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2018/09/07

腸脛靭帯炎

25年くらい前、まだサラリーマンだったころ
そこそこの立場になってきて会社からゴルフをするように命じられました
社長に「やらんかったらワシにも考えがあるで…」
今だったら十分なパワハラ認定を受けるところでしょうが
時代も時代、ワンマン経営の会社において
社長命令を拒否することは居場所をなくすのと同義
それでも「ゴルフクラブをください」とちゃっかりおねだりして
中古のクラブセットをせしめた私も煮ても焼いても食えないタイプ

意気揚々とコースデビューを果たしたはいいのですが
力もないくせに力任せに振り回し150オーバーのスコアをたたき出した私でした
5番7番8番三本のアイアンをもってコースの右に左に全力疾走
社会人になってこんなに走り回ったのは初めて

後半になると膝の外側が痛み出します
最後はクラブを杖代わりに歩く始末
以来スコアがもう少し縮むまで毎回痛む膝を引きずってコースを周ってました

Img086

骨盤(寛骨)に付着する大臀筋と大腿筋膜張筋は
腸脛靭帯を両サイドから挟むようにして付着(停止)します
その腸脛靭帯は膝下の外側までついています

私が毎回痛かった膝の外側の部分です
当時は身体のことなんて全く知りませんでしたのでわけがわかりませんでしたが
今の仕事に就いて自分を苦しめた痛みが腸脛靭帯炎であることを知りました
その別名を「ランナー膝」ともいいますが
いったい私はゴルフ場でどれだけ走り回ったかというお話し

今さらながらに納得して苦笑いするのですが
痛いのは膝のあたりになるのですが
腸脛靭帯が上方に向かって引っ張られたのが炎症の原因ということです
走りすぎて大腿筋膜張筋や大臀筋が疲弊し筋拘縮を起こしたのが本当の原因といっていいでしょう

この腸脛靭帯炎はスポーツのしすぎが原因と言われてはいますが
逆に運動不足で大臀筋や大腿筋膜張筋が弱体化し委縮した場合にも多く見られます
私としてはそちらのケースの方が多く扱っていますし
とても厄介な状態として捉えています

運動のし過ぎなら休めばそのうちに治まるでしょうが
運動不足・老化で弱体化した場合
安静にしていても弱体化が進むだけ
ある程度痛みを軽減させたのちウォーキングなど
これらの筋肉を使って活性化しないときれいさっぱりによくなることはありません
またいつか同じ痛みを訴えて来院されるのが予想されます

そしてこういうケースでは大臀筋と大腿筋膜張筋のみならず
周辺筋肉が同じように弱体化するのが一般的
だから結局全体にアプローチかけないといけなくなります
それと腸脛靭帯が長期間緊張していると癒着している場合も少なくないので
腸脛靭帯自体の滑走性を取り戻す必要があります
とりわけ大転子付近は要注意です

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