バカが多いのには理由がある
実に挑発的なタイトルです
これもアイキャッチ的な発想なんでしょうね
筆者は「バカ」をファスト思考しかできない人のことだと定義します
思考には直観的な判断をするファスト思考と
熟考の後に判断するスロー思考とがあります
ノーベル賞に選ばれたダニエル・カーネマンが提唱した概念ですが
要するに考えてから行動するか瞬時に判断するかなんですね
一見よく考えてから判断する方がよさそうに思えますが
普段の私たちはファスト思考の方がほとんどで
あまりスロー思考をする機会がないというのが実情で
論理的にスロー思考をしていると考えていても
実はファスト思考で判断したことを後付けで理論をつけているケースも多いわけです
で、筆者は自分も含めほとんどすべての人がファスト思考に偏っている
つまりは「バカ」というのはみんなのことであるというところに落ち着くわけです
そのうえで自分がファスト思考しかできていないことに気づくことが重要だと説きます
このあたりソクラテス的な言い回しになるわけですが
そこから多くの社会問題を切っていきます
本書の大半が成治・経済・心理など多くの問題点に切り込んでいるわけなんですが
最初にファスト思考・スロー思考の理論を持ち出したのは
後からバッサリ切りつけるバカ扱いされた人に対するエクスキューズなのかなとも感じました
それでも偏ることなく客観的な意見を述べられているのは
やはりスロー思考ゆえの結論なのでしょう
正直、ファスト思考・スロー思考のことを知りたければ
ダニエル・カーニマンの「ファスト&スロー」をお読みになった方がいいでしょう
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