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2019/03/27

脊柱起立筋

Photo
(画像:筋肉のしくみ・はたらき辞典)

 

私がこの世界に入って一番最初に覚えたのは脊柱起立筋でした
厳密にいえばカリキュラムでは他の筋肉を教わったでしょうが
私の師匠が毎日のように脊柱起立筋の重要性を連呼していたので
脳裡に刻み込まれたというのが本当のところ
脊柱起立筋を弛緩させることが腰痛克服の最も大事なことと教わりました

 

あれから20年近く過ぎ様々な人が様々な研究を重ねるうちに
脊柱起立筋以外の筋肉にもスポットが当たるようになりましたが
それでもなお脊柱起立筋がさほど重要ではなくなったのかといえばそうではありません

 

脊柱起立筋とは腸肋筋・最長筋・棘筋の3つから成り立つ筋群で
背骨の左右に走行します
主な作用は体幹の伸展で片方だけ作用した場合側屈したり回旋することもあります

 

筋肉のことを覚えるとき起始・停止や作用、支配神経を覚えていくのですが
実は筋肉には裏メニューみたいな役割があったりします
筋肉には動くことがメインの相動筋と
姿勢維持が主な任務とする姿勢筋というカテゴライズがあります
この分類でいうと脊柱起立筋は姿勢筋の仲間となります

 

姿勢筋は比較的じっとしている中で体幹を支えているのですが
仕事は長時間労働になりますから
持久力のある赤筋タイプということになります
瞬発力に長けた白筋は持久力がないので
姿勢をキープするにはあまり向かないようです

 

起きて活動している間ずっと働く脊柱起立筋ではありますが
年齢とともに衰えたり運動不足で弱体化してくると
姿勢を維持できなくなります

 

実際に触ってみれば腰痛の人は腰の最長筋や腸肋筋が固まっています
だから私の師匠が毎日のように脊柱起立筋を弛緩することに執念を燃やしていたのは当然のことかもしれません
考えてみれば古来からマッサージで背中を触るのは脊柱起立筋が中心になりますし
鍼灸でも背部の主な経絡は脊柱起立筋のところにあります
腰最長筋の弱体化が腰椎にストレスをかける原因として注目されています

 

ずっとこの仕事をやっているうちに新しい研究や考え方にもずいぶん触れてきましたが
腰痛に対するアプローチの重要部分を担うのはやっぱり脊柱起立筋だと思います

 

 

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