関節唇
年とともに股関節が固くなり柔軟性を失うのはよくある話です
しかし関節の構造上本来は股関節可動域は広いです
腸骨・座骨・恥骨の3つの骨で成り立つ寛骨には
寛骨臼というお椀のようなくぼみがあり
そのくぼみに球状の大腿骨頭がおさまり股関節を形成します
このように骨だけを見ているとグルグルと股関節が動くのも納得がいきます
しかし反面動きやすいということは外れやすいという難点もあるわけで
そんなにしょっちゅう股関節が外れたらたまったもんではありません
そので靭帯がグルグル巻きしてさらにその上に筋肉が付着し
駆動力となるとともに関節の安定性を図ります
念には念を入れてということで
股関節や肩関節には骨の上から蓋をするような形で
関節唇というのもが大腿骨や上腕骨をホールドします
大きく動き大きな力がかかるこれらの関節には
安定性を生み出す複数のシステムがあり
安定するからこそ大きな力をかけて大きな動きが可能になります
股関節の構造はざっとこんなところですが
私自身の話で恐縮ですが
ここひと月以上股関節に痛みが走ります
仕事や日常生活には何の支障もないのですが
自転車から降りようとするときだけ激しい痛みがあります
当初は複数の筋肉に炎症が認められ
安静にしてたらそのうちに治るだろうと思ってたら全く変わらず
炎症は納まったものの筋拘縮があることがわかりました
本来関節の安定性を図るはずの筋肉も固まってしまっては
逆に本来あるべき状態ではない位置関係で関節を固めてしまいます
難しい言い方をするとマルアライメントといいますが
関節自体ずれてしまうような現象です
今度はこれではいかんと思い
ストレッチをしたり自己治療をしたり
他所の整体で事情を話して気になる部分を改善してもらったんですが
それでも痛みは治まりません
ということは筋肉の問題ではないという結論になるのですが
そうなるといくつかの可能性が考えられます
たまにレントゲンで診てもらったら骨にひびが入っていたというケースもありましたし
関節唇の損傷とも考えられます
いずれにしてもこの可能性を探るには手技療法の守備範囲ではないと考え
レントゲン撮影をしてもらったらあっさりと関節唇の炎症が判明
関節唇の損傷の場合、日常生活に問題がでるほどの重症なんで
それはないだろうと考えていたんですが
そんなたいそうなレベルの話でもなく
関節唇のさきっちょが白く写る程度の軽微なもの
担当の医師に股関節の可動域もチェックしてもらい
フツウの人よりも可動域が広いとお墨付きをいただき
薬さえ必要ありませんと微笑みを投げかけられ
大騒ぎした割に大したことがなかったので拍子抜け
まあ、しばらくの間ムチャはせず軽い運動程度で
様子を見ていればよさそうです
それにしても股関節は膝関節や足関節同様体重がかかるので
治るのに時間がかかるというギョーカイでは常識の事実を
実体験してしまったわけです
実体験は百の知識よりも大事だというお話しでした
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