腰痛と声
ちょうど20年前、私が最悪の腰痛に見舞われたとき
立てなくなって寝込んでいると最後には
呼吸がしづらくなって声が出なくなりました
(画像:動きの解剖学Ⅰ)
この図は横隔膜の図ですが
横隔膜は一番下の肋骨や胸椎12番に付着し
胸と腹を分ける境界となっています
ご存じの方も多いでしょうが横隔膜は呼吸筋であり
特に腹式呼吸をするときにはダイナミックに動きます
実は腰痛の直接の原因となる大腰筋とは胸椎12番で接触します
筋肉はそれぞれ独立したものではありますが
筋膜を介して連続性があり、大腰筋が緊張したとき
連鎖的に横隔膜は緊張してしまいます
ご本人にはそういった認識はありませんが
身体を触ってみるとこういった緊張の連鎖は
全身を貫くように続くケースが多いのです
もちろん緊張の度合いは状況によって変わりますが
時として大腰筋の激しい緊張は息がしづらくなるほど横隔膜に緊張をもたらすこともあります
ずいぶん昔の話ですがアナウンサーの方がひどい腰痛で来られたことがありましたが
アナウンサーらしからぬ細々とした声で聴きとりにくいほど
声を聞いただけで身体の中で何が起きているのかが察知できました
かつて私がやったのと同じパターンです
施術して大腰筋が弛緩し横隔膜まで柔らかくなってきたころには
声の質が全然変わっていきプロらしい声に戻ってきました
この声で治ってきているのが十分伝わってきました
腰痛は腰だけではなく様々なところに影響を与えるということですね
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