身体感覚をひらく
スポーツなどで高いパフォーマンスを発揮するには
筋力も必要ですがその筋力のコントロールも大切です
ありがちなのは全身力んでしまいかえって力を発揮できないことです
つまりは筋力の分別が必要であり
力を入れるべき筋肉とその筋出力
そして脱力すべき筋肉をしっかりと身体感覚で覚えること
そんな話を仕事中にしていると
「野口体操と同じ考え方ですね」と言われました
不勉強で申し訳ないのですが
野口整体は知ってますが野口体操は聞き初めでした
それで野口体操の本を読むことを勧められて
本書を購入した次第です
なるほど基本的な考え方は同じなんですが
具体的なメソッドについては私は知識も経験も乏しいので
観念的なものから具体的なものに引き上げるためには
とても勉強になった一冊でした
「体操」と聞くと身体を動かすことから
力を入れる動きだと考えがちですが
野口体操に関しては身体操作の中で
力の出し入れの分別が必ず含まれています
そして本書が強調されているのは
動きの中に身体を感じることの必要性を説かれている点で
我々がイメージする体操の概念とは大きく異なります
なんなら体操でなくても身体を感じることもできるわけで
タイトルにありますように「身体感覚をひらく」というところに本書の肝があります
感覚というものは誰にでもありますが
その感覚のほとんどが身体の外に向けられたものであり
身体の内側に感覚が向くときはお腹がすくとか痛みなど
何らかの不具合があるときに限られるのはフツウです
言い換えれば平常時に身体の内側に意識を向け何かを感じることはありません
大した問題ではなさそうに見えて
私にとっては仕事の上においてとても大事な項目となります
多くの人が必要のないタイミングで出力されています
大きな力ではないがゆえに気づかず何年も何十年も力みっぱなしでは
いずれ疲弊し痛みに変わることも稀ではありません
腰痛館にお越しになる方の大多数は何もしていないのに痛くなった方です
スポーツやトレーニングのしすぎで痛みが出たという人は少数です
ということは前者に方々は痛みの原因が何かを理解されていないわけで
まさかそれがわずかな力みの積み重ねを何十年もなさった結果であることは夢にも思わないのです
こういった現象は内側に向けられた身体感覚の欠如に他なりません
普段、不要な力が入っていることに気づける身体感覚があれば
それは意識の上にあり自らの意思で脱力が可能です
ところが不要な力は無意識が起こしているからこそ
気づくことなく平気で長い年月にわたって続けることができるわけです
だいぶ本書の内容から脱線してしまいましたが
本書に紹介された体操は決して難しいものではありませんが
ただ単に身体を動かすものではなく
身体操作の中から感じる習慣を身につけるためのメソッドだといえそうです
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