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2018/10/26

肩甲骨を動かす

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最近興味を持っているのが肩甲骨の動き
肩甲骨といえば肩甲上腕関節が我々の仕事でも
もっとも痛みが発生しやすい部位の一つ

肩甲上腕関節っていってもお判りになる方は少ないでしょうが
肩の関節といえばご理解いただけるはずです
俗にいう五十肩なんかはこのお話しの代表格だと言えます

五十肩における問題点やアプローチの方法は様々ですが
五十肩に至るプロセスにおいて肩甲骨の動きがかかわっているんじゃないかと最近考えるようになりました
肩甲骨自体は肋骨と関節しているわけではなく
様々な方向から筋肉が引っ張り合い宙に浮いたようなポジショニングになっています
肩甲骨は上腕骨と肩関節(肩甲上腕関節)を作り
前方では鎖骨と肩鎖関節を形成します

実は肩甲骨の動きが気になりだしたのはスポーツの動きからなんですが
例えば空手の正拳突きやボクシングのパンチなんかは
肩甲骨のダイナミックな動きがあってこそ威力が出ます
比べてみたらよくわかりますが
初心者のパンチは肩甲骨が上手く使えていないのに対し
上級者だと肩甲骨がしっかりと動いているから
速さと威力が断然違います

野球でもイチロー選手のバッティングでは肩甲骨をヒョイと伸ばして
数センチ分だけバットが届くというまさに奥の手を使います
以前テレビでイチローのトレーニング風景を放映してましたが
肩甲骨を動かすためのトレーニング器具まで自宅にあるそうですから
ちゃんと勉強されて意識的にそういう動きを身に着けておられるわけです

肩甲骨は腕を動かうときに一番根本の部分になるのですが
日常生活では肩甲骨まで動かすような動きはあまりなく
肩を上げて肘の曲げ伸ばしくらいでもそこそこ困ることがありません

要するに普通の生活では肩甲骨を大きく動かすことなんてないわけです
スポーツ選手でさえしっかりと肩甲骨を動かせない人が多いのに
ましてや日常生活ではさらに横着な動きでも十分暮らしていけることになります

筋肉や関節は動かさないと可動域や筋力は落ちていき
最後には筋拘縮・萎縮・癒着と関節が動かそうと思っても動けない状態に陥ります
普段仕事で多くの人の肩甲骨を触りますが
ある程度の年齢になれば肩甲骨の充分な動きが当たり前のようにできなくなり
しまいには肩甲骨が肋骨と癒着した状態になり肩甲骨の動きはほとんどできなくなります

そうなると今度は腕の動きにおいてそれ以外のところに負担をかけるようになります
それが何年、何十年と続けば五十肩や肘の痛み手首の痛みと先端部分に出るんだろうと考えるようになりました

それで最近施術の中に肩甲骨から手首に至るまで
本来の動きを誘導することでこれらの痛みを軽減する方法を試しています
もちろん行き着くところまで行けば結果においてさらに大きな問題が発生しているケースがほとんどなので
それだけですべての問題が解決することはありませんが
私がやっていた従来の手順の中に肩甲骨から前腕部までの動きを上手く誘導する方法を組み入れました

今のところプラスアルファという感じで成果は上がってはいますが
まだもう少し改善して精度を上げていけば
使える技になるかもしれません

それにしてもやっぱり身体は大きく動かさないといけない
当たり前のことではあるんですが
それが何十年も続けば大きな問題になっていくことを感じる今日この頃です

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