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2018/12/04

臨機応変

若いころ一時期「臨機応変」という言葉を言われるのを嫌いました
会社に入って新入社員のころ右も左もわからない新人に対し
仕事のやり方やコツみたいなものを聞こうとすると
決まって「臨機応変にやれ」という答えが返ってきました

上司や先輩は新入社員がアッと驚くようなスキルで仕事をこなしていきます
そういうやり方を伝授してほしかったんですが
具体的な方法論については教えてもらったことがありません
それでいて失敗するとすごく怒られました
怒るくらいならやり方をちゃんと教えてくれよと思ったものです

ベテランの皆さんのスキルをマニュアル化したら
すごい業績も伸びるだろうと考えたものですが
結局そういう発想をしていたのは私だけだったようです

それでも年数はいやおうなしにたち
多くの失敗を繰り返し罵倒されているうちに
いつの間にかベテランと呼ばれる立場になってました

その年月の中で私なりのやり方を次第に身に着けました
部下が何人かできたとき
彼らは私のやり方を真似ようとしました
ところが笑えるほど失敗するわけです

私のスキルにはその時の状況判断があって
選択的に使い分けていたのですが
のべつ幕なしに人の真似をしてもそうそう上手くいくはずがありません
そのころから「臨機応変」という言葉の意味を再び考え出したのです
きっと若い人たちに私のノウハウを教えても
消化しきれずかえって混乱するだけだろうと感じました

人真似をして失敗して、次にどうして失敗したのか考えないと
同じことを繰り返すだけだろうと思います
同じ失敗を繰り返してもそのうちいつか
失敗した要素とその次にやるべきことが浮かんでくればそれでいいと思いました
小賢しい小手先の知識がたいして役に立つはずもありません

部下に聞かれたらやっぱり私も「臨機応変」というようになってました
臨機応変の大切さをもっと感じるようになったのは今の仕事に就いてからです
教えてもらった通りにやって最初から上手くいった試しがありません

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