風姿花伝
紅茶のお話ではありません
あの商品もきっと風姿花伝をもじった商品名なんでしょうね
世阿弥による能楽の聖典とも呼べる芸事についての考えがしたためられています
私の父親も数年前までは謡曲を教えていたもので
毎日うなってるのを聞いて育ちました
宝生流だといってました
十数年前に「初心忘るべからず」という言葉が
この風姿花伝のものであることを知りました
芸事だけではなくすべての仕事に通ずる素晴らしい考えがたくさんあります
芸を究めるストイックさもさることながら
偉い人に認められることに対する意識の強さも感じました
技術や知識があっても人から相手にされず消えていく人は
私らの業界でも少なくありません
シビアな環境で他の芸能に負けてはならないという強い意識は
そういった世界のリアルさをまざまざと見せつけます
将軍足利義満に認められトップスターに登り詰めた世阿弥の言葉には説得力があります
さしずめ有名プロデューサーに認められて
冠番組を持ちたい今の芸能人さながらといったところでしょうか?
随所で「花」というフレーズが登場します
「時分の花」「秘する花」「因果の花」と
「花」のある人でも種類がわかれ
慢心することなく修業に励む大切さを説き
そして勝負に勝つ方法論を説き
名声・芸事・稽古などの因果を記します
読んでいるうちに勝負師的な一面を垣間見たのです
北斗神拳のような一子相伝で伝えられた風姿花伝も
今やポチるだけで手に入れることができます
あの世から世阿弥の歯ぎしりが聞こえてきそうです
ひとつ失敗したのは現代語訳の本を買った方が読むのは楽だったでしょうね
その時代の言い回しでは外国語を訳しながら読んでいるようで
イマイチ入ってこない部分もあっただろうと思います
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