うつと身体
筆者はフロイトの孫弟子にあたるそうで
精神科医で「バイオエナジェティックス」というセラピーを確立されたそうです
ネットでこんな図を見つけ詳しく知りたいと思い本書を購入
だって筋緊張の部位で原因となる感情がわかるんなら
仕事上で使い道があるんじゃないかと想像するじゃないですか
結論から言えばこの図に対する詳細なる説明はなし
ただフロイトの流れをくむ性的一元論が根底にあることは感じました
世間一般ではフロイトは今も有名ではありますが
今の精神医学においてフロイトがあまり評価されていないその原因が
すべての心理的要素を性的なものから生まれるという発想はあまり支持されていないようです
そういう要素が全くないわけではないでしょうが
逆にそれがすべてではないと感じます
例えば東洋には臍下丹田という概念がありますが
性的一元論に照らせば下腹部はわいせつな感情にかかわってくることになります
まあ、それも正しい一面ではありますが
全てそう決めつけられると具合の悪いこともあるでしょう
筆者自身はフロイトとは違い信仰というものを大事にします
信仰に対する解説は納得のいくことが多かったです
ただ筆者にしてもフロイトにしても自己が持つ価値観に
全ての人を当てはめようとすることに無理があるように思います
科学には主観的要素やスピリチュアルな部分は排除されるけど
現実問題として人の心理を扱う上で適切な取り組みとは言えないと筆者は主張しますが
それに関しては全く同意見です
客観的要素はとても大切なことに異論はありませんが
それが主観的要素を切り捨てる理由とはなりえないんじゃないでしょうか?
本当の理由は主観的要素を混ぜ合わせると単純化できないから
普遍性が見いだせないという科学者先生の主観的な理由が原因かもしれません
一番の目的はダメでしたが
読んでいてのめりこめる面白い本でした
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