流れをつかむ技術
筆者は「雀鬼」と呼ばれる麻雀の達人
いわば勝負事のプロ
しかも20年間無敗を誇るというのですから驚きです
筆者をモデルにした小説や映画もあるそうです
50年以上負け続けている私としては何とかおこぼれに預かろうとしたわけです
肝心の麻雀を全く知らないのですから多少読むのに苦労しました
わかりやすく説明するためのたとえ話がチンプンカンプンなんですからね
それでも筆者の話は麻雀の勝ち方ではなく
人生の生き方そのものですから納得できるんです
勝負事の進め方というより悟りの境地か哲学
頂点に立つ者だけが見ることのできる世界観なのかもしれません
期待していた「流れをつかむコツ」みたいな記述は皆無
小賢しい技術では流れがつかめないことを思い知らされました
逆に終始一貫しているので心に染み込むようです
まったくタイプは違いますが
先日読んだ萩本欽一さんの「ダメなときほど運はたまる」と通じる何かを感じました
コメディアンと雀鬼ではイメージが正反対にも思えますが
それぞれの世界を生き抜く困難さは同じかもしれません
お二方とも長年一線で活躍されてきたことの
下支えとなる思想が本の中に凝縮されているとお見受けしました
ハッキリ言って共感できる部分とそうでない部分があります
それはそれで生きてきた道が違うわけですから仕方のないことだと思います
私もひとのいうことをハイそうですかと受け入れる素直な人間ではありません
しかしながら一人の人間の生き方として認めることはできます
面白い本でした
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