モニタリング
もう十数年前のことですがアメリカで結婚した親戚がお正月に帰省していました
久々に会ったときにアメリカ人のご主人が施術を受けたいと頼まれやってみました
そのとき戸惑ったのはいつも触っている日本人の骨格と微妙に違うこと
人種の違いがあれども骨格は同じはずだったんですが
だいたいここらにあると思って触るとそこに描いていた骨がなかったりして
身体を触りながら迷子になっているような違和感を覚えました
後から考えてみると骨格模型でも
白人の骨格をモチーフにしたものが多いので
ヘルニアつきの模型は決まって腰椎の3番あたりにヘルニアがありました
でも日本人がヘルニアを発症するのはだいたい4番か5番です
つまり日本人と欧米人とではもっとも負荷がかかる部分が違うってことになります
そうやって実際にアメリカ人の身体を触ってみると
毎日日本人の身体を触っている私には少しずつズレがあったわけです
とりわけカウンターストレインのような技法を使うとちょっとした角度に違いで効果の有無が変わってきます
私が習ったとき身体操作の角度なんかを細かく指導され
決まった形を何度も練習して身に着けたものです
ところが骨格のタイプが変わればそれが通用しないことを痛感しました
本などに書かれてある技法の解説はだいたいアメリカ発のもの
ということはそれを鵜呑みにしても日本では使えない場合があるんだろと考えました
場合によっては同じ日本人でもそれぞれの人に微妙な違いがあっても不思議ではないわけです
そうだとしたら精度の高い技を得るためには必ずモニタリングをしながらやらないといけないことを知りました
カウンターストレインの場合圧痛点をモニタリングするというのがあったのですが
私自身それまでは角度重視でモニタリングをほとんどしていませんでした
実は今でも圧痛点はモニタリングしていません
圧痛点自体に疑問があったからです
それは今でも変わっていません
でも技をかける対象となる筋肉の弛緩具合
あるいは痛みの消失などをチェックしながらやっています
人間の身体はまさに十人十色
決まりきった定型的な施術では精度の高い技は繰り出せないと思っています
施術するとき正確にその人を見るというのは基本中の基本です
でも具体的にどうやってそれを実現するかを学んだ出来事でした
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