腰痛探検家
どうもむかしから人が食べてるものが食べたくて
人が読んでいる本は読みたくなる習性があります
人様のブックレビューを見て何が何でも読みたくなりました
筆者は辺境作家
世界の辺境地を探検してノンフィクションの作品を書かれている作家なんだそうです
この本の面白いところは腰痛を「世界」としてとらえ
辺境地をさまよう体で書かれているところなんでしょう
単なる腰痛の体験記の生々しさは感じられず
ドラマ仕立てのような作品になっているので
ドキュメンタリーではありますが小説っぽいところが魅力です
医師・柔整師・鍼灸師・整体師・理学療法士など
ありとあらゆる専門家が登場しますが
本書のミソは皆それぞれ言うことが違うところにあります
一般の方は驚かれることかもしれませんが
私にとってこういうことは当たり前のように感じてしまいます
腰痛の85%が非特異性腰痛といって原因不明なんですが
元々不明であることをそれぞれの考えで説明するわけですから
意見が分かれるのも自然な話です
皆さんが迷われるのはそれぞれの専門家が自分の考えに自信をもってやっているところにあるのかもしれません
私も含めて多くの専門家は自分の考えが正しいと思っているわけですから
素人さんがそれを見抜くことは容易ではないはずです
行くとこ行くとこで自信たっぷりに説明され
腰痛が治るものと期待し通ったが治らない
それの繰り返しがこのドラマの見どころなわけです
私自身もそれなりに自信をもって仕事をしていますが
決して100%治せるわけではありません
いけるだろうと確信しながら施術して
結果が出ないということも時にはありますので
本人さんも落胆されるし私だって落胆します
だから筆者のようにいろんな治療院を転々とされる方が
どんな気持ちになられるかもよくわかります
私自身も元々は腰痛患者として病院・整骨院・鍼灸院・整体院と一通り周りましたが
どれもこれも大した効果がなく
結局運動するうちに自然に腰痛が治りましたから
水泳で腰痛を克服された筆者と同じような経験をしたわけです
読み物として両者の立場からそれぞれ感じるところがありました
病院に行ってもそれぞれ言うことが違う
それ以外の治療院でも全く説明が違う
それで治らないとくれば不信感が募るばかりです
身につまされることが多すぎたので一気に読むことができました
どんな御大層な理屈をいっても
結果を出さなければお話にならない
あらためてそう感じました
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