つまづきは腰痛の前触れ
高齢者になるとよくつまづいたりするというお話を聞きます
多くの方はそそっかしいからという思い違いをなさっておられるようですが
私にとってつまづきは腰痛の前触れという感じで見ております
そもそもつまづくというのは段差があり
眼で確認すると無意識のうちに
脳が段差を避けるために段差の高さ以上に足を上げようと命令を下します
例えば10㎝の段差を確認したら脳は12㎝なり13㎝なり
足を上げて段差を回避します
こんなことを考えることなく無意識にこなしてしまうのは脳のスゴイところですが
肝心の命令を受けた筋肉が足を上げる能力が低下してしまい
12㎝上げないといけないところを
9㎝しか上げることしかできないと
足は段差に引っ掛かりつまづくわけです
(画像:動きの解剖学Ⅰ)
足を上げるための筋肉も何種類かあるのですが
メインで働くのは腸腰筋です
その中でも図に示した大腰筋は強い力で足を持ち上げてくれるのですが
老化とともに弱体化してしまうと
筋肉そのものも委縮してしまいその力も減少します
そういうときに12㎝足を上げたつもりでも
実際には9㎝しか上がらないという現象になります
ここで問題なのは大腰筋が筋拘縮を起こして委縮すると
付着している腰椎の間も狭くなってしまうのです
次第に腰椎同士が圧迫を受けているうちに
神経圧迫を起こすこともありますし
ヘルニアになってしまうこともあり
様々な種類の腰痛の引き金になりかねないという点です
だから私はよくつまづくようになるといずれ腰痛になるだろうと予測するのです
軽い腰痛ならまだかわいい方ですが
近年話題になっているのは転倒死です
つまり転んで死ぬ人が増加しているということ
その数は交通事故死をはるかに上回っているのが現実です
現実的に小学生が走っていて転んでなくなるなんて想像もできません
つまり転倒死のほとんどが高齢者
だからつまづいてこけるのは命にかかわることも少なくないということです
だからうっかりつまづいてというのも
もうちょっとしっかり考えた方がいいと思います
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