめもなく筆者の考えていることを考えてみれば
自分自身の思考をすごく客観的に見て評価されているのではないかと感じました
いわゆる「俯瞰」ってやつです
様々な事象に対し思考を巡らせるにおいて
自分自身の思考でさえ高いところから見下ろし
評価を下すことで整理が可能になる
そんなことをおっしゃりたいのかなと考えてしまいました
勝手に裏テーマみたいなものを考えてみたわけです
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