仙結節靱帯
(画像:骨盤と仙腸関節の機能解剖)
靱帯という組織は骨と骨とを結びつけ関節を形成するのに必要なコラーゲン線維です
筋肉と違うのは伸縮性が乏しいので関節の安定性を確保します
世間では「靱帯」といえば前十字靭帯の損傷や肘にある内側側副靱帯の損傷など
スポーツ選手のケガでよく耳にします
頑丈な靱帯組織でも継続的に強い力がかかったり
変な姿勢から強い力が加わると断裂をします
一般の方が経験されるのは前腓骨靱帯の損傷すなわち捻挫でしょうね
前置きが長くなりましたが今日のテーマは仙結節靱帯
上の図のように仙骨から座骨結節まで走行します
実はこの靱帯には重要な筋肉の付着部が重なります
大腿二頭筋や大殿筋や梨状筋、多裂筋・脊柱起立筋と
腰痛関連の重要な筋肉を結び付ける靱帯となっています
筋膜の連続性という概念がありますが
厳密に言えば筋膜を介してだけではなく
こういった靱帯も連続性の中にあります
腰痛に対するアプローチで腰よりも
先ほど挙げた筋肉の弛緩を図るのは
こういった筋肉のほとんど全部が結束して
腰痛を作り出しているからです
むしろ腰痛という一つの現象よりも
全体としてこういった筋肉のほとんどが緊張していることが問題であって
そういう状態の影の立役者が仙結節靱帯であるからです
だから直接仙結節靱帯にアプローチをかけることはありませんが
いつも考えの中には中心的存在としてマークしています
もちろん平常時は仙腸関節を安定させる大きな役割があるわけでして
これらの筋肉の緊張は仙結節靱帯の緊張にもつながるという研究もありました
普段目立つことはありませんが重要な組織の一つであることは間違いありません
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