実践 ヨーガ療法
ずっと前から読んでみたかった本です
木村慧心氏といえばヨガに詳しい人なら一度は聞いたことのある方ではないでしょうか?
ヨガをやっている人のほとんどがスポーツジムでのエクササイズのようなものが多い中
昔ながらの本当のヨガを指導されている方です
私の知人にも数名レッスンを受けに行った人がいますが
アーサナ(ヨガのポーズ)よりも哲学的なことを中心に
本物の修業をさせられるそうです
筆者の本を何冊か読みましたが
恐ろしく頭を使う内容で人類の智慧ともいうべき
奥深い内容でした
前置きはさておき
そんな筆者が書かれたヨガによる心身の改善ともいえるヨーガ療法
興味がないわけがありません
読んでみると他の本と同様にやはりヨガの哲学的なことから始まります
哲学というのかインドに伝わる古い教典の解説までありますから
苦手な方はその時点でギブアップかもしれません
手軽に健康になるために読むのなら本書は不向きかもしれません
むしろ根底に流れるものをしっかりと踏まえたうえで各論に進まないと
筆者の意図は理解できないかもしれません
Amazonのブックレビューで「ものすごい頻度で『認定ヨーガ療法士の指導に従って行うこと』という文言がでてくる」
という指摘がありましたがそれはおっしゃる通りでしょう
でもヨガの危険性も明記してあることや
生半可な修行ではとんでもないことになることを見てこられた筆者だから
あえてこのようなセリフが何度も出てくるのだろうと推察します
あまり思い出したくないことではありますが
20数年前筆者の弟弟子にあたる人が日本中を震撼させた事件を起こし
死刑になったことは忘れたくても忘れられません
誤ったヨガの修業が人を狂わし
多くの人の人生を狂わしたわけですから
軽く見るわけにはいきません
肝心のヨーガ療法の実習ですが
意外なほど基本的なものが多くほとんど経験済みの項目ばかり
逆に言えば基本の重要さを改めて知った形です
やはりヨーガ療法というからには実際の症例は不可欠
パーキンソン病や子宮内膜症、高血圧症、不眠症など
それぞれの症例に応じた療法が紹介されていました
もちろん薄いこの本一冊では症例と療法との因果関係は分かるはずもなく
漠然とヨーガ療法の良さが伝わってくるにとどまります
当然そのレベルの知恵を習得するには本一冊くらい読んだだけでは足りるはずもなく
筆者のもとで厳しい修行をしないといけないのは理解できます
実はヨーガ療法の講義用テキストを拝見したこともありますが
私らのレベルでは到底習得できないほどの難しさでした
だから本書はあくまでも興味を持つ人に向けたパンフレット程度だといえるでしょう
筆者は今ではヨーガ療法に力を入れて活動されていると漏れ伺いましたが
ちょっとばかりヨガをかじった程度の私でも
その奥行きの深いことだけはなんとなくわかりました
| 固定リンク
コメント