筋膜の伸縮
何年か前に筋肉の伸縮の様子が電子顕微鏡で撮影されたのを見ました
習っていた通りアクチンとミオシンというたんぱく質が
滑り込むように中に入り収縮する様子が映し出されていました
「滑走説」という名前で教わりましたが
当時はまだ最有力説ということでした
ところで筋膜が筋肉や筋線維を覆っているということも教わったのですが
筋肉と同じようなものだろうと大して疑問にも感じていませんでした
ところが筋膜はコラーゲンを原料とする組織ですが
コラーゲン線維自体伸張性はないそうなんです
(画像:関節可動域制限 沖田実著)
電子顕微鏡って大したもんですね
筋膜の成り立ちをここまではっきりと写し出すんですからね
シュロのマットか金ダワシのように線維が入り組んでいて
筋肉が伸びるときに引っ張られるわけです
ただむかしはコレがわかったところでムダ知識くらいに思っていたわけなんですが
後にこのような網目の中にコラーゲンが含まれ
組織の滑走性が担保されるのを知ったとき
筋拘縮の考え方が全く変わり
施術内容までが変わってしまいました
こういった知識って初めて知ったときは
ムダ知識でも積み重なってくれば
ひとつの形になり全体のとらえ方が変わることもあるもんです
なぜならば人の身体には何一つ無駄なものはなく
何らかの機能に関係しているからです
ただ知識が乏しいとそれらのつながりも存在理由も見えてくることがないから
単なるムダ知識としてしか見ることができないだけなんでしょう
| 固定リンク
コメント