「首尾一貫感覚」で心を強くする
筆者はストレス・マネジメント研究者という肩書
カウンセリングでストレスや不安に悩むクライアントを導かれるお仕事のようです
読んでみて第一に思ったのはタイムリー過ぎるということ
今や世界中でコロナウィルスの話題ばかりが行きかいます
もちろん実際に罹患した人は大変なんですが
そうでない人が不安になってしまい
心を病むようなご時世にこの本はぴったりだと思いました
本書の中心的話題はアントノフスキー博士が提唱された「首尾一貫感覚」
把握可能感=「だいたいわかった」
処理可能感=「なんとかなる」
有意味感=「どんなことにも意味がある」
これら3つの感覚を養うことで必要以上の不安にさいなまれることがなくなるそうです
「首尾一貫感覚」の詳しいことはググればそこそこわかりやすい説明もありますんで
そちらをご覧になってください
本書の優れているところはアントノフスキー博士の理論をなぞるだけの内容ではなく
さらに様々な研究と融合することで首尾一貫感覚を奥行きの深いものにするだけではなく
より具体性を持たせたところに筆者の知識量と実践で培った知恵を感じずにはいられません
今回のコロナウィルスの問題に関しては
分からないことが多いことで不安が増幅し
どうすればいいのかがわからない方が多く
不要な問題を生じさせたり軋轢を生んでいるような感じがします
もし多くの人が首尾一貫感覚を理解し身につければ
もう少し冷静に対処できるような気がします
たとえ話に水戸黄門が登場したりドラえもんののび太の分析があったりします
このあたりの筆者のセンスは堅苦しい研究本とは一線を画したものになっています
人の心がわかる筆者だからできる心配りだと思いました
私としてはもう少し掘り下げてみたいのでアントノフスキー博士の本も注文しました
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