健康の謎を解く
先日読んだ「首尾一貫感覚で心を強くする」は
アントノフスキー博士の「首尾一貫感覚(以後SOCと表記)」をわかりやすく説明したものですが
深く振り下げてみたかったのでSOCのネタ本である本書を読んでみました
同じ内容のものを2度読むことになる懸念もありましたが
両者は全く違うものでそれぞれが意義のある内容なので
ホッとしたのが正直なところ
本書は学術書でありますがアントノフスキー博士の研究が細かく書かれています
この間の本はいきなりSOCが登場しましたが
そのバックボーンが「健康生成志向と疾病生成志向」という概念があり
SOCはいわばどうすれば健康になれるかという考えに基づいたもので
社会疫学というジャンルの学問になるようです
つまり単なる心理学というのではなく
社会構造やシステムによるストレスから身を守り健康を目指す的な学問と私は認識しました
とにかくSOCがどんなものであるかが書かれているわけなんですが
外因性の出来事が免疫に影響を与えるという具体的な思考に驚いた次第です
正直、もっと抽象的な感じのものだと思っていたのですが
具体的に人の免疫というところに切り込んできて
首尾一貫感覚が免疫つまり人の健康に作用するという発想だったわけです
正直、人の身体はその人の考え方に影響されるのはいつも見ています
本書に登場した精神神経免疫学なるものを調べていると
心身症やプラシーボなど外因性のものが
具体的に身体に影響するのは否定できない事実です
難しいことはわかりませんが
SOCも同じような形で人の健康生成に影響するのは
何となくわかります
SOCが弱い人は不安におびえ自らの心を病み
身体をも病んでいくのは実際に見ています
把握可能感=「だいたいわかった」
処理可能感=「なんとかなる」
有意味感=「どんなことにも意味がある」
これら3つの感覚がSOCの基礎になりますが
今のコロナウィルスの問題にしても
その正体やいつ収束するかや罹患したらどうなるかというのがきちんと把握できておらず
自分自身でどう処理していいかもわからず
この問題に意味を感じることができないからこそ
世界中いたるところでパニックになってしまっている人も少なくありません
SOCを当てはめてみれば少なくとも心理状況は理解できそうです
偶然このタイミングで出会った本ですが
心を落ち着け何をすべきかを考えてみることにします
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