骨粗鬆症と腰痛
私がこの世界に入ってきた20年ほど前のころ
骨粗鬆症がテレビや雑誌などで話題になってました
たぶんそのころからカルシウムのサプリメントの宣伝が流れていたのを記憶しています
ワイドショーなんかでもインパクトのある番組が多く
ご高齢の方は骨密度を測定に行かれたものです
腰痛館をオープンさせてからも
ご高齢の方が腰痛でお越しになられたものですが
「骨粗鬆症だから腰痛になった」
と主張する方が少なくありませんでした
マスコミが声高に骨粗鬆症の怖さを強調するあまり
レアケースが一般的な骨粗鬆症だと信じ込む方が多かったようです
テレビで司会者が恐怖心をあおるもんだから
骨密度が下がると腰痛になるとお考えになったんでしょうね
骨粗鬆症は骨密度が下がるわけですから
一番怖いのは骨折のはずです
逆に言えば骨折さえしなければ痛みが出ないと考えるのが普通です
ちょうどそのころ私の母親が圧迫骨折をして
腰が痛いと言い出しました
骨折したら痛くなるのはフツウのことですが
逆に骨折するまでは骨粗鬆症であったにもかかわらず痛くなかったわけです
ただ現実問題として骨粗鬆症だと言われるご高齢の方は
骨密度だけではなく筋力も低下している人がほとんどで
いわゆるロコモティブシンドローム(運動器症候群)になって
その関連で腰痛になっているのでしょう
高齢になって腰が曲がってくると
脊柱起立筋など背中の筋肉は引き伸ばされた状態になり
血の巡りが悪くなることが原因で
筋肉の内圧が高くなって脊柱を圧迫する形になると考えられています
これこそがそういった方々の腰痛の原因でもあり
脊柱に対する圧迫の強さがひどいと圧迫骨折も招くというところでしょう
だからカルシウムの摂取を積極的に行った方が
腰痛が治まったのかといえばそういう例は記憶にありません
逆に高齢者向けの体操教室などに通われ
筋肉の状態がよくなった方の方が回復傾向にあったと思います
骨粗鬆症を軽く見てはいけませんが
過剰な思い込みは回復するための対処法を見誤ることもあります
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