老化の原点をさぐる
1988年の本ですから今とは学説も違うでしょうね
でも「老化」についてすごく興味を持ったので読みました
私が生まれたころは平均寿命もようやく70歳を超えたばかりでした
それが今では84歳まで伸びて
私らの世代では100歳を超えるというから驚きです
老化に関しては還暦も近づいてきたので
いろいろな点で明確な老化を感じている反面
気づくことなく老化している部分も必ずあるでしょう
でもそれは身体感覚でのお話しで
具体的な事象に関してはほとんど知らないのが正直なところ
細胞や遺伝子レベルでは無知なわけでして
死ぬまでにちょっとくらいかじっておいてもいいかなというのがこの本を読む理由です
本書のメインはなんといっても「老化」に関する学説の比較検討
それでも30年前でも限りなく学説があるそうで
今ならもっと増えているんじゃないでしょうか?
客観的な各学説の説明と問題点は非常にわかりやすいです
学生時代からこういう進め方に慣れているせいか
難しい内容のわりに頭に入ってきやすい書き方で助かりました
それでも結局のところ老化に対する考え方については結論が出ていないようで
おそらく今の時代でもわからないことが多いのではと推測しています
活性酸素に対する記述も興味深く
細胞を老化させる一面だけではなく癌を殺したり
免疫機能に寄与する一面にも論及されています
日本だけではなく全世界で寿命が伸びています
世界でいうと72歳が去年の平均寿命だそうですが
ここ数年で5歳ほど伸びたそうです
めでたいことだと喜ぶべきなのかな?
そんな疑問を持った一節をご紹介します
「長生きしてその間にできるだけ多くの子孫を作ればそれだけ自然淘汰の上では優位に立てたであろう。さらに長寿を保証する遺伝子は、もともと限りなくはかなく滅びやすい個体に、老化や死に対する抵抗機構を付与するもので、その進化が必然的に長命に通じるものとすれば理解できるであろう。」
う~ん 人類ヤバイかも?
| 固定リンク
« 筋肉の張り | トップページ | レンジで焼きナス »
コメント