腸脛靭帯
(画像:動きの解剖学Ⅰ)
わかりづらいかもしれませんが
右側の骨盤を横から見た図です
骨盤の上の代替筋膜から膝を超えて脛骨の外側顆に付着するのが腸脛靭帯です
腸脛靭帯を検索するとたいてい上位に出てくるのは腸脛靭帯炎の話題
腸脛靭帯炎といえば別名ランナー膝と呼ばれ
膝下の外側に起こる炎症をいい
マラソンランナーが長距離を走ることで
オーバーユースが原因となる症状です
もちろん今まで運動選手の腸脛靭帯炎も扱ったことがありますが
意外と多いのは運動に無縁な方が腸脛靭帯全体に痛みを訴えるケース
真逆なシュチエーションではありますが私はこれらの現象には共通点があると考えています
運動選手はハードな練習をこなしたり
マラソンで長距離を走ることで腸脛靭帯に付着する筋肉が疲れてしまい
筋拘縮を起こすことで腸脛靭帯が引っ張られ痛みが出ます
逆に運動不足の高齢者は普段から運動をしないため筋肉はやせ細り委縮します
このような状態が長く続けば本来はさほど負担にならないはずの
歩いたり立っているという簡単な運動でも
筋肉自体のキャパが低下することで本人にとってオーバーユースの状態になります
運動選手のそれよりなお悪いのは普段あまり動かさないから
腸脛靭帯と周辺組織の滑走性が損なわれ
癒着したような状態になっている人もいるため
腸脛靭帯炎が膝下の付着部に痛みが走りますが
加齢や運動不足による場合は腸脛靭帯全体に痛みが走る傾向があります
大腿部の外側を触るだけでも激しい痛みを感じる人もいます
運動はやりすぎてもやらなさ過ぎても身体に異変をもたらすということなんでしょうね
腸脛靭帯に付着する筋肉は大殿筋と大腿筋膜張筋になりますが
基本的にこれらの筋肉を弛緩すれば痛みは消失・軽減します
ところが触れただけでも痛いというケースもありますので
ひと筋縄ではいかないというのが実際のところ
さらにこれらの筋肉を弛緩しても腸脛靭帯自体の癒着が激しい場合
癒着自体が痛みを誘発している場合も結構ありますので
そういった作業も忘れてはいけません
そして厄介なのが腸脛靭帯が緊張すると腸骨が後下方に引っ張られる形になりますので
俗にいうところの骨盤がずれた状態を引き起こしがちですので
腰痛との関連付けも併せて見ていかないといけません
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