肩甲骨の動き
ほぼ全員の方に使う技で「スカピュラー」というのがあります
和訳すればそのまんま「肩甲骨」ということになるのですが
要するに肩甲骨はがしといった方がわかりやすいでしょう
肩甲骨は肋骨に対して直接関節を形成することなく
様々な筋肉が様々な方向に引っ張ることにより
挙上・降下・外転・内転・上方回旋の動きをします
(図:ファンクショナルエクササイズ 川野哲英)
ご存じの方も少ないでしょうけど
腕を真上に上げるときでも
90度の角度で肩甲骨は30℃上方回旋をしています
腕を真上に上げた時(180度)でも肩甲骨は60度動いています
腕を上げるのは肩関節が動いてというのは事実ですが
それを補助するのが肩甲骨の動きということになります
腕を前につきだすときでも肘を後ろに引くときでも
必ず肩甲骨が何らかの動きをしています
ところが現実問題として中年以上の方の多くが
肩甲骨が癒着してしまって動けなくなったり
動きが小さくなってしまっている方が多いわけです
肩甲骨と肋骨に付着する筋肉が固まってしまっているのです
筋肉がこのような現象に陥るときの原因は「不動」です
つまり普段から肩甲骨を大きく動かす習慣がないから
肩甲骨が癒着してしまいます
幸か不幸か最初の段階では痛みがないのです
これが異常に気付かない原因です
例えば毎日ラジオ体操なんかやっていれば
腕が高く上げられないことに気づくこともあるでしょうけど
日常生活の動作で肩甲骨を動かすような大きな動作はほとんどありません
これが長い年数「不動」にしておくポイントとなります
偉そうに言っておいて私がたまに肩甲骨を大きく動かす動作をやってみれば
つりそうになったりすごく疲れたりします
でもそうやって気づけば危機意識を喚起しますが
フツウは肩に激しい痛みを感じた時に初めて危機意識を持たれるんだろうと思います
私が毎日何人もの人に肩甲骨をはがす技を使うと
皆さん気持ちがいいと喜ばれます
癒着して血液もあまり回ってきていないところに
フレッシュな血液が流れこめば気持ちよさという快感で満たされます
ところが何年もかかって癒着した肩甲骨は1回や2回でははがれるはずもありません
無理して力づくでやればケガをするのはミエミエなんで
本人の緊張を見ながら力加減するのはわりと難しい技です
初めてこの技を習ったときは「基本手技」として教わりましたが
20年たった今では基本でありながら難しい技であったりもします
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