代償動作
だんだん年を取っていくと腕が上がりづらくなります
そのまま五十肩になってしまう人もけっこういらっしゃるでしょう
ところが当の本人は腕が上がりづらくなっていることに気づかず
痛みが出だして初めてその状態に気づくことがあります
実際の生活において腕をいっぱいいっぱい上げるような動作もなく
高いところの物を取るときでもそんなに思いっきり腕を上げる必要はありません
私が「腕が耳につくまで上がりますか?」と聞いてみたら
腕を上げて足りない分は耳を腕に近づける方もいます
こういうのを代償動作と呼びますが
腕が上がらない場合目的を果たすために
首を曲げ耳を近づけることで目的を達成させようとします
この場合本人は首を曲げているという認識がないため
腕だけを動かしているつもりになっています
いつも右手を上げて次に左手を上げて
最後に両手を上げてもらうと当然耳につかないわけですから
アレ?ってなってしまいます
腕を高く上げるだけのときは上がらない分だけ
身体を側屈させて肩の角度を変えてしまうのがフツウです
私にとってこういった代償動作は関節可動域減少のヒントになります
どこかが動かないときの代わりとして動くわけですから
そこからどの部位に問題があるかを割り出すのはさほど難しい作業ではありません
高齢者によくみられるのは腸腰筋が筋力低下している場合
股関節の屈曲を大腿直筋に頼ってしまうケースもあります
こういったときは腸腰筋が委縮しているので
腰痛を発症こともよくあります
歩き方を見ていても膝を上げる力が低下しているので
歩幅も狭く見るからに不安定そうな歩き方になりますので
来院されて1~2歩歩かれただけでだいたい読めてしまいます
変な動きをされるときはたいてい代償運動がありますので
そういった動きを見逃さないことが大切です
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