無気力の心理学
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まったくの偶然なんですが
ここのところ立て続けにどうしたら成功するかというようなテーマの本ばかり読んでいます
中にはこうやったら成功しないという反面教師的な作品もありましたが
本書は無気力がタイトルについてはいますが
中身はどうすればやる気を起こさせることができるかという趣旨です
「やる気」こそが成功の原動力であり
成功する人の心理状態だと思います
実に学術的にどういう環境で無力感が生まれ
どうすれば効力感が養われるかの研究がまとめられたものです
乳児を育てる際に効力感が芽生える方法なども覚えておきたいものです
乳幼児期においては、この自主性の感覚の有無は、効力感を支える要素として、さほど問題ではない。彼らは自分の好むことには熱中する。だが意にそまないこと、いやなことに対してはテコでも動かない面がある。
という記述がありましたが
これってまんま私のことじゃないですか!
この年になって自分の幼児性をあらわにされてしまいました
「熟達」も効力感が生まれる大きなポイントだと指摘します
ここでも熟達に必要な段階がいくつかあるとの見解を述べられていますが
世阿弥がいうところの「初心忘るべからず」の3つの初心に通ずるところがあります
他にも事細かに無力感を出すことなく効力感を生みだせる環境が記されていますが
そもそも私がこの本を読んでみたいと思ったのは
私の仕事において無力感を持ったクライアントの難しさを感じているからです
「どうせ治らないだろう」と思っている人は
同じことをしても身体に拒絶するようなメカニズムが働き
通常ではありえないほど施術の効果はでません
逆に効力感を持っている人は「いつか治る」と信じて施術を受け
自分でも必要な努力をしてくださるので
こちらが思っていたよりも施術後の結果がよくなるのを
イヤというほど経験しています
人の身体もまたその人の人生と同じく気持ち一つで大きく変わることがあります
この本を読んでみて改めて心と身体が不可分一体のものであることを感じました
投稿者 ひろ 時刻 05:00 書籍・雑誌 | 固定リンク
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